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3ミリ前後

ジメジメした夜更け頃

黒いマウスを包む手に

一匹のコバエがフと止まった

親指で潰してしまおうと

のったり左の手が動いたが

黒いコバエは 知らぬ顔で フイと逃げていった


煩わしいが わざわざ目で追うことはない

煩わしいが わざわざ始末するまでもない


パソコン横にある鏡

それに映る私の顔

ああ ここに コバエがいた

そういえば長年

唇の下に一匹

ニタニタとひっついている

コバエがいた




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