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まあお訳古今集 恋はいちごを添えて拾玖

 こんにちは! 今年もこのシリーズどんどんやっていきます、毎度おなじみ あまおう まあお です^ ^ノ
 お馴染みだの人気沸騰だの、自分で言ってたら少しずつですがフォロワーさんも増えてきました。言ったもん勝ちって感じですね;^ ^

 このシリーズも長く続けているうちにじわりじわりと認知されてきました。そんなに人気は出てきませんが、一部の方には好評を博しています!(ほんとか?)

 最近異常なほど寒いんですが、まあ温かい飲み物でも用意して、なんとなく今回もいってみましょう^ ^っ且

恋歌三 詠み人しらず
おほかたは我が名もみなとこぎいでなん 世をうみべたにみるめすくなし

まあいいか、浮名も流れたことだし海に漕ぎ出そう! こんなところにいたって、ミルメすらないような海辺なんだし。#いちご訳

なんだこれww 元祖ポジティブシンキング!? たぶんだけど、噂が広まりすぎてどうしようもなくなったんでしょう。
世をうみべた=世を憂み・海辺
みるめ=見る目・海松布
海松布すらないなら船出して釣りに行く、ということでいいようです。
「おほかたは」に投げやり感が出てますが、気にしないで行こう!

恋歌三 平貞文
枕より又しる人もなき恋を 涙せきあへずもらしつるかな

枕以外には誰も知らなかったこの恋……こらえきれずにとうとう涙とともに漏らしてしまった……。#いちご訳

枕と恋といえば「我が恋を人知るらめやしきたへの枕のみこそ知らば知るらめ」がありましたが、今回は失恋とともに漏らしてしまった、ということで一歩進んだ歌に仕上がってますね。
進んだ結果、失恋しているみたいですが……。
まあ飲めや、今日はおごってやるからさ、なんて言いたくなる一首です。

恋歌三 詠み人しらず
風ふけば浪打つ岸の松なれや ねにあらはれて泣きぬべらなり

風が吹いて波が岸に打ち寄せるものだから、松の根が洗われて露出している。ああ、もう声を上げて、泣き出してしまいそうだ!#いちご訳

あらわれて「洗われて」「現れて」
ね「根」「音」
松は「待つ」なのかなあ、これ? ちょっとよくわかりませんね。このうたはある人のいはく、かきのもとの人まろがなり。
と書いてはあるんですが、ほんとかなあ? とりあえず巧いの人麿って言っとけばいいみたいな感じもしないでもないです。

恋歌三 詠み人しらず
池にすむ名ををし鳥の水をあさみ 隠るとすれどあらはれにけり

おしどりのすむ池が浅いものだから、隠れようとしたのにおしりが見えてしまっていますね。僕の名だって惜しかったんだけどなあ。#いちご訳

かわいく、うまいこと言った感!
まあ習性を考えれば、オシドリはかくれんぼをしていたわけではなくて、ちょっと水生昆虫などを食していたのではないかと思われますが。
オシドリが首を突っ込んでいる姿が目に浮かぶようなユーモラスな一首!
オシドリは千年前もオシドリと呼ばれていた……。#へぇ

恋歌三 詠み人しらず
あふ事は玉のをばかり 名の立つは吉野の川のたぎつせのごと

お逢いできたのはほんの一瞬だったのに、噂ときたら吉野川の流れのようにごうごう喧しいったらないんだからなあ。#いちご訳

どこかで見た気がする……と思ったらこれですかね?
さ寝らくは玉の緒ばかり恋ふらくは冨士の高嶺の鳴沢のごと(万葉集)
これが元だとすると、ずいぶん嫌味成分が増したように思いますね。吉野川は日本三大暴れ川だそうです。あとは利根川と筑後川。まあもう最近は暴れていないと思いますが……。

恋歌三 詠み人しらず
群鳥のたちにし我が名 今更に事なしぶともしるしあらめや

一斉に飛び立つ鳥の群れのように私の噂が広まってしまった。今更なんでもない顔なんかしても、なにか意味があるものでしょうか。#いちご訳

事なしぶの「」珍しいの出ましたね!
接尾の「ぶ」そのような状態になる、ということで「荒ぶ」なんかが例に出ています。
和歌に出てくるのはレア!
内容は小鳥が一斉に飛び立つ様子を噂の広がりにたとえて、呆然としている心情が伝わってきました。うん、これはもう無理だから苦笑いでもしとこう。

恋歌三 詠み人しらず
きみにより我が名は花に 春霞 野にも山にもたちみちにけり

私の恋の浮名は花かそれとも春霞。あちらこちらに立ち満ちて咲き誇っている。君のせいですよ? #いちご訳

名が立つ、霞立つ、からの「立ち満ちにけり」だそうで、いいですね。クールで知的な感じがします!
わりとドタイプ^p^
この方は噂になっても全然気にしてないんですね。とするとちょっと年齢高めの男性かもしれません。……つまり、おっさんか。
「花に」は正確には「華々しく」と訳すところです。

恋歌三 伊勢
知るといへば枕だにせでねしものを 塵ならぬ名のそらに立つらむ

枕にも知られないようにあの時は枕を使わなかったの。なのにどうして私の噂が塵のように空に立ち上っているのかしら。#いちご訳

枕でもなく私でもないのなら、噂の元は……という歌ですね。
平貞文さんが相手ではないかとのこと。有名人は後の世まで塵の噂が残ってしまうようで。
雅な恨み節ですが、巧すぎて色気より貫禄を感じます。
色んな名があった恋歌三の名シリーズ。シメにふさわしい伊勢様の一首でございます。#nanana

 というわけで、名シリーズが続いていた恋歌三はここでおしまい。次回からは恋歌四に入っていきます! 読んでも詠んでもまだまだあるんだ、恋歌は。

 今も昔も、恋するとついつい歌なんか作りたくなってしまうもんなんでしょうねえ、日本人ってヤツぁ。まあ気持ちは分からんでもないですね。私も日本人ですから。

 ところで、一年はまだ始まったばかり! と余裕かましてたら、気が付きゃすでにケツに火がついていました。すでに長編一作書けたはずなんだが、おかしいな?

 そんな常に崖っぷち系自称作家を応援したい方は、引き続き、どんどんフォローなどお待ちしておりまーす^ ^ノ 以上、あまおう まあおがお送りしました。ほな、またねノシ

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