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渡部昇一流『四書五経』の解釈

138、退くべきときを知る

🌏進むを知って退くを知らず。存すを知って亡ぶを知らず🌏

 (『易経』乾)

前に進むことだけ知って、後ろに下がることを知らない。
存することだけ知って、滅することを知らない。

私たち世代の体験で言えば、戦争中の日本がそうだった。
絶対に退かず、最後には玉砕して終わった。
どんどん退けば無駄に命を落とす必要もなかったし、
戦力の温存も図れたはずなのである。

退くべきときが来たら退かなくてはならない。
それは人生も同じであろう。



落陽

今朝から少し疲労感があります。
朝からダブルショックを受けたせいだと思います。
今年はショックを受ける年らしい。
今まではこういうことは滅多になかったことです。
少々のことには驚かないという「鈍」が優っていたのに
この頃は少々のことで反応するようになってしまった。
加齢のせいか、それとも加齢によって体質が変わったのか?
とにかく「鈍」から「鋭」に変化しているのは確かだ
私が小六の頃、室生犀星という詩人に出会った。
彼の詩集『鶴』の冒頭にある「切なき思ひぞ知る」だ。

我は張り詰めたる氷を愛す
斯かる切なき思ひを愛す
我はその虹のごとく輝けるをみ見たり
斯かる花にあらざる花を愛す
我は氷の奥にあるものに同感す
その剣のごときものの中にある熱情を感ず
我はつねに狭小なる人生に住めり
その人生の荒涼の中に呻吟せり
さればこそ張り詰めたる氷を愛す
斯かる切なき思ひを愛す

1989年(明治22年)〜1962年(昭和37年)石川県金沢市生まれ

私は一瞬体が凍りつくのを感じた。
とてもじゃないが花や熱情は感じられませんでした。
が、彼はその奥にある温もりや花を感じたんです。
とてもついて行けませんでしたね。
でも、今はこの詩の中にあるものが理解できるんです。
能登半島地震は私にどのような影響を与えてくれたのでしょうか
どうやら今年は私にとって再出発の年になるようだ。
では、本日もつつがなくお過ごしください。
ありがとうございます😄


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