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予備試験過去問対策講座

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●予備試験の過去問を対象に思考過程から最終的な答案例まで丁寧かつ段階的に解説した記事のマガジンです。 ●すべての科目の解説及び参考答案を一人の著者が一貫したルールに基づいて作成… もっと読む
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記事一覧

【予備試験過去問対策講座】平成26年憲法

はじめにこの記事は「予備試験過去問対策講座」講義記事です。 今回は、平成26年憲法を題材に、実際に過去問を解く流れを思考過程から段階的に解説していきます。 予備試験憲法の思考方法はじめに憲法の人権問題一般に共通する思考方法の例を紹介します。ここでは、「憲法Ⅰ(渡辺康行他)」の記載を参考とした三段階審査による論述を前提とします。 三段階審査は、問題となっている具体的行為が、①人権として保障された行為か、②その人権に対する制約があるか、そして、③その制約が正当か否かという三

【予備試験過去問対策講座】令和2年憲法

はじめにこの記事は「予備試験過去問対策講座」講義記事です。 今回は、令和2年憲法を題材に、実際に過去問を解く流れを思考過程から段階的に解説していきます。 予備試験憲法の思考方法はじめに憲法の人権問題一般に共通する思考方法の例を紹介します。ここでは、「憲法Ⅰ(渡辺康行他)」の記載を参考とした三段階審査による論述を前提とします。 三段階審査は、問題となっている具体的行為が、①人権として保障された行為か、②その人権に対する制約があるか、そして、③その制約が正当か否かという三段

【予備試験過去問対策講座】令和3年憲法

はじめにこの記事は「予備試験過去問対策講座」講義記事です。 今回は、令和3年憲法を題材に、実際に過去問を解く流れを思考過程から段階的に解説していきます。 予備試験憲法の思考方法はじめに憲法の人権問題一般に共通する思考方法の例を紹介します。ここでは、「憲法Ⅰ(渡辺康行他)」の記載を参考とした三段階審査による論述を前提とします。 三段階審査は、問題となっている具体的行為が、①人権として保障された行為か、②その人権に対する制約があるか、そして、③その制約が正当か否かという三段

【予備試験過去問対策講座】平成27年行政法

はじめにこの記事は「予備試験過去問対策講座」講義記事です。 今回は、平成27年行政法を題材に、実際に過去問を解く流れを思考過程から段階的に解説していきます。短期合格の経験を活かした、合格のために必要十分かつ実践的な内容を盛り込んでいます。 取消訴訟の解答フローチャートまずは、本問の題材となっている処分の取消訴訟(行政事件訴訟法3条2項)に関する問題が出題された場合に、どのような思考過程を経れば良いのか整理します。 検討要素 処分の取消訴訟に関する問題の検討要素は、訴訟

【予備試験過去問対策講座】平成30年行政法

はじめにこの記事は「予備試験過去問対策講座」講義記事です。 今回は、平成30年行政法を題材に、実際に過去問を解く流れを思考過程から段階的に解説していきます。短期合格の経験を活かした、合格のために必要十分かつ実践的な内容を盛り込んでいます。 取消訴訟の解答フローチャートまずは、本問の題材となっている処分の取消訴訟(行政事件訴訟法3条2項)に関する問題が出題された場合に、どのような思考過程を経れば良いのか整理します。 検討要素 処分の取消訴訟に関する問題の検討要素は、訴訟

【予備試験過去問対策講座】「原告適格」の論じ方(令和元年行政法)

はじめにこの記事は「予備試験過去問対策講座」のテーマ別講義記事です。 今回は、行政法の「原告適格」に関する問題を取り上げます。解説編で具体的な論述方法を確認した後、実践編で令和元年行政法設問1を対象に、実際の事例問題における使い方を解説していきます。 解説編原告適格とは 原告適格とは、行政事件訴訟法の9条1項に規定された、処分・裁決の取消訴訟において訴えを提起することができるための原告の資格を指します。これは、取消訴訟における訴訟要件の一つです。 原告適格に関する判例

【予備試験過去問対策講座】平成23年民法

はじめにこの記事は「予備試験過去問対策講座」講義記事です。 今回は、平成23年民法を題材に、実際に過去問を解く流れを思考過程から段階的に解説していきます。 予備試験民法の思考方法はじめに民法の問題一般に共通する思考方法の例を紹介します。ベースは「独学者のための論文勉強法①」で述べた「質問に答える(条文・当てはめ・結論)」、「法律文書としての体裁を整える」の2ステップです。 請求の内容と法律構成の検討 民法の問題は多くの場合、原告の請求がベースにあるため、まずは請求を特

