見出し画像

amazarashiのロストボーイズツアー ひたすらライブレポする

先日、amazarashiのライブに行った。
元々6月の予定が延期になり4ヶ月。待ちに待ったツアーの再開だ。

今回のアルバムは いちばん と言ってもいいくらい 大好きで大好きで、それはもう CDに穴が開くほど聴いたのだ。
中止にならなくて本当によかった。再開してくれてありがとうございます。

amazarashiは 好き という気持ちもあるけれど、救ってもらった という恩のような気持ちも大きい。なのでこの機会に魅力を語ろうと思ったけれど、以前書いた記事と全く同じ内容になったのでやめた。
ということで、今回はひたすらライブの感想です。始まります。


01.感情道路七号線

本調子じゃなかったらどうしよう。無理はしないで欲しいな。開演前 座席に着いて、モニターに流れる文字を眺めながら思う。

ところが、そんな心配は早々に打ち破られた。

真っ暗になり、流れていた文字が秋田さんの声で再生されて。大きく鳴り響く音と、声。

予想を遥かに上回る迫力に驚いて、どこまでも響く歌声と 底知れないエネルギーに圧倒される。
私はずっとこの音が、この声が聞きたかったんだ と、幕越しに見えるシルエットに目を凝らしながら思った。

ライブに行くと毎回ながら思ってしまう。
「あぁ この人って実在したんだな」なんて。


05.間抜けなニムロド

もともとそんなに思い入れていた訳ではなくて、もしかしたらセトリ落ちしているのではと思っていたくらい。ところが 曲が始まって一転、映像の美しさに釘付けになってしまった。
光の射程圏内にいたので、光に包み込まれて、その中心で歌が響いて。客席もまるごと飲み込んで 溶け合って、自分がどこにいるのかわからなくなりそうだった。
幻想的な空間の中で、まるでスペファンみたいだな と 情緒も何もない感想が浮かんだ。


06.空洞空洞

イントロが鳴って、ハッとした。
まさか そんな。嘘だろ と思うと同時に、ライブ映像で何度も観た円形がモニターに映し出される。
いつか聴けたらな と思っていた、大好きな曲。
一言一言が、一音一音が、これでもかというくらい近くて。泣きそうになるのに楽しくて、目が離せなくて、吸い込まれそうになる。

このライブのあと しばらく、街中や職場で擦れる音を聴く度に 空洞空洞か!?と反応してしまう羽目になった。ずいぶん単純なパブロフの犬である。


08.あんたへ

本当にどうでもいい話だけれど、少し前に会社でかなり大きいミスをした。単独ではなく、いろんな人の いろんな連鎖により生まれたミスで、その最終地点が私だったのだ。
すみませんと謝りながら 心底嫌気がさして、もう辞めてやろうか なんて思っていたところ。

だから、この曲の歌詞が会場に響いたとき どきりとした。まるで私のためのライブじゃないか。なんて 思った人、一体何人いただろう。

11.数え歌

初めて聴く曲だった。あとで一緒に行った友達に聞くと、かなり昔の曲だそうだ。
初めて聴いたのにどこか懐かしくて、心にすとんと落ちるような歌詞に惹かれた。ライブが終わったあともずっと この曲が離れなくて、気がついたらCDを買っていた。


12.アオモリオルタナティブ

ずっと楽しみにしていた、というか実は これを聴きにきたと言っても過言ではなかった。
「伺うんじゃなく睨みつけろ」というフレーズが好きで好きで、勝手に座右の銘にしているくらいだ。
もちろんそれだけではなくて。
自分の歩いてきた道を、消したい失敗も過去もすべて「成り立ち」と肯定するつよさに胸を打たれた。

あっち行ってこっち行っても 君はもうきっと大丈夫
自分の成り立ちを知ってこそ 理想の成り行き描けるんだ

このフレーズを、どれだけ繰り返し聴いただろう。
この人が歌う「大丈夫」は、他の誰の どんな言葉より 重くて温かい。そう思った。


13.爆弾の作り方

また聴き覚えのあるイントロが流れて、というかほとんどは聴き覚えのあるイントロなんだけれど、思わず席で仰け反ってしまう。
今度ばかりはありえない。もしかしたら夢かもしれない と 一瞬頭をよぎったけれど、夢ではなかった。一生イヤホン越しでしか聴けないと思っていたのに。

自分を奮い立たせるための歌として 大事な場面で握りしめていた曲だった。

許されない僕等が 許されるための手段
傷つきやすい僕らが 身を守るための方法
僕は歌で 君はなにで?
僕は歌で 君はなにで?


