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第158回 宇多上皇、引退す の巻

なぜまだ30代の若い上皇がこのタイミングで引退したのか?

一般的な道真本では次のように解説されます。

「政治がいやになった」
「時平・道真体制で安心した」
「早く仏道に専念したかった」

そんなもんかなあ…とスルーしそうになりますが、やっぱり変。。
スッキリした解説を見たことがなく、モヤモヤが抜けません。

こんなモヤモヤする解説がなされている時は、要注意。 背景にある事情が複雑すぎて一般の読者にわかりにくいため、わかりやすい解説でお茶を濁している…と疑ってかかるのがよさそうです。

これは調べないと・・・

背景を調べてみると、このあとまもなく班子女王(宇多上皇の実母)が亡くなっています。うっ、これは何か関係がありそうです。

そして班子女王という最強の「重し」がなくなるやいなや、政界があわただしく動き始めます。 

宇多上皇は病気で死期が近い母の様子から、政変を察知して事前逃亡した…というのが私の勝手な想像です。

しかし実際、班子女王の死を境に藤原摂関家(ドンは藤原淑子)の猛攻、つまり道真を含む宇多グループの解体・排斥が開始されるのです。

そして道真物語のクライマックスへ・・・。


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