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神の島バリで、そう思ったこと

毎度のことなのだが、土地のスピリットたちが身体に入ってくる。
バリ島の夜、ベッドに寝転ぶと身体が勝手に動き出した。昼間行った寺院で、ずいぶんとたくさんの存在たちが入ってしまったようだ。
霊媒体質というやつだ。 

隣にいる夫のニキが「どうした?手伝おうか?」と話しかけてくる。
身体に手を当ててもらうと、私の中に入っているスピリットたちがガチャガチャと動き出し、それに伴い、私の身体は仰け反り、白目をむいてビクビクと身体中が痙攣する。
毎度の毎度のポルターガイスト現象。
この姿は人には見せられない。 

身体は仰け反りながらも、私自身の意識はいたって冷静。
彼らの思いを聞きつつも、身体から出てもらうのだが。まさにバリ!!!っていうスピリットたちとの遭遇だった。

毛むくじゃらの聖獣バロンみたいなのやら、猿の顔をした精霊やら、寺院によく彫られている鬼のような顔の精霊ボマみたいなのやら、蛇のようなのやら、もう見たことも、体験したこともない、黒くてモジャモジャしてるスピリットたちがゾワワワーーーとうごめいていらっしゃる。

見た目にはおぞましいのだが、彼らは自然界の精霊、妖怪たち。
彼らが邪悪な存在でないのが分かるので、私もあまり嫌な気持ちがしない。
(住まいの岩手でもたくさんの精霊、妖怪たちに囲まれて暮らしているが、やはりバリのほうがなんともグロテスクだ。)

"うんうん、知ってるよ
あなたたちが存在していることを分かっているよ
あなたたちが地球に存在していること
バリの森に住んでいること、知ってる
分かってる
大丈夫、分かってるよ〜"

ひとしきり語りかけると、ガチャガチャうごめいていた彼らは、認知されて安心したよう様子で穏やかになる。

そのうち、"ありがとう"という言葉が自然に出てきた。
"ありがとう、ありがとう、ありがとうね〜"
言う毎に、彼らは嬉しそうにキラキラと輝き出す。

"ありがとう、ありがとう
いつも存在してくれてありがとう
ありがとうね〜
可愛いいよ
美しいよ"

最初はおぞましかった姿の彼らがキラキラと神々しく光り輝くものだから、"美しいよ"という言葉も自然に出てくる。

ーあっ!そっかー、彼らは神なんだ!ー
突然気付いた。

"あぁ、あなたたちは神なんだね?
そうか、神だったのか
あぁ、美しい神たちよ
ありがとう
ありがとう"

私が神という言葉を使ったと同時に、彼らは長い間の魔法から解けたように、みるみるうちに黄金色に輝き出した。

"自分たちを神だと誰かに認めてもらいたかったんだ〜!!!"とばかりに、魔法にかけられたおぞましい姿のガマガエルが、美しい黄金の光を放つ神々となっていく。

私の中に入っているものたちが黄金に輝き出すのだから、当然私も巨大な黄金の光にすっぽり包まれしまい、彼らの喜びもヒシヒシと伝わり感動して涙が溢れてくる。

感動のクライマックスを迎えている横で、夫のニキはシレーッと漫画を読んでいる。
ニキには最初だけ手伝ってもらっただけで、あとは同じベッドの隣では私がポルターガイスト状態でいようが、ブツブツとスピリットたちに話しかけていようが、全く動じない。
自分の妻が魔女でも、驚きも差別もしない寛大な男でよかったよ。

私は元々、バリには足を踏み入れたくなかった。
ここは濃いスピリットたちの住む島。
私の手には追えない得体の知れないスピリットたちがたくさんいそうだったので。

が、昨夜の彼らとの分かち合いで、なにか全部教わったようだった。
彼らを神として敬うこと。
バリの人たちはもちろん心得ているんだろうが、私は改めてなるほど〜と理解したのだった。

この話しはこれでは終わらないのだ。
感動のクライマックスの後、また別のスピリットがズシンと鈍〜い重さで身体に入ってきたのだ。

"イテテ、ちょっと痛いのはやめてよね"
首がだるく圧迫される。
こういうスピリットは嫌悪感だ。
乗っ取り系だ。

"あのね、私とコミュニケーションとりたいんだったら、私の身体に敬意を払いなさい。
これはあなたのものじゃないんだよ。
敬意が払えないならば、去りなさい。"

乗っ取り系にはっきり伝えると、
"うゔ、あぁ、んぐぐ"とブツブツ言いながら去っていった。
まるで、千と千尋の神隠しに出てくるカオナシみたいだ。

これもなんか素晴らしい体験と教えだった。
乗っ取りカオナシは、私に敬意を払うなんてアイデアはなく、身体を乗っ取ってコントロールしようとしてきた。私や他者に敬意を払えないというこは自分自身にも敬意を払っていないわけだから、カオナシは(元々は神の子であっても)神になる準備はできていないのだ。
この場合、私がカオナシを怖がると乗っ取られてしまうわけだ。

最初に入ってきたスピリットたちは、ガチャガチャうるさいわりには、無邪気な存在たちで、私を乗っ取ろおうなんてさらさら考えてないのは伝わっていた。
ここでも、私が彼らを怖れ、嫌味嫌っていたら、感動のクライマックスは起こらなかったわけだ。)

ま、人間界もスピリット界も同じ。
お互いに敬意を払えば、それは感動のwin winの関係にもなるし、お互いに相手に敬意を払わなければ不具合やコントロールが起きる。

はっきりと言って、人間の宇宙的役割なんてのは、祈り祝うことだけだと思った。
この神の島、バリにいるとシンプルにそう思える。
地球に無数無限ににいるスピリットたち。
彼らは地球の守り手だ。
人間の目では認識できない、微生物、菌類たちもこの地球を支えている。
太陽と地球の距離も絶妙な距離だから、私たち生命が育まれている。
奇跡の中で私たちは生かされている。
神の島バリで、地球は神の星なんだと改めて思う。

神の星  地球で人間の役割はなにか?
祈り祝うことだ。
スピリットたちを
動植物たちを
宇宙に配置された星々たちを

人間に足りないものなんて、この神の星 地球ではひとつもない。
神は私たちに全てを用意してくれている。

満員電車に乗ってあくせく働かなくても、
そんなにいつもお金の心配をしなくても、
生命保険に入らなくても、
全部ある、もうすでに十分過ぎるほどここにはある。

祈り祝うこと。
この奇跡を祈り祝うこと。
スピリットたちにも、動植物たちにも、祈り祝うことはできないんだよ。
まー彼らは存在そのものが祈り祝いだが。

人間だけが祈り祝うという創造ができる。
祭りで。
アートで。
歌い踊ることで。
自己表現で。

料理で、掃除で、瞑想で、散歩で、食べることで、排泄することで、笑うことで、話すことで、書くことで、眠ることで、ぼーっとすることで、

毎日、毎瞬毎瞬が祈り祝うことになる。
だって全てが奇跡なんだもん!
あまりにも奇跡過ぎて、一生かけて毎瞬毎瞬祈り祝ったって、足りないくらいだと、ここ神の島バリで思った。
そう思ったんだ。

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