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「ほしいものをつくる」by 香るスクイーザー開発者 西

「誰かのほしいもの」をつくるのと、
「自分のほしいもの」をつくるのは違う。

香るスクイーザーは、ぼくがはじめてつくる「自分のほしいもの」だった。

大好きなレモンサワーを美味しく飲むためのプロダクト。
開発にあたって、美味しいレモンサワーの定義を決める必要があった。

きっと味覚を満足させるだけでは物足りない。
美しい味と書いて、おいしい。
ぼくは目で見て美しい物がつくりたいと思った。

果汁、果肉、果皮。
レモンのすべてが混ざり合い、ほのかに濁った美しいレモンサワー。
そして、その濁っていく過程を見届ける「体験」を味わうことができるように、果皮をすりおろせるような設計に辿り着いた。

それは結果的に本来の意味での「美味しさ」にも繋がった。
果皮に含まれる爽やかな香りが味わえ、苦味が加わることで果実感も増した。

これはまさしく「自分がほしいもの」だ。
けれど、実際に使うのは自分ではない。

ぼくたち開発者は使う人の顔が見えない。
どんな人がこの製品を使うのか、想像力を働かせるしかない。
自分の求める機能を、誰が使っても同じように使えるように。

たとえば小さな取っ手は、果皮をすりおろすときや果汁を搾るときに最小限の力で使えるように、取り付ける角度も微調整を重ねて現在の設計になった。
先端に向かって細くなった形状は、すりおろした果皮が果汁で流し込めるように設計した。

使いやすさを求めながら、同時に、デザインの美しさも失いたくなかった。

キッチンやリビングに飾りたくなるようなデザイン
はじめて見た人に、興味を持たれるようなデザイン
そんなことを想って「魔法のランプ」をモチーフにした。

レモンサワーに魔法をかける、って文句も素敵だと思った。

「使いやすさと美しさを兼ね備えたもの」
これはぼく自身が本当にほしいと思う製品になったし、きっとほかの誰かのほしいものでもあると思うことができた。
いわゆる自信作というやつだ。

「誰かのほしいもの」をつくるのは、
「自分のほしいもの」をつくるのと同じ(なのかもしれない)。
今はそんな風にも思う。

2020年、誰もが落ち着かない毎日を過ごしているけれど、香るスクイーザーがたくさんの人をわくわくさせてくれることを心から願っている。


株式会社アメイズプラス
西 綾太

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