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【一口馬主】2024年度サンデーTC出資馬検討メモ(関東馬編)

馬体・血統・測尺がどうしても気に入らない馬、自分の実績(450万)では買えないであろう馬、人気になりすぎて手が届かない馬などを除外した出資馬候補メモです。確実に買えないけどできればほしい馬も何頭か入れてあります。
今回も馬体や血統についてゴチャゴチャ語っておりますが、個人的に最重要視しているファクターというのは「ウォーキング動画」なんですね。実はこれが出資馬を選ぶ決め手の8割ぐらいを占めています。もちろん「俺の記事の影響で狙ってる馬が人気になってしまったら…」なんていうのは思い上がりも甚だしいですけども、俺の馬見の核心の部分でもあるので、常歩から得られた印象に関しては少しボカして書いているところ(とくに筋肉についてあまり言及しておりません)があります。ご了承ください。
ちなみに、社台TCの馬を無視しているのはそこまで手が回らなかったからです。


1 グランアレグリアの23 牡 1/24
父エピファネイア×母父ディープインパクト
151.0 173.0 21.0 427 500万円 木村哲也

エピファネイアの記事にも書いたように、母父ディープインパクトとの組み合わせは実は好相性でもなんでもなく、G1馬が出ない、という意味でいえばむしろバッドニックスですらあります(くわえて祖母のところにヌレサド血統を持っておらない同配合の馬はあまり走らない)。しかし、エピファネイアとA.P. Indy系の組み合わせからは今年の日本ダービー馬ダノンデサイルが出ているので、今後こちらが強く出れば新たな成功パターンの一つになるかもしれません。
たしかにカタログの文面どおり、一見したところ父にも母にも似ていませんが、べらぼうに深い胸やボテッとした腹袋、およびトモの筋肉の質感やなんかにはどことなく母グランアレグリアのエッセンスを感じます。さすがにムチャクチャな値段がついているだけあって、貶すところもとくに見当たりませんでした。シンプルにいい馬です(買えないけど😘)。


5 フォエヴァーダーリングの23 めす 4/11
父エピファネイア×母父Congrats
154.0 165.5 18.8 414 200万円 国枝栄

フォーエバーヤングの半妹で、父と母父の組み合わせは今年の日本ダービーを制したダノンデサイルと同じ。しかし、個人的にダノンの配合の核心は母母父のForestryや3代母父に入るDynaformerの部分だと思っているので、手放しにはほめられないところがあります(上でほめたばかりですが)。さらに、管囲が18.8センチしかない細い脚がこの血統特有の筋肉質な上半身を支えきれるのか、という懸念もあります。
しかし、それらの欠点を補って余りあるのが歩様のすばらしさ。全身を余すことなく目一杯に使って歩いているにもかかわらず、これは体幹の強さの表れなのでしょう、腰やお尻がまったくブレない。それでいて背中には適度にしなりがあって柔らかみを感じさせます。歩様だけなら世代でもトップクラスなのではないでしょうか。


13 プリンセスノーアの23 めす 4/27
父キタサンブラック×母父Not This Time
156.0 166.5 20.1 409 175万円 田中博康

母父のNot This Timeは日本では馴染みがありませんが、米G1トラヴァーズSを圧勝したEpicenterを出すなど活躍馬多数。しかし本馬に関しては、代々付けられてきた種牡馬たちがあまりにもB級すぎるところが懸念材料で、ボトムラインを6代遡らないと重賞馬が出てこないのも頷けるところではあります。均整の取れた美しい馬体の馬をよく出すキタサンブラック産駒のわりにはいびつなつくりをしているのも、母方の血統が強いせいなのかもしれません。
けれども、馬体がいびつだというのは、ともすればそれだけ伸び代がある…と言えなくもないわけで、とりわけ後ろから見た腰のつくりや高さからその片鱗を感じます。また、「遅生まれで未完成なのにきちんと歩けている」というのも強みのひとつです。過去の名馬ではオルフェーヴルがまさにそういうタイプでした。グッ、グッ、グッ、グッと腰をうまく使って確実に地面をとらえながら力強く踏み込んでいるところも好印象。しいてケチをつけるなら、お尻の形(極端な斜尻)が気に入らないのと胴部の毛がモッサモサで代謝が悪そうなあたりでしょうか(パネマジかいうぐらいカタログの馬体と動画の馬体が違う)。