私のことなんて知らないはずなのに、どうしてこうも 確実に刺してくるのだろう。
大勢に向かって歌っているその声が、自分宛だと錯覚してしまうくらい。


14.空に歌えば

冷静さを取り戻す間もなく 怒涛のセットリストでライブは続く。アルバムツアーだからと油断していたのに、と 思わず少し笑ってしまう。

力強く歌って、動いて、弾いて、その一挙手一投足に魅入って 何も考えられなくなる。コーラスの声が響いて音が鮮やかになる。
やっぱり夢かもしれないな と、何度も思った。

15.1.0

あまりに優しくて 温かくて、お守りにして持ち歩いていた。全部のフレーズを抜粋したいくらい 大切で大好きだ。

それでもしがみ付く光を 生きていく為の言い訳を
死んではいけない理由を 悲しむ家族の顔とか
掴みたかった憧れとか 希望と呼べる微かなもの
見つかりますように 見つかりますように

それでも逃げ込める居場所を あなたを呼び止める声を
もうここで死んだっていいって 心底思える夜とか
報われた日の朝とか あなたにとっての1が
見つかりますように 見つかりますように

優しい光みたいな 祈りの歌だ と、初めて聴いたときそう思ったのを覚えている。

0.6から1.0に 塗り替えられていく歌詞を見ながら、私の1はamazarashiに違いないと思った。
きっと みんな同じ気持ちだっただろう。

そういえば、MVのコメント欄に 「1」と「位置」が掛かっている と言っている人がいた。私はこの考察がすごく好きで。
私の1であり 位置でいてくれる、そんな存在。
これからもどうぞよろしく と、勝手に念を送ったのだった。


MC

延期になってすみません と、あと2曲やります とMCが入る。どんな日程になっても 這ってでも行くつもりだったので問題ない。
躓いたとき、起き上がり方をたくさん知っている方がいい みたいなことを言っていた。
転んだり躓いたり失敗したり。そんないろいろを、切り替える や 忘れる のではなく、受け入れて 糧にする。そんな姿勢を見て、改めて 芯のつよさを見た気がした。

17.空白の車窓から

車窓から流れる景色を見ながら、あぁ終わってしまう と思う。すごくすごく濃い時間だった。けれど、振り返ったら一瞬だったような気もする。

また会えるよな、と 心の中で言い聞かせた。



出口でポストカードを受け取り、改めてセットリストを確認する。
どう考えてもやりすぎだ。アルバムツアーなのに こんな贅沢な。俺が考えた最強のセトリ みたいになっているじゃないか。

友達にライブの感想を言おうとしても、「よかった」しか出てこない。語彙力の終わりを感じながら、帰路に着いた。


ところで、これは多くの人が言っている話だけれど。amazarashiは 元気なときにははまらない音楽だと思う。
私も はまったのはほんの2年ほど前だけれど、実は10年前に千年幸福論をレンタルCDショップで借りたことがあった。暗い曲だな 程度で何も思わず、そのまま返却したのを覚えている。

2年前は、どうしようもなく元気がなくて 動けなくて。たまたま無料のライブ映像でamazarashiを見掛けたのだ。
自分が底にいるとき、どうしようもないとき。そんなときに寄り添ってくれる音楽だと思う。amazarashiにしか救えない瞬間が、確かにあるのだ。

なので いまここで、例えば、1.0のURLを貼ってみたとして。響く人がどれだけいるだろう。
(というか、この記事をここまで読んでいる人はいるのだろうか。)

もし響かなくても、どうしようもなくなったときには どうか思い出してもらえればと思う。

そこがきっと入口なのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?