時空を翔ける記憶 母とのご縁 その1
68年前、中国新聞社主催の赤ちゃんコンクールで、母乳の部 一位だった健康優良児の私。すでに 賞状はセピア色に変色している。
幼稚園の学芸会で、かぐや姫の劇をやった。
かぐや姫はかすみちゃん、おじいさんは田口えみこちゃん、そして私はおばあさん役だった。
地味な着物を貸してくれたおばさんが、涙ぐんで「大きくなったねぇ」と言った そんな記憶がある。
その時、『私は捨て子だったんだ』 なぜかそう思った。
あの母の子ではない そう、はっきりと意識した。
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