『蔵書数24,000,000冊……の、図書館があるらしい』 『噂によると、そこに最強の魔導書が、あるとか、ないとか』 最強の魔導書。少しばかり興味がある。ロマンあふれる言葉だな、とぼくは思った。 ぼくは魔力を使って魔法を行使できる部類の人、いわゆる「魔導師」にカテゴライズされるのだが、日常生活では基本的に使わないようにしている。理由は「人間的な部分」を失いたくないからなのと、ぼく自身がほかの魔導師たちと比べて少し変わっているから。だから今回の調査を任されたのだろう。