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自分でマンション持っていると収益物件の難しさをひしひしと感じる

東京中古ワンルーム投資を真剣に考えて結局諦めた顛末は前述の通りなのですが、勝算が立つならばやはり今でもやってみたい気持ちはあるのです。が、所有している自宅用マンションのことを考えると、ますますその道は遠く感じられてきます。というお話。


遠く感じるその1 経費

収益シミュレーションするとき、経費を見逃すとえらいことになります。なのでその経費は慎重に保守的に見積もるわけです。

修繕積立金とか、管理費とか、固定資産税とか、確実にかかる費用は当然確実に計算に入れます。賃貸の場合は清掃代、リフォーム代もほぼ確実に発生するでしょうから、これも見込んでおくべきものでしょう。

私が難しいと実感しているのは修理費なのです。これを見積もるのは難しい。しかし、現に居住マンションにおいては、エアコンだったり給湯器だったり色々なものが壊れます。これらを交換する費用は結構馬鹿にできない。しかもこれはいつ壊れるかわからないところが問題で。

特に悩ましいのが、トイレ、風呂、台所、いわゆる水回りです。自宅を購入する際に風呂とトイレは交換しましたが、これ百万円単位でした。まあワンルームではないし、自宅なので良いものをと思って奮発しているので高い側面もありますが、それでも年間ネットキャッシュフロー数万円取れるかどうかみたいな世界で数十万の出費が突然生じるとしたら、もうその時点で負けな感じです。

キッチンはまだ使えるかなと思い、クリーニングだけにしました。しかし、今築20年くらいですが、相当にガタが来ています。このことを考えると、どれだけ簡素なワンルームのキッチンであっても、35年間交換なしなんてことはやはり考えにくいです。近いうち交換するのかなあ、やはり百万近くかかるよなあ、なんて考えています。

また、張り切って新品にしたトイレ。カッコ良いし機能も充実していて気持ちいいのですが、蓋の裏に貼ってあるシールにはこんな趣旨のことが書いてあります。「耐用年数は10年です。それ以上使用されると漏水や発火などのリスクがあります」。いやー、流石に10年でそんなことが起こるとは思いません。脅しには屈しませんよ。でも、10年はよいとしても、20年だとどうだろう。30年ではどうかしら。やはり何かしら故障はありそうです。

他にも、普通に生活しているだけでいろいろな故障は出てきます。例えばキッチンの建て付けの食器棚。ある日扉が外れてしまいました。見ると蝶番を止めてあるネジが外れてしまっていて、壁側のネジ穴が緩くなってしまっています。修理屋さんに連絡して見積もってもらったら、「うーん、これ直すとなると、一回ネジ穴を埋めて、固まってからまたお邪魔してネジをとめることになりますので、出張は2回分でウン万円ですね」とのこと。うーん、、、。
(その時は納得いかなかったので結局は自分で直しました。材料費500円、作業時間5分でした)

基本的には、収益シミュレーションってベストケースで作られるものだと思うのです。でもそのベストケースは維持できない。自分でマンションに住んでいると、35年間どこも壊れないなんてありえないことが実感として分かります。となると、壊れること、修理代がかかることを前提にしたシミュレーションが必要です。これに耐えられる収益物件とはどこにあるのだろうか。。。

遠く感じるその2 出口

今のマンションの返済額は毎月20万円以上です。その他管理費や修繕積立金を入れると優に25万円以上かかります。

しかし。実は同じマンションのほぼ同じ間取りの別の部屋を借りていたことがありまして。その時の家賃は18万円だったのです。勿論ローンを何年で組むか、金利はいくらか、などさまざまな要素ありますが、例えば今私が急な転勤になり、自宅を賃貸に出すことにした場合、25万円以上で借りてくれる人がいるだろうかと考えると、まあ無理だな、と思うのです。。。18万ならいいよ、ということもありそうですが、それでも遊ばせておくよりは良いから貸し出すのでしょう。でもこれは固定費の回収という行為でしかなく、営利としては全く成立しないのです。

また。もっと長い時間軸で考えます。本当に幸いなことに今のマンションは買った時より現在の売買相場は高いですが、この状況は多分一時的なものでしょう。例えばあと20年経って、築40年になったマンションは、いくらで売れるのだろうか。もしかしたら今のマンションの近くに、もっと大きくてもっと快適な築10年のマンションが同じ程度の価格で売り出されていたとしたら、多分全く太刀打ちできる気がしません。そしてそのような事態は、結構な確率で起こりそうです。勿論売れないわけではない。しかし、キャピタルゲインを期待できるほど甘い話ではないでしょう。

インフレを考慮すべきだ!というお考えもあるでしょう。たしかに、例えばインフレが年間2%だとして、それで20年経ったら、1.02の20乗は1.485なので、もしかしたら価値を維持しているだけで1.5倍くらいの価格で売れる可能性があるのかもしれません。であれば結果オーライなのでしょうか。。。?

いや、これはちょっと違いますね。インフレに期待するということは、家の価格だってもちろん上がるでしょうけど、他の生活コストだって同じように上がっているわけで。であれば、額面上の値上がりは特段すごいことではないとも言えます。まあ現金と比べたら間違いなく有利です。しかし、インフレヘッジを考えるならマンションでなくても株とか他の方法もあるわけで。なのでインフレ値上がり論にはあまり期待していません。

結論:やっぱり遠い

やはり遠いです。35年ローンって、机上の計算ではただの数字ですが、実際の人生に重ねてみると、その時間の長さの重みを感じます。例えば私はまだ社会人になって35年経っていないです、ということは、自分がこれまで社会人として生きてきた年数よりも長いわけですね。これまでの短く狭い社会人人生だってほんと色々ありました。駆け出しの頃に今の自分のことなんて全く想像できませんでした。それより長いコミットメントをするとしたら、「どうなっていても大丈夫」というレベルのリスクヘッジが必要なんでしょう。自宅マンションに関しては、このヘッジは可能でした。いざとなったらいつでも繰り上げ返済してしまえばよいだけです。が、不動産投資で更にレバレッジを掛けていくとなるとリスクコントロールは簡単ではないです。

うーん、やっぱり遠い。。。

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