ダークファンタジー小説『平和の鐘』第三章兄と弟「力:パワー」創作日記
こんにちわ、加賀宮カヲです。
間に年末年始と「目の調子が悪い」を挟んで、完結に一ヶ月かかってしましました。
第三章兄と弟に入ってから、ジョージがヒロイン化しています。基本的に独占欲が強い兄弟なので、間に立たされる人間はもれなくヒロイン化しがち。
四話構成で、既にエピソードは最終回を迎えております。
【小説リンク】
カクヨム
力:パワー-Ⅰ - 平和の鐘(加賀宮カヲ) - カクヨム (kakuyomu.jp)
【あらすじ】
キングとジョージがついに激突。洗脳を解かれた事により、新たな葛藤を抱えるジョージ。カインを奪取されて激高したヨシュアは、キングと父オリヴァーの接触に気づいてしまう。心が離れてしまった父と妹アンナの決断。狙われるクロエ。ここに来て、筋の通らない行動を取り始めたキング。その胸中とは。
【登場人物】
キング・トート:本作主人公。15歳。両親を殺害し、死神の身体を乗っ取った少年。美しく非常に聡明な少年。取引と引き換えに様々なものを手に入れていく。当初、ミステリアスな面が目立ったのは生育歴によるもの。クロエと再会するまでは、学校に通うのが一番の夢であった。出生の秘密と兄の存在が明らかになっている。背負わされている運命が激重。
(主人公サイド)
エマ・ハイネマン:「審判の日」より登場。ヘッゲルの実娘であった。かつてのエマとしての記憶を全て失い、ただのエマとしてキング邸のメイドをしていた。キングの良き理解者。
フランツ・デューラー:「運命の輪」より登場。ヘッゲルの実弟。身勝手で冷徹であった兄とは違い、実直な性格。やり手のビジネスマンらしい強かさを持つ。キングとエマによってヘッゲルが死亡した事を知らない。
ルビー:第三章より登場。ポーランドの屋敷(孤児院)。施設長。エマと同じ長崎にあるセツコの施設で育った。聡明で活発な女性。とある一件で、キングに対して疑問を抱くようになる。
(トロイメンバー)
レイラ:「女教皇の憂鬱」より登場。傭兵部門トロイの幹部だった。18歳。クロエの実姉だが、彼女が生まれる前に売られてしまったため面識はない。ナイフを使った戦闘を得意とする。現実主義者。キングの過去を最もよく知る人物。トロイのボスの愛人であった。
カイン:「甘い節制」より登場。レイラと同じ、洗脳が入らないアダムの子。傭兵部門トロイの幹部だった。兵器である事にプライドがある。感情を殆ど表に出さない。その場にあるものを武器にした戦闘が得意。ヨシュアのお気に入り。彼にキスをされてからレイラを意識するようになる。18歳。
(キンドリー州知事サイド)
アンナ・キンドリー:「運命の輪」より登場。州知事の子供、二卵性双生児キンドリー兄妹の妹。盲目の美女。独特の勘の鋭さを持つ。ヨシュアから歪んだ愛情をぶつけられている筆頭格。ある意味、彼が本音を出せる唯一の相手。周囲が思っているよりも、様々な事に気づいている。キングに惹かれている。23歳。
オリヴァー・キンドリー:存在自体は「運命の輪」より登場。二卵性双生児キンドリー兄妹の父。妻は居ない模様。息子のヨシュア同様、冷徹。政治には長けてる。息子に対して複雑な感情を持っている。エヴァへの想いを吐露する場面も。
(キーパーソン)
エヴァ:キングの母。当初より登場。既にキングの手で殺害されているが「星の憧憬」で過去が語られる。元アダムの子で偶像の血液で実験をされていた。本作のキーパーソン。
クロエ:「月の嘆き」より登場。黒い瞳が特徴的な少女。彼女が持つ瞳は『ブラックダイアモンド』と呼ばれ、イブの庭が狙っている。本人は洗脳状態であった。現在は長崎の施設にいる。6歳。
セツコ・モリシタ:「死神の罪悪感」より登場。モリシタ家と名字が同じ。最新話までで、モリシタ家との関係。また自身の正体も明らかになっている。長崎にある施設の長であり、シスター。
(モリシタ家)
ノブヒコ・モリシタ:ジョージの父。10年前に自死。表の姿は医師。本業はプロジェクト・エデンの責任者であった。エヴァの一件以来、実験には消極的になっていったものと思われる。最終的にはジョージを研究所で洗脳してしまう。
(その他)
7(セブン):州警察の警察官。トロイメンバー。ヨシュアのペットであり、狂信者。
ブラック&ホワイト:州警察の刑事。実態は中央情報局。誰による指示で動いていたかは、第2章末で明らかになっている。
眼鏡のマシュー:キングの親友。アンナの兄であるヨシュアを善人だと思っている。「力:パワー」でのエピソードキーマンとなった。
