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現場でデータ分析をおこなう際に生じるジレンマのおはなし

お久しぶりです!前回記事からだいぶ時間が経ってしまいました。

守るべき秘密は守りつつ、変に何か隠したりせず本気で書けるテーマが見つからず、なかなか書けていなかったという感じです。。。

今回は、データ主導の意思決定を現場に浸透させて行く上で生じるジレンマの話を書いてみようと思います!

どこでラインを引くか?

データというのは白黒はっきりしたものではないですから、どこでラインを引くか?というのが重要になります。

例として身近でわかりやすいのが降水確率です。みなさんは何%までだったら傘を持っていくでしょうか?

ぼくの場合は、30~40%くらいが分かれ目な気がします。10%とかだと、さすがに持ってかなくていいかなー、と思いますよね。

アカデミックな世界においては、5%がメジャーな基準となっています。専門用語では「有意水準」と呼んだりするのですが、要は起こる確率が5%以上あるなら偶然発生するかもしれないよね、と考えるのです。

なので科学のお作法に忠実な思慮深い人ほど、「〜な可能性が高い」とか「〜かもしれない」という控えめな表現をよく使います。他の可能性を全て排除できるだけのデータを集めるのは、実際の現場では不可能に近いからです。

データ分析者が抱えるジレンマ

しかしこうした学問の厳密さは、実際の現場においてはしばしば問題を発生させます。

分析をお願いした立場からすると、データに忠実な返答は少し物足りなく感じてしまうことがあるのです。

例えば、「ダイエットするには炭水化物を減らせ!!」というのと、「データによれば炭水化物の摂取量を減らすことはダイエットするうえで有効な手段となる可能性がある」というのでは、前者の方が強いメッセージ性を持っていますよね。

特に分析依頼者が白黒はっきりした答えを求めている場合、データを根拠としておらずはっきりとした物言いができる人と、データに忠実であるために曖昧な言い方になってしまう人がいたら、前者の方が信用されやすかったりするわけです。

このメカニズムがデータ主導の意思決定を浸透させる際の難しさのひとつだと思いますが、かといって説得力を持たせるためにデータから読み取れないことまで断言してしまうのは本末転倒なので、ジレンマが生じてしまうというわけですね。

なのでデータ分析をおこなう人は、多かれ少なかれ「データに忠実であること」と「説得力を持たせること」をどう両立させるか、というテーマに直面する気がします。

どう向き合うか?

じゃあどう向き合って行くのかという話なのですが、ぼく自身はまだこのテーマに対する具体的な解決策は持っていません。普遍的な答えは存在しないような気もしています。

なので現状としては、解決する問題の大きさ、不可逆性(意思決定に失敗したとき取り返しがつくか)、伝える相手の期待値など、色々なところを踏まえながら日々ベターなラインの引き方を探っているというかんじです。

そもそも意思決定の根拠のひとつにすぎないデータが、過剰な説得力を持ってしまうのもそれはそれで危険だと思いますし。

てなわけで漠然とした話を書いてみましたが、昨今だとデータ分析に関わる人やデータ主導の意思決定の導入に取り組む企業さんも増えてきていると思うので、なにかの参考にでもなれば嬉しいです!

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