第189回 万事みな夢の如し の巻
大宰府の道真は、はるか遠い京の都を思い返し「万事みな夢のごとし」と詠みます。 道真の心情がこれほどナマナマしく伝わる一句はありません。「大宰府編の最後で絶対に描きたい!」と最初から思っていました。
大宰府での道真は日々、「自死の念」との闘いに葛藤していたことが当時の詩から伺えます。
『古くからの友は時に私にごちそうしてくれた。また、家族は私の身のまわりの世話をしてくれた。今まで苦しい人生だったけど、私はいろんな人に助けられて生き続けてきたんだ。どうして今死にたいなどと考えるんだ。私は生きるんだ。』
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