(死神)
偶像:「星の憧憬」にて登場。人間界に存在する、死神の一人。イブの庭の聖母エヴァとも呼ばれている。今なお、多くの禍根を残す存在。血に関する能力者。姿を自在に変えられるのに、デフォルトがエヴァなのは単純に本人が気に入っているから。エヴァを巡る関係者の反応を見ているのが楽しいというのもある。狡猾で死神らしい死神。
プルト:「死神の罪悪感」より登場。魔術師の弟。無邪気で子供っぽい男の娘。能力に制限が掛けられている。経緯については最新話までで明らかとなっている。今のところ、周波数を用いた能力のみが開示。
(キングと対立)
ジョージ・モリシタ:本作「吊るされた男」エピソード主人公。本作においてもキーマンを担う。かつてソビエト組織からそそのかされ、大統領暗殺を目論んでいた。父親が過去に行っていた人体実験を知ってしまい、過去を思い出してしまう。しかし、父の施した洗脳は依然残ったまま。クロエを誰よりも大事に想っている。28歳。
ヨシュア・キンドリー:「運命の輪」より登場。二卵性双生児キンドリー兄妹の兄。非常に利己的で残虐な性格。目的の為には手段を選ばない。私情に走りがちな一面も。カインとアンナに対して病的な執着を見せている。キングとの関係性については最新話までで明かされており、彼を激しく嫌悪している。23歳。
【キーワード】
洗脳:今作で最も重要なキーワード。偶像の力を用いて行われる事が殆ど。教団イブの庭の存在によって、勝手に心酔している者も多数存在する。
特別顧客:国や人種、組織を横断していく存在であり、特定の誰かを示す呼称ではない。第一次産業革命時より存在している。情勢により異なるが、基本的に称号を持つ者は一人。現在の称号所持者はヨシュア・キンドリー。
イブの庭:表向きはカルト教団だが、作ったのは先代の特別顧客。特別顧客の隠れ蓑。
アダムの子:人身売買された子たちの呼称。教団イブの庭の信徒も同じ呼称だが、人身売買の隠れ蓑として名付けられていた。キングの育った集落の子供たちは皆、何故かいなくなってしまう子供たちとして、アダムの子となっていた。集落そのものについても、第2章で結論は出ている。
トロイ:イブの庭、傭兵部門。全員が自爆テロ兵器として訓練されている。
エデン:イブの庭、人身売買部門
州警察:特別顧客の持ち物。中には多数のトロイが警察官でいる。署長の命はトロイによって管理されている。
プロジェクト・エデン:ジョージの父と先代の特別顧客が、偶像と共に行っていた人体実験の総称。研究所は現在、機能していない。作中人物の子らの多くがこの研究所と関わりを持っていた。
特異体質:死神の血を使った人体実験の成功体。現存する特異体質者はキング一体と言われていた。自死したノブヒコ・モリシタが隠匿した事実により、そうではない事が明らかになっている。
ブラックダイアモンド:現在は、クロエの瞳を呼称している。その内容については特別顧客のみが知っている状態。もう一体存在することが「塔の住人たち」で明らかになった
【作者から一言】
有言実行に関しては、この作品って女性陣の方が覚悟ガンギマリ勢なので。男性陣の方が軸が定まらないと言うか、何がしたいねんと言うのが浮き彫りになってもうたと思いました。
ジョージをひたすらに迷う、その場の勢いに流されてしまう人として描いているんですが。彼は今後、変わっていくと思います。
一部のキャラを除いて『対話から目を背け続けた末路』が根底にあるんですよね。アンナは、その事を悔いている描写を都度入れてました。トロイ組も明日が分からない人達なので、対話はしておこうという考えです。
問題はキングとヨシュアなんだよな。
父オリヴァーが、対話から目を背け続けた人なので。似なくて良い部分に限って似るのが親子なんだよなあ……と思いながら書きました。ちなみに肝心な部分でやたらと受け身なのは、母エヴァ譲りです。
何気に割を食いまくっているのが、眼鏡のマシューとフランツ叔父さんですね。キングが知らなくて良いで遠ざけてしまった結果が今なので。フランツ叔父さんに至っては、死神の存在すら知らないという。
ぼちぼち終わりが見えてきているこの物語ですが、ラストに向かってどう動くのか。
ジョージとアンナの動向が相当なキーとなります。がんばれ、二人。
それでは『平和の鐘』をよろしくお願いいたします。
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