14 エクセランフィーユの23 めす 2/20
父スワーヴリチャード×母父Frankel
154.0 168.0 19.2 396 125万円 木村哲也

ホープフルSを勝ったレガレイラは母父がデインヒル系のハービンジャーですが、本馬の母はデインヒル3×3のクロスでもってこの血統を強調したつくりになっています。3代目に入るChamps Elyseesはハービンジャーの父Dansiliの全弟でもあります。また、スワーヴリチャードは最近の種牡馬には珍しくNorthern Dancerの血脈を1本しか持っていないため、NDがギチギチに詰め込まれた母との配合が合うんではないかと個人的に踏んでおります(レガレイラには都合6本入ります)。本馬の母エクセランフィーユにも6本のNDが入っています。
馬体を一瞥して真っ先に感じるのが、肌の締まりのキツさでしょうか。これに関してはプラスになるのかマイナスになるのか、はっきりしたことは分かりませんが、今見るとレガレイラもわりとキツめに感じるし、全身を使ってキビキビ歩く姿やなんかもどことなく似ているのではないかと思います。


44 バンゴールの23 めす 2/6
父アルアイン×母父キングカメハメハ
157.0 170.0 19.9 404 60万円 小笠倫弘

アルアイン産駒は弥生賞を勝ったコスモキュランダ(お母さんがPleasant Dixie≒デインヒル2×3というかなりユニークな配合をしています)だけが唯一気を吐いているような現状なので、とても推しづらい。また、勝ち上がった6頭のうちサンデーサイレンスのクロスを持っているのは未勝利を勝った1頭だけ、という本馬にとってはかなり厳しいデータも出ております。
しかしながら、エルミラージュ(エラクレーアの21)なんかをぶっちぎり1番人気にするぐらいならこの馬も買ってあげなさいよ…と思ってしまう程度にはイイ馬なんですよね。今年の募集ラインナップのなかでもっとも無難なものはどれか、と聞かれたら真っ先にこの馬の名前をあげるでしょう。身体のバランスや測尺は申し分ないし、メカニック面の狂いもない。ウォーキング動画をみても、肩や飛節を目一杯伸ばして、しなやかに柔らかく歩くのだけれど、この手の馬にありがちな緩慢さはほとんど感じません。ぜひ第2希望に書きたいウマですが、さすがにそこまでは残らないか。


47 ロカの23 めす 4/3
父インディチャンプ×母父ハービンジャー
153.0 169.5 20.0 395 150万円 木村哲也

レガレイラの半妹。父がスワーヴリチャードからトキオリアリティー牝系のマイル王者インディチャンプに変わってムチムチしたパワー型の馬体に出るのかと思いきや、どちらかというとお姉ちゃんよりも枝が長いのではないか、というぐらいスッキリとした中〜長距離向きのそれに出ています。ここはステイゴールドやハービンジャーやダンスインザダークの血が素直に再現されたのかもしれません。
細部を見ても、適切な長さ適切な太さのクビが理想的な角度でもって肩口に収まっており、腰の位置は高く、腹袋がボテッと落ちて力のある、遅生まれとは思えないすばらしい馬体をしています。脚元には何の問題もなさそうですし、歩様にも文句のつけようがない。これまたバンゴールと同じく非常に弱点の少ない馬だと思います。強いていうなら、後ろから見た腰の形が丸すぎるのが残念か。


49 ブリリアントカットの23 めす 2/21
父Gun Runner×母父Speightstown
150.0 165.0 19.3 396 150万円 栗田徹

Gun Runnerとリアルスティールの記事で取り上げた馬。あちらで使った用語でいうと、本馬の母の血統表には、Speightstownとザファクターの間に10年(なかなかお目にかかれない数字です)の「世代ねじれ」があって、ザファクターとDixieland Bandの間に28年の「世代ズレ」があるため、Gun Runner産駒の典型的な成功パターンといってよいのではないかと思います。
前腕に筋肉がたっぷりついている分、脚の運びはちょい重ためですが、ここはダート馬だから、ということで割り切ってしまいたい。すばらしいのが、柔らかい筋肉をたっぷりと蓄えた後躯の蹴っぱりの強さと、背中をリズミカルに撓ませつつも体幹や腰の位置がまったくブレない歩き方。欠点らしい欠点といえば、肩や繋が寝すぎているところか。

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