太宰治の桜桃を読みました。
先日、
知り合いの方から、庭に生っていたさくらんぼを山盛りいただきました。
贈答用の山形県産桜桃、スーパーで売っているアメリカ産ブラックチェリーなどは食べたことがあったんですが、摘み立てのさくらんぼは今回初めて。(知り合いの方のお家は街中なのに自然がいっぱいなのです。集まってくる鳥に食われてしまう前に一つ一つ手摘みし、わざわざ持ってきていただけました。嬉しい)
美味しいっ。
清澄な丸い実は可愛らしく、さっぱりとした甘さが赤くはじけます。まるで夏服を着た女子高生のよう!(私は女ですから変な意味はございません)
桜桃
「……そういえば、太宰治の桜桃忌。6月だったよな、もうすぐだな」
ということで、桜桃忌の “桜桃” である名の由来。
桜桃である名称の由来は短編集の桜桃からきていて、6月19日は、桜桃忌、もしくは太宰忌ともいいます。ここまでは知っていましたが、桜桃は今まで読んだことがなかったので、この機会に青空文庫で読んでみることにしました。
……あぁ。
題名が桜桃であるのに、鮮やかな可愛いさくらんぼというのに、内容が……、
暗い。
悲しい。
複雑な環境や、重く垂れこめる夫婦のやり取りが描かれていて、読み終わるまで目が離せない。さすが太宰治と思いながらあっという間に読み終えました。
単なる受け狙いのネタではなく、内から出てくる苦悩を正直に訴えてくる太宰治は、やっぱり凄い。と、思いました。
別に、綺麗な文章が読みたいわけではないんです。有名な書物だから読みたいってことでもないんです。勿論そこから学ぶことは多いかもしれませんが、私の好みの作品は、「聞いてほしい! ねえねえ、読んだらきっと面白いよ」って、誘ってくる作品が好きです。短くても、長くても、誤字脱字、空白が多くても、リズムが合って読み進められる作品が読みたい!
太宰治では、昨年読んだ“駆け込み訴え”なんか大好きです。
まだまだ、読書初心者ですが、みなさんのノートを楽しく拝読させていただいております。どうぞ、これからもよろしくお願いいたします。
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