なぜ練習は時々ウソをつくのか、本気で考えてみました
プロ野球のシーズンが始まり、ちょうど半分の日程が終わりました。ホークスはなんとか首位で折り返すことができています!
日々プロ野球選手の成長を目にする中で、スポーツにおける「努力」の特徴についてよく考えています。
以前こんなツイートをしたこともありますが、今回はこのスポーツにおける「努力」について分析的に考えてみようと思います。
努力を式にしてみる
まずは「努力」がどのように構成されているか、について考察してみます。
よく「大切なのは質か量か?」みたいな話があったりもしますが、個人的には以下の式でおおむね定義できるのではないか、と思っています。
この式のポイントとしては、「方向性」という項があることや、掛け算によって表されているところかなと思うのですが、ここは追って説明できたらと思います。
まずはひとつひとつの要素について深掘りしてみます。
各構成要素について
まずは「量」ですが、これは単純にどのくらいの時間を費やしたか、という話です。単位でいうと分とか時間とか日とかになります。
次に「質」ですが、これは「習得度」みたいな概念です。単位でいうと%で表され、目的意識や集中度などによって0%から100%の間で推移するイメージです。
最後に「方向性」ですが、これはそもそもどんな練習を選択するか、という話です。スポーツのわかりやすい例をあげると、トレーニングをするのか技術練習をするのか、みたいなところになります。勉強でいえば数学をやるのか英語をやるのか、などでしょう。
数学が苦手な人にとっては嫌なワードかもしれませんが、「方向性」はまさにベクトルにおける「向き」の概念に当たります。努力はスカラー量ではなくベクトル量であり、量×質がベクトルの長さ、方向性がベクトルの向きに該当する、と説明すればピンとくる人もいるかもしれません。
「方向性」だけが持つ特徴
スポーツの「努力」においてキーになる概念だと思うのが、3つ目の「方向性」です。
なぜなら他の2つは時間とか割合とかなので、多かれ少なかれプラスの数字になるわけですが、3つ目の方向性に関してはマイナスになる(=ゴールから遠ざかる方向の練習をしてしまう)ことがあるからです。
例えば、望ましくないフォームで練習してしまうことや、瞬発的な能力を高めたいのに持久系のメニューに取り組んでしまうことなどは、これに該当するかもしれません。
これが勉強であれば明確に答えが決まっているので、方向性がマイナスになることはあまりない(=勉強して点数が下がることはあまりない)わけです。
しかしスポーツにおいては明確な答えがないので、知らず知らずのうちに逆効果の練習をしてしまうことがあるのですね。
スポーツの中でも、陸上競技とか競泳にはタイムという一種の答えが存在します。しかし球技では答えがより曖昧になるため、方向性の間違いが起こりやすい気がしています。
さらにいうと野球の中でも自分主導のピッチャーと、相手主導のバッターでは、バッターの方がもっと答えが曖昧な気がしています。
スポーツにおける「努力」
改めてさっきの式に戻ると、「努力 = 量 × 質 × 方向性」でしたね。
この式は掛け算なので、方向性がマイナスになると努力もマイナスになってしまいます。
それどころか方向性がマイナスのときには、頑張って量や質を高めれば高めるほど、どんどんマイナスが大きくなって目標から遠ざかっていくことになるのです。
このような現象が起きてしまいうるのが、スポーツにおける「努力」の特徴ではないか、というわけです。
最後に、スポーツにおける「努力」の特徴を端的に表していると思う言葉を貼っておきます。
アスリートのみなさんの「努力」が身を結ぶことを、心より祈っております!!
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