マガジンのカバー画像

短編小説

20
夢から着想を得ることが多いです。
運営しているクリエイター

#日記

あなたがくれたもの(詩)

朝早くに通うカフェへの道のり ランニング中の人から立ち昇る雲 石畳の上に置かれたチェアでくつろぐ白髪のちぢれ毛 探すのは 静寂 さえずりの声 空の色 風の微笑み 木々のおしゃべり 地のうねりに耳傾ける日々 今 そこにあるのは 夢に誘われる線路の響き 深夜にひとり座るコインランドリーに落ちてくる ナットキングコールのペーパー・ムーン

現代的おままごと(クレヨンしんちゃんにあらず)・超短文

これは実際に下の子が話してくれた学校でのおままごと(?)なのだが、だいぶ低学年の頃の話だし、時効かなと思って出してみる。 (名前などは偽名です。短いです) ◇ 登場人物  かずと:おじいちゃん  なつみ:おかさあん  くるみちゃん:おねえさん  りょうくん:あかちゃん  えっちゃん:世界に一匹しかいない大阪弁でしゃべるねこ おかあさんとおねえさん、おじいちゃんがちゃぶ台を囲んでいる。 あかちゃんがベビー椅子にすわっている。 ねこが止まり木みたいな所に座って見下ろしている

青に染まりながら(詩)

飛行機雲を指差して 道行く人が次々に見上げた 鮮やかに映えた白い筋は みるみるうちにとけて消えていく 青は侵食する 青は広がる 青は飲み込んでいく 悠々とからだをのばし 我はここだ、ひとつだと なかったことのように うそぶいた その青に指をひたし すくって飲めば わたしもからだの中から青に染まり 青にひたり 青に姿を変え だが目を閉じればよみがえるのは 天頂を真っ二つに割る 白の軌跡