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5/22~5/26 世田谷美術館にてグループ展に参加します!

めちゃくちゃ久々の投稿になりますね。
とりあえず色々あったのですが、明後日から世田谷美術館で行われるグループ展に参加させていただくことになっているのでそのお話を。


これまでの経緯


今回5/22~5/26に世田谷美術館にて行われるグループ展に出す作品についてちょっと解説した方がよさそうなのでここで作品の解説をしたいと思います。

まず、俺の作品は映像と写真がメインですが、何故そこに固執しているかというと、ずっと一貫してる、「フィクションの中のノンフィクション」(Non-fiction in fiction)というテーマが大きく関係しています。

映像も写真も記録媒体です。つまり意図を持って撮影し、それを編集し、完成させるものです。

そうなると撮影するものも編集したものも制作者の意図が入ります。

つまりフィクションです。(ご存知のようにドキュメンタリーだってディレクターの意図した形に作り上げられているので生のそのままの現実を反映しているわけではありません)

で、俺が表現したいのは、人の記憶や感情です。
そしてそれを分析したり分解したり形を再構成したりして人間の奥底を考えたりそこから見えてくる目線を色んな人に知ってもらいたいと思っています。

では他の写真家さんやドキュメンタリーの映画監督のようにリアルを追求すれば良いじゃないかと思うかもしれません。

でも俺自身の経験も含めて、リアルな世界で人は他人に本当の自分の奥底を語ることはほぼ無いという考えに至りました。

でもみんな絶対に見せたくないわけでもないんですね。

見て欲しい想いはあるけど、墓場まで持っていく。こういう感じの人が多いと感じています。

そんな中で唯一自分の奥底を見せられる場所があるとしたら、それはフィクションの世界だと思ってます。

誰かを、何かを演じていたり、作品のパーツになったりする時、人は無意識に自分が滲み出ます。

最初は出せない人もいますが、それは回数を重ねれば自ずと出てきます。

そこで出てくるものがその人の本質だったりその人の抱えている闇だったりするのではないかと今現在は思っています。(今現在と書いたのは俺自身も変わっていく可能性があるからです。人間なので)

なので俺の映像作品も写真を使った作品もそういう意図でモデルさんを撮ったりしています。

今回の作品について

さて、話が長くなりましたが今回の作品の話に移ります。

以上のことを踏まえて、今回は今までデジタルで完結させていた写真作品をアナログに落とし込めないかという試みをしました。

俺的にただ写真を印刷するだけでは全然だめでした。(因みに今回からしっかりしたプリンターを買い、自分でしっかりと印刷もしました)

ただ写真を印刷するだけではデジタルデータを移し替えただけなので、それを敢えてやる意味がないと思いました。

そうではなく、紙に印刷するとはどういうことなのかを考えてみると、これはお札のようなもので、つまり紙という媒体に人間の念を入れるという作業だと思い当たりました。

であれば、その紙自体が表現したい作品でなければならないし、その1枚の紙自体にパワーを持たせないといけない。

そう考えると、写真データを印刷した面にはモデルさんを使った人の念。今回で言えば社会への空虚感と生きている意味のようなもの。それが印刷されています。

そしてその被写体の人物はその溢れ出る負の感情や穴の空いた空虚感が欲しい訳ではないはずです。

そんなもの感じずにいられるなら感じたくない。

だから今回は裏面に色紙で貼り絵をしました。

これはそれらの傷から流れるものを止めるための絆創膏です。

それで治る訳ではないし、応急処置かもしれませんが、それでも自分で何とか頑張って傷口を閉じようとしています。それは粗いですが自分がやれる精一杯なのです。

そしてこういう色紙を使ったもう1つの理由にデジタルからアナログへの変換という部分もあります。

ランダムに複数の色紙が貼られているのはデジタルノイズを表現しています。

デジタルで作られたデータが紙という媒体に乗り移り、デジタルノイズで傷を止める。

この過程を経て今回の作品は出来ています。


今回は3作品出展させてもらいますが、今回の展示方法では後ろに鏡を置いて少しだけ裏面も見えるようにしています。でも他人の心の傷なんて表面上は見えないですよね。

なので本当に少しだけチラ見できるようにしました。

どこまで行っても人は人を分かり切ることは出来ないし、救うこともできません。
でもだからと言って、距離を取り、冷めた態度で接すれば良いとも思えません。
その不合理で矛盾に満ちたものこそ人間らしさだと思います。

是非観に来てね

この形での展示は今回が初となります。
ただ俺が今後突き詰めていきたいテーマは今回書いた通りです。
それを今年に入って再定義し、向き合っていたら(かなり病んだりもしてましたがw)もう5月になってしまいました。

やっぱり俺は他人の評価や業界の評価より、自分の追いたいものを突き詰めたいなと思っています。

今回の展示はまだまだ作品としては未熟だと思いますが、こんなことを思って作られたものと知って見てもらえるとまた違った見方ができるんじゃないかなと思います。
そしていつも言っている通り、そこで何を感じようと正解はありませんし、感じたものはその人だけのものです。

なのでどんな意見を持ってもらってもそれで良いと思います。

長くなりましたが、明日から始まる世田谷美術館での展示、どうぞよろしくお願いします!是非会場で観てみてください!

ちなみに以下の日程で在廊するので何か話したい人は気軽に話しかけてくださいね!

【在廊予定日時】
5/22:16:00〜18:00くらい
5/23:14:00過ぎ〜18:00前後
5/24:10:00〜18:00
5/26:10:00~15:00


【世田谷@アーティストになろう】
場所:世田谷美術館
5/22〜5/26
10:00〜18:00(最終日15:00まで)
世田谷美術館 区民ギャラリーB2
世田谷区用賀砧公園1-2
最寄駅:小田急線 成城学園前(駅からバスが来やすいです)


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