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【寄稿①】農作物としてのカカオからアマゾンを考える

発酵はチョコレートの質を大きく左右するものの発酵をコントロールするのは容易でありません。時々の気象条件、運ばれてくる川の養分、世界一と言われる生態系に存在する無数の生き物たち。複雑な自然の相互作用によって、カカオが育ち、種の発酵がなされます。

ましては、圧倒的にインフラの不足するアマゾン奥地。「農家さんを単なる原料供給者にしたくない」という思いもあり、各農家さん達が発酵加工を行なっています。

もちろん、味のゆらぎはあります。従来、そのゆらぎは市場において不利なものとされてきました。

しかし、見方を変えてみれば、カカオは農作物であり、元々農作物は気候や自然環境に大きくされる性質のものです。農作物を工業製品のように、効率よく、画一規格で揃えようと、種をコントロールし、肥料·農薬を大量投入する大規模工業型農業が生まれた結果が、アマゾン地域における大豆畑のように熱帯雨林破壊を生み出したことを考えると、「農作物」について考えてみる価値はあります。

森林生態系と共存し、アンデス山脈と川の栄養によって育まれ、世界一を誇る生態系にくらす膨大な微生物達が旨味を醸し出す。まさに自然そのもののカカオ。画一的なテイストでなくとも、それこそが自然の生み出す風味なのです。

全本文は下記からダウンロードできます。

掲載誌:グリーンパワー  2019年7月号 (森林文化協会発行)


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