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パミール高原、ワハーン回廊、タジキスタンからキルギスへの国境越えまとめ。2024年5月

ツアーに参加した時の実費

  • ツアー代(車1台チャーター費1500ドルの人数割) 500ドル+300ソモニ

  • キルギス国境通過パーミット取得費用 20ドル

  • タジキスタンGBAOパーミット取得費用 70ソモニ

  • 宿泊費5泊 1000ソモニ

  • 雑費 200ソモニ

520ドル+1570ソモニ
総費用は680ドルでした。

ツアーに参加しない場合の予想費用

  • タジキスタン公共交通費 950ソモニ

  • ムルガブ→サルタシュ車1台チャーター費 100ドル

  • サルタシュ→オシュ公共交通費 1000ソム

  • キルギスパーミット取得代行業者費用 40ドル

  • タジキスタンGBAOパーミット取得費用 70ソモニ

  • 宿泊5泊+予備で2泊として 140ドル

  • 雑費 300ソモニ

280ドル+1320ソモニ+1000ソム
予想費用は430ドルです。

国境

2024年5月29日の時点でタジキスタンからキルギスへのキジルアルト国境は、ツーリストに対しては開いていました。
国境を越える際に必要なものは下記の3点です。

  • キルギスの入国管理所から国境線までを通過するパーミット

  • タジキスタンのGBAOパーミット

この3点が揃っていれば国境は越えられます。

その他

ツアーを申し込んだ場所はドゥシャンベのグリーンハウスホステルです。
ヒッチハイクでの国境越えは可能です。私とパミールで2日間同宿だったリトアニア人女性がヒッチハイクで越えてきました。ヒッチハイクに成功した場合は国境越え3点セットの内、車とキルギス側のパーミットはクリアできます。当然費用も浮きます。

上記が最低限の情報です。
下記に詳細を記しますが長いので興味がある方だけどうぞ。


費用内訳

ツアーに参加した時の実費

ツアー参加費として代理人に支払った費用
4WD車1台とドライバーのチャーター費1500ドルを人数割 500ドル+300ソモニ
キルギス国境通過パーミット取得費用 20ドル

現地で都度払いの費用
1泊2食付き宿泊費 1泊200ソモニ×5泊=1000ソモニ
期間中の昼食代+水代+温泉代などで 200ソモニ

ドゥシャンベのオビールにおけるGBAOパーミット取得費用
滞在登録費 20ソモニ
2週間パーミット 50ソモニ

合わせて520ドル+1570ソモニです。
車1台のチャーター費は1500ドルです。それを人数で割ります。
宿泊費はドル建てが多かったです。ソモニ払いの場合は厳密に計算するところもありましたが、だいたい1ドル=10ソモニ換算が多かったのでざっくり160ドルとすると
総費用は680ドルでした。

ツアーに参加しない場合の予想費用

こちらは現地で見聞きした情報から予想した費用です。

タジキスタン公共交通費 950ソモニ

  • ドゥシャンベ→ホログ 400ソモニ

  • ホログ→イシュカシム 100ソモニ

  • イシュカシム→ランガー 100ソモニ

  • ランガー→ホログ 150ソモニ

  • ホログ→ムルガブ 200ソモニ

ホログ→ランガーの間にはいくつかの見どころや温泉があります。そちらに立ち寄ることも含めた料金です。現状ムルガブ→オシュまでの公共交通機関はありません。キルギス側の国境に近い街で公共交通機関が走っているのはサルタシュまでだと思います。ランガー→ムルガブまでの間も分りやすい形での公共交通機関は無いと思うので一度ホログまで戻るルートとなります。

ムルガブ→サルタシュ車1台チャーター費 100ドル
サルタシュ→オシュ公共交通費 1000ソム
このチャーター費に関しては完全に予想です。ツアー料金日割りからの逆算です。仮にムルガブからオシュまでチャーターした場合200ドルと想定していますがもっとかかるかもしれません。
サルタシュ→オシュまでの公共交通費も予想です。キルギスの他の交通費を鑑みるとこの程度かなというところです。途中の街で乗り換えが必要になるかもしれません。サルタシュ→オシュ間は絶景の連続なので、できれば車をチャーターして景色の良いところでじっくり眺めることをお勧めします。

キルギスパーミット取得代行業者 40ドル
こちらも代行業者の予想価格です。ドゥシャンベのキルギス大使館がどういう対応をしているかは不明です。大使館で直接取ればもっと安価に取れるとは思いますが、かなりの日数を要するとの情報もあります。

