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小雪の目覚めにて

空が綺麗な朝だなぁと思って目覚めても
愛する人はもう出かけていて
見せたかった景色を見せられない切なさから
始まる1日。

冬の空は高く遠く
澄んだ青になりたいと
願った頃もあったな。

少しだけ上を向いた途端に
会いたい人の顔を思い出すのは
どうしてでしょう。

会いたいと思っている時点で
今は会えないわけで
会えてもいない、目の前にいない人のこと
こんなにも心が求めるのも
どうしてなのかなぁ。

幸せになりたいと思って生きてきて
幸せを掴んだ気になって
強くなりたいと思って生きてきて
強くなれた気になって

そのくせ怖い夢を見て起きた時、
止まらぬ震えを落ち着けながら
誰かに抱きしめてもらいたいと願うのは
ないものねだりで欲張りで、
寂しがり屋の化け物か。

それでもあなたの掌が
私に触れると心が泣く。

本当に悲しい時に泣けなくて
笑ってしまう馬鹿な私を
泣かせてくれるあなたのために
できることなんてあるのかな。

せめて少しでも長く生きて
あなたの空に雨が降る日は
私があなたの傘になろう。
強く抱きしめて温めよう。

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