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大人になってもおきらくごくらく!31年目のウゴウゴ・ルーガ

ある日唐突に、あの猛々しいボディコンねーちゃんのCGアニメとともにSNSで話題に上り、もちろん思い出しました。
忘れようもないでしょうこんなの。
『ウゴウゴ・ルーガ』です!!


覚えてます 覚えてます。あにき、ミカンせいじん、おやじむし。しかとが歩き、耳に残るヨーデル。どれもこれも変で、インパクト抜群。ノンタンのショートアニメもありましたね。変なのばっかりじゃなくて。

人気番組なだけに時折話題になるので、そのつど懐かしいなと思い出してはいたのです。が、ふと気付きます。やばいです。


ウゴウゴくんとルーガちゃんの、メインコーナーが思い出せません…!
テレビくんのことは覚えていました。CGセットの食卓を楽しげに囲んでいる場面、食事の日常風景とCGの境目がなく、混ざりあっている不思議な感覚が印象に残っていますが…他には??どうして忘れてしまったんですか。


気になって調べました。1992年10月5日の放送開始時、主演のふたりは小学2年生。思いの外すごく子どもです。そして視聴者の私はというと、ウゴウゴくんルーガちゃんの一学年下!でした。
これにはかなり驚きました。同年代の小学生が番組を見て気に入り、変なものに偏りながらも覚えていたんです。すごい。

さらに調べていくと、地方局での放送は翌年4月からスタート。関西テレビでは平日の帯番組ではなくなり、週1回の放送だった 模様…
それはナシです関テレ!!!


小学生の時には『天才てれびくん』や『おはスタ』を 毎日楽しみに見ていました。けれど週1放送となると、欠かさず見ていたか、かなり怪しい。同窓の友人に「昔ウゴウゴルーガ見てた?」って聞いて回りたい。
首都圏と同様に放送してほしかったです。子ども番組なんだから。

30年も前の番組編成に腹を立てたあげく『ウゴウゴ・ルーガ』をもう一度、どうしても見てみたくなりました。
当時の大人にもファンが多い「伝説のバラエティ番組」なので 例えば『ゲームセンターCX』や『水曜どうでしょう』のように、何らかのデジタルアーカイブで見られるものとばかり思っていましたが、残念ながらありません。本当に残念です。

けれど諦めない。復刻DVD-BOXやDVDシリーズ、こちらを入手できそうだったので、今見られる分だけでも見ることに。そうまでして…。
「変だけどかわいい」に目がないんです。
変なのは覚えてます。かわいいがそこにある確信がありました。





あらためて 見て、この番組は正真正銘の子ども番組だったんだと、思い知らされました。
腕白な熱量に当てられ、のめり込み、今に至ります。未だ のぼせてます。


お揃いの衣装を着て元気いっぱい、舌足らずにお喋りし、思いもよらない回答が返ってくる。困った時は顔を見合わせ、ふたりでひそひそと相談。今日のお言葉やモノマネの つたない反復もかわいい、主演のウゴウゴくんとルーガちゃん。
「元気ですか?」「元気!!」
何というか、心が洗われる気持ちです。


日替わりで遊び相手をつとめるのは、風変わりな見た目をしたCGキャラクター。リアクションが多彩でコミカルで愛嬌がある、名脇役たちです。
キャラクターに似合うエフェクトを声に被せて、担当するのは数名の番組スタッフさんです。

タレントさんとスタッフさんの絶妙な掛け合いで進行するのがメインコーナーなんです。
スタッフさんの、皆さんの芸達者ぶり。主演の子どもたちとの近しい会話。
見ていて嬉しくなるんです。そこに温泉が湧いています。



とりわけ遊ぶのが上手な、人気キャラクターのシュールくん。フランス語を交えて軽やかに、エスプリの効いた言葉遊びの応酬がもうおもしろくておかしくて、ずっと見ていたい。「にばんめー!」と元気に答える子どもたち、良いですよね。

どこまで本当の話なのか気になる、恋愛相談をしていたトマトちゃん。冒頭から思いきり熱唱してはうるさいと怒られていたり、帰りを引き止めてもらえなくて泣いていたり。大きな目がうるうるのかわいいおねえさんです。

ふたりにツッコミを入れる様は遠くの親戚のおじさんのような、トノサマ。コテコテの関西弁に往年のギャグが味わい深いコーナーに予想外のチベット語。「タシデレ〜」と挨拶を教えてくれる、ゆるゆるな口調に和みます。


どうして忘れてしまっていたのか不思議なくらい、全員がかわいくて個性的です。担当スタッフさんの“素”が出ている場面もよくあります。それもまた、個性とおもしろさが加わります。


一方で、知ってる 覚えてる!帰る呪文も覚えてる!感動の再会っぽくなったのは…

トニーでした!
さすがです。さすが濃い男です。
妙な寸劇がいっそわかりやすく、おもしろかったんでしょうか。はっきり覚えてました。




「変わったことを、新しいことをやろう」
そのコンセプトにたっぷり乗せられて、毎回驚いたり笑ったり、童心で楽しんだり気が抜けたり、時には肝が冷えたりも します。あぶないです。

とくに放送後期はDVDにほとんど収録されていませんので、伝説になったあれやそれやは、今や幻です。
見てみたい思いもありますけど……。


企画としては、視聴者参加型に歌謡祭にクイズ番組、なんと実写回までありました。セットを組み 着ぐるみを用意し、お馴染みの子ども番組をつくる。大技の発想。変な要素は活かしつつ、どこかほのぼのとした好きな回です。


そして残った、まだやれていなかったこと。そういう意図があったのか、そんなの全然なかったのか、実際のところはわかりませんけれど。



『ウゴウゴ・ルーガ』最終回。生放送のお祭り騒ぎは一旦静まり、正面切って 真面目に。
子どもたちは、お別れの挨拶に回ります。



1年半、ありがとう。楽しかったよ もっと遊んでいたかったね。とっても幸せだった。
忘れないでね。
元気でね。これからも、がんばってね。


贈る言葉と、贈られる花束。
勢揃いしたキャラクターたちは みんな笑顔で。
ああ、みんな笑ってるなあと思うと
どうしようもなく泣けてきてしまって



楽しかったです。おもしろかったです。
30年経っても憶えていてよかった。
でも まさか泣かされるとは…。

そんなゆかいな番組です。

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