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No.26 アポフィライト

26.アポフィライト

氷砂糖のようにカクカクした結晶が可愛い標本だ。アポフィライトは和名を「魚眼石」と言い、その名の由来となったギラリとした輝きも楽しめる。
さて、このアポフィライトは結構透明感が高い個体が多く結晶も美しいのだが、不思議とルースとして出回ることが少ない。パワーストーンとして人気が高いようだが、アクセサリーとして加工されるものは少ないようだ。
一体何故か?
アポフィライトは硬度が4.5とガラス以下で、そして靭性が低く割れやすい。これだけならまだいいのだがアポフィライトは熱に弱く、熱を加えると薄くぺらぺらとはがれる特性がある。宝石のカットには削る作業が当然ある。削るという事はその際どうしても摩擦熱が出てしまう。この摩擦熱でアポフィライトはパラパラとはがれてしまうためカットするのは至難の業なのだ。
そのためアポフィライトがルースとしてカットされることはめったにない。ゆえにアポフィライトは原石で楽しむことが多い鉱物だ。
少し惜しい気がするが、しかし原石だからこその良さもある。なんでもかんでも全て宝石に加工すればいいというわけではないと私は考えている。
異論は認める。

【参考書籍】
「世界のレアストーン図鑑」
亀山実 著
柏書店松原 2008年


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