もし東大野球部のデータアナリストが戦略コンサルタントのフレームワークを導入したら〜1〜
このnoteは、東大野球部に学生スタッフ兼アナリストとして所属する私、齋藤周(Twitter→@Amapenpen)が、日々の練習内容や気づいたことをメモしておくためのものです。
リーグ戦終わったのでnote再開します
昨日で春季リーグ戦が終わり、ひと段落ということになりました。
最後に接戦を勝ち切れたのは、観客の方々が作ってくださった球場の雰囲気による後押しが多分に影響したと思っています。球場や画面越しに応援してくださった方、本当にありがとうございました!
リーグ戦中は秘密にしておきたいことが多かったりそもそも忙しかったりしたので、noteは更新していなかったのですが、今日からまた再開していこうと思います。よろしくお願いします。
今回は「もし東大野球部のデータアナリストが戦略コンサルタントのフレームワークを導入したら」というテーマで、新チーム発足からぼくたちがどのように野球を捉え、どのように戦略を策定し、どうやって練習してきたかを書いていこうと思います。
リーグ戦に至るまでのプロセスを知ることで、より一層東大野球部に興味を持っていただければ幸いです!
得点の3要因
コンサルタントが物事を考える際には、「ロジックツリー」というフレームワークを使うらしいです。こんな感じのやつです。
まあ単純に言えば、物事の理由や要因などを考える際にわかりやすくなるツール、ですね。
問題解決系の本を読んでいたときに、ロジックツリーで考えると複雑な物事がわかりやすくなっていいなーと思ったので、これを野球に転用してみました。
ロジックツリーを作る際に必要になるのが「MECE」です。これは「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の略で、要は「モレなくダブりなく」という意味になります。
野球において、得点を自力で(相手の四死球や失策に頼らず)生み出す方法を「MECE」に考えると、実はたったの3要素しかありません。
それが何かというと「複数安打」「長打」「安打+走塁」の3つです。
どういうことなのか、さらに深掘りして考えていきましょう。
「奪塁数」で考える
野球というスポーツで得点を取るには、当たり前ですが3つのアウトを取られる前に4つ以上の進塁を生み出さなければいけません。
したがって、野球の全てのプレーや場面は進塁数からアウト数を引いた「奪塁数」で捉えることができます。
例えばヒットというプレーは、アウトを増やさずに1つ進塁できるので奪塁数は1となります。
送りバントは進塁とアウトがともに1つなので奪塁数は0になりますし、盗塁失敗は進塁が-1でアウトも1なので奪塁数は-2となります。簡単ですね。
同様に、全ての局面についてもこの考え方は適用可能です。
例えば0アウト2塁なら奪塁数は2、1アウト1塁なら奪塁数は0、といった感じです。
野球の得点が成立する最低条件は「アウト2つ以内に進塁4つ以上」なので、これは「1イニングに奪塁数2以上」という非常にシンプルな定義と同値になるのです!
攻撃の公式
「得点=1イニングに奪塁数2以上」
「得点の3要素」に当てはめると
ここで先ほどの得点の3要素をおさらいすると、「複数安打」「長打」「安打+走塁」の3つでしたね。
複数安打はアウトを与えることなく2以上の進塁を生み出すので、奪塁数は2以上になります。
同様に長打についてもアウトを与えずに2以上の進塁を生み出すので、奪塁数は2以上ですね。
安打+走塁というのは、ヒットを打って盗塁したり、あるいはヒット1本で2塁からホームに返ってくるプレーなんかのことです。これらはともにアウト0個で2つ進塁しているわけですから、奪塁数は2となります。
相手の四死球や失策を考慮せず自力で得点を生み出す方法は、僕が思いつく限りではこの3つしかないと思うのです。
つまり、「得点を生み出す(=奪塁数2以上)」ためには、1イニングに「複数安打」「長打」「安打+走塁」のいずれかを起こさなければいけません。
得点(=奪塁数2以上)の3要因
①複数安打 ②長打 ③安打+走塁
なので、今年のチームではいかにして奪塁数2以上を生むか、というところを徹底的に考え尽くしてきました。
長くなりそうなので連載します
ここからチームの強化方法をどのように策定し、どのように練習してきたかを書いていこうと思うのですが、長くなりそうなので連載します。次回もお楽しみに!
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