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第71回 みんな合格、おめでとう! の巻

道真サンが合格した弟子ひとりひとりのために書いた詩をネタに。弟子への愛情がヒシヒシ伝わります。道真サンってホント、教育が天職の人だったんですね。

平安時代の大学とは、イコール官僚養成機関。
受験は超難関。 大学は日本にひとつしかなく学科は4つだけ。

なかでもエリートコースといわれる紀伝道学科は定員20名しかありません。学年という概念がなく、誰かが卒業または中退しない限り新入生の枠はありませんでした。 合格すると官吏(公務員)への道が開け安定収入が見込めるため、みんな必死でした。

現在とは違い、20代後半~30代でようやく合格するのが一般的。

ちなみに道真の合格は18歳、史上最年少の部類です。
(当時の18歳は数え歳なので、現在でいう16歳または17歳)

詩のトップに登場する丹誼さんは49歳での合格。歴代合格者の中でもおそらく最年長の部類です。 詩のトップを飾るほど師匠・道真の喜びも大きかったのがわかります。

後ろから2番目の「右生」クンは藤原菅根(すがね)。学生は通常、字(あざな)で呼ばれました。この時 菅根、30歳。

菅根は道真にその才能を認められ、道真に引き上げられてぐんぐん出世します。しかし道真追放事件の際には時平側についた裏切者として一般に知られます。この時期の詩にすでに登場していたんですね。

怨霊伝説では、菅根は道真の怨霊によってやられます。マンガ第3部・4部でも登場予定です。


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