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[まとめ]行動変容と行動経済学について調べたこと

行動変容について仕事で話題に出る機会も多く、いつかやることがあるかもしれないと思って色々関連のことを調べていました。

行動変容について

経験によって生じる比較的永続的な行動の変化のこと。
ヘルスケア・運動や医療などの領域で用いられることの多い行動経済学の考え方。学びなどもそうですが、長期的に習慣化させることが必要な事柄に関わっていそうです。
この辺りの行動経済学の理論が関わっているようです。

不合理な選択
人間の行動には全く辻褄の合わない合理性のないなことがたびたびあるということ。行動経済学はまさにこの「一見非合理な人の行動の、真の合理性」を紐解くものなんだろうと思っています。

二重過程理論
人の思考は、二つの異なる過程の結果として生まれているという理論
カーネマンのファスト&スローなどもこの理論の発展形

行動変容にはステージがある

行動変容ステージモデルと呼ばれる、人々がどのように健康上の問題行動を克服するか、あるいは好ましい行動を獲得するかを説明したもので、健康のための行動変容を促すモデルとして世評に高い健康行動理論の一つです。
「無関心期」⇒「関心期」⇒「準備期」⇒「実行期」⇒「維持期」という、5つのステージを時間をかけて通っていき、習慣化すると考えられています。

CREATEアクションファネルを用意してステージを上げる

ステージを上げて行動を変容させてゆくには、いろんなパターンの仕掛けが必要になってくると言われ、これをCREATEアクションファネルと呼びます。例えばこんなことです。
Cue:ユーザーが動くきっかけを作る
Reaction:きれいで専門的なサイト、社会的証明、テーマについての権威をする など
Evaluation:損失回避を促す、ピア(仲間)比較を利用する など
Ability:デフォルトで入れておく、ピア(仲間)比較
Timing:友人と約束、報酬の希少性を高める
Execute:行動する



行動変容について調べていくとその他いろんな理論に行き着きます。



計画的行動理論

行動意思に影響する要因として「行動への態度」「主観的規範」「行動コントロール感」があり、これらが揃って、行動へ移るという理論。
働きかけがなくても、そもそも自己効力感を持ち、ワクワク・やる気になってくれていればいいんですよね。
マインドセット、ホーソン効果、待機者リスト、変化についての語りなど行動変容が生じやすくなる体験は色々ありそうです。


快適自己ペース(CSEP)とフロー状態

運動にあたっては、自分が選んで決めたペース(自己選択的・自己決定型の主観的な運動強度)CSEPがポジティブ心理を生み出すことがわかっている。不快・過剰な強度の運動はネガティブな心理を生み出してしまうので、自分のペースでやっていけることは継続につながる。
フロー状態を作ることがやはり人にとって大事なのでしょうかね。

運動にも色々あるけど、ランニングとかはこの辺に値しそう。ハードな筋トレをパーソナルトレーナーにワンツーマンで応援されたり、食事も運動も人に管理してもらったり、いろんなやり方はあるけど、自分のペースを作れて快適というのが一番自然で良さそうではあります。

フックモデル

とあるサービスを作った方に、行動変容モデルっぽかったのでこれを使ったの?と聞いて教えてもらったのがフックモデル。
ニール・イヤール氏が考案し、著書『Hooked ハマるしかけ』の中で心理学的な側面から示しています。以下の4つのステップからなるということです。

トリガー:プロダクトを使うきっかけ。外的トリガーと内的トリガーがある
アクション:リワードを期待してユーザがとる行動
リワード:ユーザがとった行動の結果得られるもの
インベストメント:リワードに満足したユーザがプロダクトに対して行う投資
CREATEアクションファネルとはまた違った見方ですが、近しいものを感じたので記載しました。

最後、リバタリアン・パターナリズムとナッジとスラッジの話に行き着く?

行動経済学の知見を活かし、行動変容を促すためにいろいろな仕組みを考えていく上で大事な考えがありそうです。
人の行動は基本的には自由なものなので、個人の自由に対して介入してはいけないという考え方(自由主義者:リバタリアン)に対して、力や権威がある立場の人が擁護したり行動に介入する思想(パターナリズム:保護者的態度)。
つまり、人々の行為の結果をより良い結果に誘導するために、人々の選択や行動の自由を保障しつつも、政府などが「誘導」を行う「姿勢」「思想」のことをリバタリアン・パターナリズムといいます。
この考えに基づいて人をより良い結果に誘導する「制度」「仕組み」をナッジといいます。


一方、これを悪用して賢い意思決定や向社会的行動を難しくするような「悪いナッジ」を 「スラッジ(英語 sludge:ヘドロ)」といいます。


人に行動変容してもらうことはとても難しいものだと思います。
これらの知識で良きものが作れ、スラッジにならない、ユーザーが良くなって幸せになるものが作りたいと思います。

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