ドゥシャンベのオビールにおけるGBAOパーミット取得費用 70ソモニ

  • 滞在登録費 20ソモニ

  • 2週間パーミット 50ソモニ

この例は2週間ですがパミールを自力で周るときのパーミットは1か月は欲しいです。2週間はかなりギリギリです。もし国境が閉じていたら戻らないといけないですし、そのことを考えると不安を抱えながら旅行をするよりは1か月のパーミットを取ってしまった方が良いと思います。
ツアーメイトの韓国人が1か月のパーミットを取った際は、滞在登録費が200ソモニかかったそうです。但しノービザの30日期限で入国した場合に1か月のパーミットが取れるかどうかは分かりません。後述のe-visa入国の場合は70ドルと高額ですが十分な期限のパーミットが取得できると思います。

宿泊5泊+予備で2泊として 140ドル
雑費 300ソモニ
現実問題として最低限の5泊で抜けるのは無理です。初日のドゥシャンベ→ホログが16時間近くかかることを考えても予備日は2泊でも足りないくらいです。どうせ自力で行くならセカセカせずにのんびり回ることをお勧めします。
ホステルは1泊2食付きで20ドルが一般的でした。ホログは有名宿もあるみたいですし、街が大きいので探せばもう少し安価な宿もあるかもしれません。
昼食代は平均して35ソモニでした。温泉代は1か所20ソモニ程度です。僻地なので全ての物価は高いです。

上記を踏まえて予想費用を280ドル+1320ソモニ+1000ソムとしました。
ざっくり換算で430ドルですが、パーミット取得費用やムルガブから先の移動手段などで500ドル以上かかるかもしれません。

国境

車について

両国の入国管理所間の距離、いわゆるノーマンズランドは非常に長く20km近くあります。普段は閉鎖されているので整備もされておらず未舗装の為非常に悪路です。またヒッチハイクでの国境通過が可能なことを考えると、キルギス側のパーミットは個人の通行許可証というよりは車両通行許可証の様な物だと思います。なので徒歩や自転車での出国はおそらく許可されないと思います

キルギス側のパーミットについて

私はキルギス側のパーミットは代理人に頼んで入手しました。実際の原本は見ていません。タジキスタンで入手する際はドゥシャンベのキルギス大使館に問い合わせることから始まると思います。キルギスで入手する場合は観光局へ問い合わせれば入手可能という情報があります。取得までの日数がかなり必要とのことなので、取得代行業者を利用するのも一つの方法と考えます。

タジキスタンからキルギスへ抜ける際はタジキスタン側でもキルギスのパーミットを確認されます。私はマイナス4度の猛吹雪の中、国境に立つ大羊の像の前でライフルを構えたタジク兵に挟まれながらキルギスからのお迎えを待ちました。

タジキスタンのGBAOパーミットについて

私はGBAOパーミット(パミール高原のパーミット)はドゥシャンベのオビール(OVIR)に直接赴き即日その場で発行して貰いました。基本はパスポートを預けた上で翌営業日に受け取る様です。私は役人との行き違いもありその場で発行させましたが、滞在登録の窓口受付競争に勝ち抜かなければならず中々大変でした。今なら素直にパスポートを預けます。

即日発行の為かノービザ入国の為かは分かりませんがパーミットは2週間期限の物しか発行されませんでした。前述しましたがパミールを自力で周遊する際にパーミットの期限が2週間というのは少し心もとないです。もし私がパミール再訪を主目的にタジキスタンを訪問するとしたらe-visaを取得して入国することも選択肢に入れます。e-visaとパーミットの取得は合わせて70ドルと少し高額ですが滞在期間も45日ですし、パーミットの手続きも含め色々な煩わしさから解放されるからです。

パミールとは少しそれますが私は今回デナウ方面から入国したのですが入管の職員が日本人のノービザ入国を把握しておらず非常に時間がかかりました。ドゥシャンベの空港やサマルカンドからの陸路入国なら日本人も多いので特に問題も無いでしょうが、キルギスからパミールに入ろうとした時にタジキスタンの入管が日本人のノービザ入国に素直に応じるかは未知のところがあります。

またノービザでキルギスからタジキスタンへ入るとしてその時点でGABOパーミットが必要かどうかははっきりしていません。タジキスタンに入国後ムルガブのオビールで取得できるという情報もあります。但しタジキスタンの入管の兵士は護衛費と称して賄賂を要求したりするので(私は払わなかったが連れは払った)ビザを含めなるべく事前に用意した方が無難だと思います。

