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まあお訳古今集 恋はいちごを添えて参拾壱

皆様あけましておめでとうございます! 自称作家の あまおう まあお です^ ^ノ
今年なんか寒くないです? 毎年こんなもんでしたっけ。まだまだ冷え込むと思うんですけど、今朝なんて室温普通に 0度 とか表示されましたけど……。
冷蔵庫の方があったかいやんけー!!

ま、まあ一応暖房器具はありますからなんとか凌げると思い……ます。なんとなく安心したところで、年の初めらしく和歌でも鑑賞いたしましょうかね! 今年もゆんゆん行っくよー☆

恋歌五 詠み人しらず
世の中の人の心は 花ぞめの うつろひやすき色にぞありける

人の心なんて花染めのように褪せやすい色をしている。最初はあんなに奇麗だったのに…… #いちご訳

花染めは前にも出ましたね、月草(ツユクサ)で色褪せるもの。非常に分かりやすい歌で、訳さなくてもいいほど。技巧に走らない、詠み人しらずらしい一首。
いで人は言のみぞよき 月草のうつし心は色ことにして
これよりだいぶ素直なお人柄が出ていますね。好感度高し。

恋歌五 詠み人しらず
心こそうたてにくけれ そめざらば 移ろふ事も惜しからましや

心ってやつぁ憎たらしいね。こんなに愛していなければ心変わりなんてどうとも思わなかっただろうに…… #いちご訳

前半と後半で見事に逆転する素晴らしい構成。うたてにくけれ! のあたりに威勢のよさを感じたので江戸っ子風に訳してみました。
失恋してヤケ酒でもしていてできた歌なんでしょうかね。なんだか親近感を覚えてしまう一首。
#次はがんばれ #一杯おごろうか  

恋歌五 小野小町
色みえでうつろふものは 世の中の人の心の花にぞありける

色もないのに色あせるものは、なぁに? それは人の心に咲く恋の花。#いちご訳

小町さんには詳しくないのですが、この歌はおいくつくらいで詠んだお歌でしょうかね?
なんか殿方に詠みかけたというより、失恋して泣いている孫娘に詠んだばっちゃのような達観を感じたのですが……。
花の色は移りにけりないたづらに、と合わせてなんだか無常を感じる歌ですねぇ。#しみじみ

恋歌五 詠み人しらず
我のみや世をうぐひすとなきわびん 人の心の花とちりなば

俺だけなのか。男と女の仲なんて儚いものだと鳴いてしまうウグイスは。きみの心が花と散ってしまったならば! #いちご訳

花にウグイス。雅びだがド定番の情景が一転するのが面白い。我のみや、のあたりに勢いを感じたので女々しい男子を想定してみましたがいかがでしょうか。
鳥もピーピー鳴いてるのはだいたい男子です。
「よをう」は「世を憂し」と「う」ぐひす、の掛詞ですね。非常に気の利いた恨み節です。#お見事

恋歌五 素性法師
思ふともかれなむ人をいかゞせむ あかずちりぬる花とこそ見め

愛してもいつか離れてゆく人よ。あなたは花、散ってしまう前にまだまだ見ていたかったけれど……。#いちご訳

いかゞせむ(どうしよう)、とは言っていますがどうしようもないよね、という意味なのでふんわり訳しました。
実際その通りだと思います。どうしようもないので、散るのが惜しい花とでも思うしかないのでしょうね。
内容は普通ですが、表現はぴったり来て納得の名歌と思います!
#さすが素性 #さすそせ

恋歌五 詠み人しらず
今はとて君がかれなば 我がやどの花をばひとり見てやしのばん

いつか来るさよなら。ついにその時が来たら私、独りであの花を見てあなたのこと思い出します…… #いちご訳

そうとう、嫌な予感がするんでしょうね……。
恋の終わりってだいたい、なんとなく察するものですよね。なんか掛け違ってんな、とか。前と違うなあとか。ささいなことで違和感を覚えて、気づいたら疎遠に。
この歌について言えば、なんか新しい女がいそうな気配がします。
#恋歌クロージングに突入

恋歌五 源宗于
忘れ草かれもやすると つれもなき人の心に霜はおかなむ

忘れ草が枯れれば思い出すのか。あのひとの冷たい心にお似合いの霜が下りればいいのに。#いちご訳

どういう別れ方したんでしょうね。
相手の女性はもう次へ行ってしまったご様子。忘れ草は生えると忘れる草らしいんですが、枯れればまた思い出すという発想は珍しい!
そういえばこの方「つれもなくなり行く人の言の葉ぞ」とか言ってましたね。これ同じ女の人と見た! #なんかやらかしたんじゃ

恋歌五 素性法師
忘れ草なにをかたねと思ひしは つれなき人のこゝろなりけり

植えた覚えもないのに生えて来る忘れ草。冷たいあなたの心から生えて来るものだったのですね。#いちご訳

あまり和歌っぽくないけど、わかる!
うちのそこのスキマにも植えた覚えのない草がもっさり生えてきてんですよね。
きっと素性法師も庭とか眺めてて思いついたに違いない……!
草はどこからくるのかな。まあでも、草すら生えなくなったらオシマイなんでしょうね。よく知らんけど。 #草抜いてきます

恋歌五 素性法師(?)
秋の田のいねてふ言もかけなくに なにをうしとか人のかるらん

秋の田の稲(飽きのたの去ね)だなんて一言も言ってませんが、まあ一体どういうわけで離れて行ったんですかね、あの方は? #いちご訳

二首連続で素性法師? と思いきや、定家本以外では兼芸法師となっているということで、写し漏れなのかもしれないし二首連続で素性なのかもしれない。
内容的にはそうとうヒネくれた歌ですが本音としてはフられて悔しい気持ちなのかな、と思います。
いね=稲/去ね、かる=刈る/離る などの掛詞。(しかし飽きのたの去ねて……)

恋歌五 紀貫之
はつかりのなきこそわたれ 世の中の人のこゝろの秋しうければ

秋空を鳴き鳴き渡る初雁のように私も泣いて暮らそう(こんな私にきみが飽きれば) #いちご訳

貫之、得意の失恋ソング!
初雁-鳴き-秋と(私)-泣き-飽き、の二層式に詠まれていますね! さらにこれ、やたら「の」が使われていて面白い。特に真ん中のあたり「の」ばっかりですね。
色んな意味で流石貫之、という感じがします。
#失恋といえば #つらたん #歌うまお #なぜかフられる

いや年の初めからどうなのよ? って感じの歌もありましたが……まあめでたいばかりが新年じゃないですからね。今年も先が思いやられます。

ところで、このまとめシリーズってだいぶ前に連載したやつを遅れに遅れて掲載しているんですが、明日からツイッターの方では心機一転新古今の恋歌をやります。

古今集以上に全然素養のない新古今なんですが、新と無印でどんな違いがあるのかなあとか、メンバーだいぶ違うのかなあ、とか編集の意図も違ってくるかなあ、なんてなかなか楽しみです!

ただし。古今集の方がやってる方多くて、新の方研究している方や本やサイトが少ないんですよね……解釈違いとか間違いとか果てしなく心配ですが、古今でだいぶ勉強できた気もするし(そうか?)なんとか自力で頑張ってみようと思います。

それでは皆様、また次回。次回もこちらでは、古今集の残りを掲載予定ですm(_ _)m 相変わらずいつでもどこでもフォロワー、ガンガン募集中☆ あまおう まあお でした☆ またね~!!

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