きこえの公開講座

知っておきたい最新の難聴治療とその効果〜小児から高齢者まで〜
2021年11月23日

コクレアさん主催の講座を受講したので共有させていただきます。

講演①「高齢者の人工内耳~難聴と認知症」
長崎大学病院 吉田晴郎先生


 ・40歳で聴覚の衰えが始まり、70歳以上で約半数が聴覚の衰え
・男性比率が高く、危険因子は騒音の他、年齢そのものよりも喫煙・糖尿病・動脈硬化との関連が強い
・「聴こえない」から社会的な孤立を引き起こし、これらが認知症への要因となっていく
・動物実験でも難聴がアルツハイマーで早期診断マーカーになる
・受診率が低い要因:難聴は病気という意識不足、高齢者の難聴は仕方ない、本人・家族のあきらめ
・難聴だから認知症になるという決めつけは危険!

講演②「難聴支援の現在と未来~人口内耳で広がる未来へ~」
神田E・N・T医院  神田幸彦先生


・人工内耳 2020年国内累計:13,500件
・90dBHL難聴 → 
  補聴器装用で 45dBHL
  100BHL難聴 → 
  人工内耳装用で 25-30dBHL
・両耳人工内耳手術期間が4年以内だと、2ndの聞き取り成績も良好
・人工内耳手術前の新生児聴覚スクリーニング検査(新スク)を受けたのは60%(2018年長崎県主体調査)
・新スクを受けた児の方が人工内耳手術前前から補聴器による聴覚活用が多い
・人工内耳術後は聴覚活用教育により通常学校へより進学しやすい
・新スク・適切な療育体制、保護者も含めたサポート体制、医療関係者の人材育成などを提言し、これが難聴対策議員連盟の設立につながった
・人工内耳装用前後の療育のガイドライン確立へ動いている

5名の人工内耳装用者による座談会 ~私が選んだ進路と目標達成の為に克服した事~

・座談会の座長である神田先生は5名と幼少期から付き合いで「ちゃん付け」で厚い信頼関係で結ばれていました。
・現在の仕事を選択した理由として、人口内耳手術を受けたことで医療を目指した方がいました。
・学校での支援として、小学校(普通学校)で支援学級の先生が出張授業で難聴について授業をしてくれた。
この中でヘッドフォンを付け難聴体験をしたので、クラスメートの理解が深まった。
・看護師になった方は聴診器をBluetooth経由で人口内耳に接続して心音や血流音を聞き取る練習をした。
・多感な中学では親しい人だけと話していたが、専門学校では入学時に自分の障害をオープンにして「どうして欲しい」を
同じクラスの人に話した。

5名に共通していることは周りの方に恵まれて、そのことを当人が感じた上で更に自助努力を惜しまない姿が印象的でした。また、幼少期から音楽教育がカリキュラムとして取り入れられ、ピアノ伴奏に沿って歌を歌うなど、聴覚トレーニングされてました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?