「僕のちんこにピアス開けてください」7
明日俺は二十歳になる。誕生日。どれだけこの日を待ったか。
学生証を机に置き、生年月日が写るように携帯のカメラで撮影した。
いつものように、俺の言葉だけが並ぶDMを開き、普段より長い文章を打ち始めた。
「おはようございます。明日二十歳になります。紗季さんと出会ってからこの日をずっと待ってました。僕、紗季さんに見てもらいながら、ちんこにピアス開けたいです。変わらない、というか、最初に感じた気持ちより、比べものにならないぐらい、今の気持ちの方が強いです。お願いします紗季さん、返信をください。この二年間これだけが僕の全てでした。これが叶わなかったら明日から僕はどう生きたらいいのかわからない。最初で最後の願いです。お願いします紗季さん」
ー画像送信ー
送った。やっと言えた。高校生だった俺じゃだめだった。
ものすごく体が軽い。背負っていた重い荷物を降ろしたみたいだ。
軽い。軽くてバランスがとれない。ベッドに倒れこんだ。立っていられない。
天井を見つめた。何か考えなければいけない気がするが、今は全てが分離していき、まとめられる気がしない。
紗季さんから返信が来なくなって半年以上経つ。
俺は毎日、なんて送れば、沙希さんが気になってくれるのか、返信が貰えるのか、考えた。
‘’紗季さんの書いた話の中で一番好きなのは…‘’
‘’ちんこ以外だったらどこにピアス開けたらいいと思いますか‘’
‘’紗季さんに見せたいものがある‘’
‘’紗季さんの誕生日はいつですか‘’
‘’紗季さん大好きです‘’
‘’紗季さんに会いたいです‘’
いつも空振り。ガキな俺の脳みそじゃ、紗季さんに響く言葉が考えつかないように出来ている。
今回だってもっと効果的なお願いの仕方はあったと思う。
というか、そもそもこのDMを見ていない可能性だって大いにある。
でも俺は送り続けるしかなかった。
心臓から脈を打つごとに流れ出る沙希さんへの想いが、今日のこの日まで俺を生かしてきた。
紗季さんお願いします。返信をください。
--------------------
お読みいただきありがとうございます。
宜しければ、Twitterフォローお願いします。
主に新しい物語、SM、日常をぼやいています^^♥
::::::::::୨୧::::::::::୨୧::::::::::୨୧:::::::::::୨୧::::::::::
■Twitter
https://twitter.com/amanenoanone
::::::::::୨୧::::::::::୨୧::::::::::୨୧:::::::::::୨୧::::::::::
サポートいただけたら嬉しいです。 少しでも多くの癖を刺していきたいと思っています。 よろしくお願いします。