【予備試験過去問対策講座】平成26年民法

はじめにこの記事は「予備試験過去問対策講座」講義記事です。 今回は、平成26年民法を題材に、実際に過去問を解く流れを思考過程から段階的に解説していきます。 予備試験民法の思考方法はじめに民法の問題一般に共通する思考方法の例を紹介します。ベースは「独学者のための論文勉強法①」で述べた「質問に答える(条文・当てはめ・結論)」、「法律文書としての体裁を整える」の2ステップです。 請求の内容と法律構成の検討 民法の問題は多くの場合、原告の請求がベースにあるため、まずは請求を特

【予備試験過去問対策講座】令和2年民法

はじめにこの記事は「予備試験過去問対策講座」講義記事です。 今回は、令和2年民法を題材に、実際に過去問を解く流れを思考過程から段階的に解説していきます。 予備試験民法の思考方法はじめに民法の問題一般に共通する思考方法の例を紹介します。ベースは「独学者のための論文勉強法①」で述べた「質問に答える(条文・当てはめ・結論)」、「法律文書としての体裁を整える」の2ステップです。 請求の内容と法律構成の検討 民法の問題は多くの場合、原告の請求がベースにあるため、まずは請求を特定

【予備試験過去問対策講座】令和4年民法

はじめにこの記事は「予備試験過去問対策講座」講義記事です。 今回は、令和4年民法を題材に、実際に過去問を解く流れを思考過程から段階的に解説していきます。 予備試験民法の思考方法はじめに民法の問題一般に共通する思考方法の例を紹介します。ベースは「独学者のための論文勉強法①」で述べた「質問に答える(条文・当てはめ・結論)」、「法律文書としての体裁を整える」の2ステップです。 請求の内容と法律構成の検討 民法の問題は多くの場合、原告の請求がベースにあるため、まずは請求を特定

【予備試験過去問対策講座】平成26年商法

はじめにこの記事は「予備試験過去問対策講座」講義記事です。 今回は、平成26年商法を題材に、実際に過去問を解く流れを思考過程から段階的に解説していきます。 平成26年商法では、実際の問題を解いていきます。 設問1 Cの無効主張の当否について問われています。 思考方法としては、必要な決議を欠いていないか、または決議の方法や内容に瑕疵がないか、という観点から条文を探していくことになると思います。 ■利益相反取引について X社の取締役であるBはY社の創業者であり、その発行

【予備試験過去問対策講座】平成27年商法

はじめにこの記事は「予備試験過去問対策講座」講義記事です。 今回は、平成27年商法を題材に、実際に過去問を解く流れを思考過程から段階的に解説していきます。 商法の論文対策について商法科目に含まれる法律のうち、特に会社法は条文数が多いため敬遠されがちですが、商法の問題としては、問われる内容はかなり限られており、論点に気づきやすい設問形式で出題されます。したがって、少なくとも民事系3科目の中では、もっとも対策の立てやすい科目であるといえるでしょう。 利益相反や取締役の会社・第

【予備試験過去問対策講座】令和2年商法

はじめにこの記事は「予備試験過去問対策講座」講義記事です。 今回は、令和2年商法を題材に、実際に過去問を解く流れを思考過程から段階的に解説していきます。 令和2年商法まずは、問題文の情報から甲社の機関設計を確認しておきます。 甲社の取締役はAのみであり、監査役が置かれていません。取締役会設置会社では取締役は3人以上でなければならず(331条5項)、また、取締役会設置会社は委員会設置会社を除き監査役を置かなければならない(327条2項本文)ことから、甲社は取締役会設置会社で

【予備試験過去問対策講座】「既判力」の論じ方(平成24年民事訴訟法)

はじめにこの記事は「予備試験過去問対策講座」のテーマ別講義記事です。 今回は、民事訴訟法の「既判力」に関する問題を取り上げます。解説編でパターンごとの論述方法を確認した後、実践編で平成24年民事訴訟法設問1を対象に、実際の論述の流れを確認していきます。 解説編既判力とは 既判力とは、確定判決の訴訟物の判断について生じる拘束力であり、前訴の確定判決後、後訴において紛争の蒸し返しを防止する効力を持ちます。これにより、後訴の当事者は前訴判決の判断に反する主張をすることができず