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自粛生活を支えるのは、女同士の語らいと定番メニュー(青山ゆみこさん、牟田都子さん、村井理子さんの「あんぱん ジャムパン クリームパン 女三人モヤモヤ日記」)

日ごろ孤独なライター稼業にとって、気の合う同業者とのおしゃべりは、心底リラックスできる時間です。

そもそも個性的な面々が多いため、世間様には正面切って言えないような過激なことや少数派な発言も、心配無用。
配偶者や子どもの有無、得意な分野など、それぞれ環境は違っていても、みなまで語らずとも伝わる安心感があります。

この本は、仕事でも私生活でも交流のある女性三人が、コロナ自粛で先の見えない2020年4月から6月まで、それぞれの生活を報告し合う手紙形式の日記です。

書き手は、神戸に住む編集者でライターの青山ゆみこさん、吉祥寺に住む校正者の牟田都子さん、琵琶湖のほとりに住む翻訳家でエッセイストの村井理子さん。
それぞれの思いや食べているものがプロの滋味溢れる文章で綴られていて、平穏無事な内容ではないのに、ココロのお掃除をしたような、ホッとした気持ちになります。

食卓周りの情報も満載です。
青山ゆみこさんは、村井理子さんが考案し、書籍もある「ぎゅうぎゅう焼き」というオーブン料理をアレンジした写真を掲載。
また「関西の昭和の小学生」の土曜日お昼の定番だったという、ウスターソースを使ったソース焼きそばのレシピも、詳細に紹介しています。

気に入っている近所のパン屋さんに行けなくなった牟田都子さん。15年ぶりにパンケーキを焼き、新婚旅行で行ったスイスのホテルを思い出しながらセッティングしたテーブル写真は、雑誌の1ページのよう。

村井理子さんは、中学生の双子の息子さんたちのためにダイナミックな量の食材を購入。「じゃがいものバター焼き」「玉ねぎ、豚バラ肉、ニラ、ニンニクチップを炒めてポン酢を回し掛けたもの」を大皿に盛っていつもテーブルに置いておき、息子さんたちがセルフでお腹を満たせるように工夫したエピソードを紹介しています。

この本の中から「青山ゆみこさんのソース焼きそば」を作りました。
具材は、焼きそば用の蒸し麺、豚バラ肉、キャベツ、粉かつお、ウスターソース、好みで青ねぎや青のり、一味など。

行きつけのお好み焼屋さんのカウンターで、大将の手元にかじりつくように見て覚えたという工程は、2ページを超えた文章量。
こんなの読んだら、もう今日は誰がなんと言っても焼きそばでしょう!

この焼きそばのポイントは、ウスターソースを使うこと。
関東育ちのわたしの家の冷蔵庫には、つい最近までとんかつソースやお好み焼きソースしか入っていませんでした。

でもある時、とっても簡単で美味しい「鶏レバーのウスターソース漬け」を教わり、この料理のためにウスターソースを常備するようになりました。(レシピは、文末でご紹介します)

コツを守って作った、青山ゆみこさんのソース焼きそばに、「きのう何食べた?」でケンジが作っていたレンジたまご(これも文末でご紹介)を乗せていただきました。
もう、この焼きそばの隣には、断然ビール!
はー、幸せ。ごちそうさまでした。

レシピの交換は、閉塞感いっぱいの台所に吹く、さわやかな風のよう。
直線会うことが難しいコロナ禍でも、昨日食べたお気に入り献立を伝え合える誰かがいれば、きっと乗り越えられます。

【鶏レバーのウスターソース漬け】鶏レバー(ハツが一緒に入っていてもOK)を洗い、脂肪部分を出来るだけ除去しながら、一口大に切る。(焼き鳥のレバーくらいのサイズ)鍋にお湯を沸かし、レバーを入れて中まで火が通るまで茹で、ざるにあげて水気を切る。密封容器にレバーが浸かるくらいのウスターソースを注ぎ、レバーが温かいうちに漬ける。半日以上冷蔵庫で馴染ませる。(日持ちは数日)

【ケンジのレンジたまご】たまごが入る大きさの耐熱容器に少し水を入れ、たまごを割り入れる。爆発防止のため、箸などを黄身に1カ所刺す。ふんわりラップして、600Wで30秒〜50秒くらい、好みの状態になるまで加熱。(ドラマを見た記憶で書いたため、原作と違っていたらごめんなさい)


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