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もし東大野球部のデータアナリストが戦略コンサルタントのフレームワークを導入したら〜4〜

このnoteは、東大野球部に学生スタッフ兼アナリストとして所属する私、齋藤周(Twitter→@Amapenpen)が、日々の練習内容や気づいたことをメモしておくためのものです。

戦略策定に基づく練習の変革

さて、前回までのnoteでは、新チーム発足時の戦略策定プロセスをご紹介しました。

攻撃面における得点の要因を分解し、その結果から特に長打と走塁に力を入れる、というところでしたね。

そこで今回は、実際にこの戦略を実現するためにどんな練習を取り入れたか、というところについて書いてみます。

走塁&盗塁練習

まず1番の変革ポイントは、さまざまなシチュエーションの走塁練習と、ピッチャーとキャッチャーを交えた盗塁練習を、毎日行うようになったところです。

走塁練習では、今年の「走塁長」を務める隈部選手が、さまざまな練習を考案し導入してくれました。去年も2塁→本塁や1塁→3塁のベースランニングの練習などは行っていたのですが、バリエーションを増やしてさまざまな状況を想定し実戦的な練習をしたことが、走塁に対するチーム全体の意識向上に繋がりました。

また盗塁練習ではタイムを測る人を置くことで、自分の走力を客観的に把握できるようになりました。これにより、相手のクイックタイムやスローイングタイムと照らし合わせることで、試合でも根拠のあるスタートを切れるようになりました。

こうした走塁練習や盗塁練習の副次的な効果としては、守備面の能力向上もありました。特にキャッチャー陣には毎日協力してもらったので大変だったと思いますが、彼ら自身の能力向上に寄与した部分もあったように思いました。

班別トレーニング

2つ目の変革ポイントは、全体練習でのトレーニングの際に班分けを行ったことです。

こちらの記事でも書きましたが、大学野球は分業化が進んでいるため、求められる能力やプレーが1人1人によって異なります。

しかし全員が同じ練習をする場合だと、誰にとってもベストではない最大公約数のメニューになってしまいがちです。なので、目指すプレースタイル別にトレーニング内容も分けた、ということですね。

試合で勝つにはまず短所をなくすことよりも長所を伸ばすことの方が優先ですから、その点では効果的な取り組みだったのではないかと思っています。

ただトレーニング面に関しては、まだまだ改善できる部分がたくさんあると思っているので、そこは秋に向けてさらに良くしていきたいです。

ランナーつきノック

3つ目の変革ポイントは、ランナーをつけてノックする機会を増やしたことです。

守備面で見るとどうしても効率は落ちますが、そのぶん課題が出た時にはその場できちんと話し合って解決することで、1本1本の質は上がっていたように思います。

走塁面で見ると、やはり実際の守備との勝負の中で練習したことのメリットはかなり大きかったと思います。本気でアウトにしにくる相手と勝負をしているので、いけるかいけないかの判断精度は確実に向上しました。

この際、外野ノックだからといってライナーバックをおろそかにしたり、練習だからといって無謀な走塁をしたりすると、それは経験値の蓄積には寄与しません。あくまで試合と同じ意識で臨むことを徹底していました。

秋に向けて

新チーム発足からの練習に関して、大きな変革をあげるとこのあたりだったかなー、と思います。

4回にわたって新チーム発足からのプロセスを書いてきましたが、今ちょうど秋リーグに向けてこうした戦略策定と実現のためのプラン作成をふたたびおこなっているところです。

秋に向けてさらなる変革が計画されていますが、その内容はまだ秘密です。みなさんならどこに着目し、それをどのように実現していくか、ぜひ考えてみてください!(良さそうなものがあればぜひ教えてください!)

答え合わせは、秋の神宮で。秋季リーグでも東大の応援をよろしくお願いします!

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