キルギスからタジキスタンへ抜けてきたアメリカ人やシンガポール人の情報によるとオシュにあるタジキスタンの出先機関でGABOパーミット自体は入手できるそうです。但し期限が1週間しか無いそうなのでかなり慌ただしくなると思います。タジキスタンに入国後パーミットの延長ができるかどうかは不明です。

その他

ツアーについて

ツアーはドゥシャンベのグリーンハウスホステルを通じて申し込みました。
グリーンハウスホステルは仲介をしただけで主催ではありません。
主催はイブラヒムという謎の男でした。今となっても詳細は不明です。

ドゥシャンベ→カライクム→ホログ→ランガー→ムルガブ→カラクル→オシュ
5泊6日でキジルアルト国境を越えてタジキスタンからキルギスへ向かいました。

ツアーは車1台をチャーターします。チャーター費は1500ドルでした。
ドゥシャンベで同宿だった韓国人の年配の男性とホログから合流するはずの人物と3人でチャーターする予定でしたが、ホログで合流する3人目の人物が現れなかったので2人でチャーターしました。ホログの時点で追加料金として250ドルを要求されましたが私は拒否し続け最終的に30ドル追加で手を打ちました。韓国人がいくら払ったかは分りません。

結局3人目の人物が本当に居たのかイブラヒムがでっち上げた存在しない人物なのかは分かりません。我々がホログまで来てしまえば追加料金を支払うだろうと見込んだ詐欺まがいの行為かもしれません。

国境越えに関わらずパミール周遊のチャーター費1500ドル自体は妥当です。他の国境越えツアーで6泊7日1600ドルという方達にはお会いしました。

ツアー代と言っていますが特にガイド的な要素は無く基本は白タクの延長です。イブラヒムの友人が運転する車で国境まで行き、国境でキルギスから迎えに来た別のドライバーに引き継がれます。どちらのドライバーも英語は話せません。

ツアー代金は申し込み時に半額をホステルに払い、残りの半額をツアー終了時に払うという契約です。私は最初に全額ホステルへ支払いました。特に理由はありませんが何となく煩わしかったからです。ランガー付近でイブラヒムと初対面した時も、イブラヒムはツアーメイトの韓国人に対し執拗に残りの半額の支払いを求めていました。もしイブラヒムに言われた通りその場で半額を渡したら最悪バックレて居たかもしれません。ホステルに仲介させることでツアーを完遂するまでイブラヒムに金が渡らないようにしたのは正解だったと思います。

キルギスのパーミット代だけは国境で支払いました。国境からオシュ迄の移動費は事前に支払っているのでオシュについた時も特に費用は発生しませんでした。

ヒッチハイクについて

ヒッチハイクでの周遊、そして国境越えは可能です。前述のとおりリトアニア人女性は私が国境を越えた同じ日にヒッチハイクで国境を越えてきました。
ランガー→ムルガブのワハーン回廊経由でのヒッチハイクもムルガブで同宿だったカザン系ロシア人が実行していたので可能です。

また自転車乗り、チャリダーはたくさん居ます。ムルガブで出会った自転車乗りのフランス人は2か月のパーミットを取得したと言っていました。

未確定要素まとめ

  • ムルガブでキルギスまで行く車をチャーターできるのか?

  • 車がチャーターできたとしてその料金はいくらか?

  • サルタシュ→オシュの公共交通機関が確実にあるのか?

  • タジキスタンのキルギス大使館でキルギス側のパーミットが取得できるのか?

  • タジキスタンにキルギス側のパーミットが取得できる業者がいるのか?

  • ノービザだと2週間しかGBAOパーミットが取れないのか?

  • キルギスからタジキスタンへ入国する時点でGBAOパーミットが必要なのか?

以上が私の体験したことと見聞きした情報の全てです。もう一つ付け加えるとしたらドゥシャンベのホステルはホログ行きバスターミナルの近くで探した方が良いということです。他のエリアのホステルはほとんど情報を持っていません。
その上でホステルに上記の未確定要素を確認すればある程度答えは出ると思います。

またキルギスの国境でタジキスタンへ抜けられず立ち往生しているシンガポール人カップルも居ました。キルギスで必要な手続きを全て済ませたはずなのに国境で止められていて非常に困っていました。とにかく普段は閉じている国境なので流動的なことが多いということを理解していただければと思います。

最後にこの情報は2024年5月の物でそれぞれの料金や国境事情に関しては一切保証しません。全て自己責任でお願いします。


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