『FLYING SAPA -フライング サパ-』

真風さんが大好きすぎて、今年の春、私は頑張ってチケットをとりました。
「こ、これで、観に行ける………!!!!!」とむせび泣いた後の休演。とうとう再開されました。

しかし、8月に入ってからの花組、星組、雪組、と休演が続くなかでの宙組公演『FLYING SAPA -フライング サパ-』。果たして、果たして千秋楽を無事に迎えられるのだろうか……私ですらそんな不安を抱いていたのだから、劇団の皆様はさぞやと偲ばれます。

幕が開いた後も、結構な評判でネタバレ禁止よ!という雰囲気に膨らむ期待。自宅のU-NEXTで母がためこんだポイント3500円分を使い切って視聴しました(お母さん、ありがとう)。

舞台内容はさらっと。

①SFであり、ディストピア
ちょっと前にディストピアもの流行ったなと思っていたのですが(オーウェル『1984』、ハクスリー『すばらしい新世界』とか伊藤計劃とか)、その流れですね。SF!と思うと超文系情緒文学大好きっこな私は苦手意識が芽生えてしまうのですが、ディストピアは皮肉的要素が設定に加味されるので比較的大丈夫です。というわけでサパも無事に起きてました。

②そんなに難しくはない……はず。
SNSで一回観ただけでは理解できない!というご意見も見かけましたが、人間関係はわかりやすく、SF設定も何度も説明してくれるので問題ないです。ただし、普段の宝塚とは異なる世界なので、え?それってどういうこと?とすんなり馴染めない、という方はいらっしゃるかも。話の構造は難しくはないので、ゆったり構えて流れの中で理解できるようになっていると思います。さすが、宝塚。

③そしてやっぱりタ・カ・ラ・ヅ・カ
舞台全体の色調も地味だし、歌も踊りも極限まで削っているので、良くも悪くも宝塚らしくない、というご意見も見かけましたが、私は宝塚らしい舞台だと感じました。それは一重に男役がかっこいいから。ストーリーや世界観云々といいつつ、ロングコートの真風さんと芹香さんがめちゃかっこいい。これは、すっごくタカラヅカ作品。だって、そのかっこよさは最初から作品のコンセプトに大きく、強く組み込まれてますよね?
男役がかっこよくなかったら宝塚じゃないけど、めちゃかっこいいんですよ。これが宝塚でこそ成り立つ世界観でなくてなんでしょう……!


基本、台詞だけで進む舞台なので、集中しながら観たというのもありますが、直前まで「本当にやるのだろうか」と緊張しながら待ち、無事に千秋楽のカーテンコールを迎えた真風さんの挨拶に私は、声をあげておいおい泣いてしまいました。そしていま、腑抜け状態です。すごく疲れた。


公演関係者の皆様はいったいどれだけのプレッシャーと闘いながらの日々だったろうか。花組、星組と、次々休演が発表されていくなか頑張った宙組さん……。本当にありがとうございました。
また、宝塚の舞台を観に行きたい、だから私も頑張らなきゃ。
宝塚ファンとして思う存分、宝塚を応援して楽しみたい。頑張ろう。

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