あっという叫び声に
私は谷の底を思い浮かべる
落ちたら足が砕けて
もう登れなくなる
それでも空が青いのを
何度も確かめて
そこに鶴が飛ぶのを
初めて知るのです

鶴は朝方にいつも飛ぶ
南から北へ
北から南へ
何度も通って
雲を切る

だから谷の上はずっと晴れ
砕けた足で逃げれなくても
雨除けなんて
気にしないで済んでしまう

鶴は嘴に水を含んで
きっと十年以上も
運び続けてる
番にあげるために

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