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短編小説

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夢から着想を得ることが多いです。
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2020年2月の記事一覧

青に染まりながら(詩)

飛行機雲を指差して 道行く人が次々に見上げた 鮮やかに映えた白い筋は みるみるうちにとけて消えていく 青は侵食する 青は広がる 青は飲み込んでいく 悠々とからだをのばし 我はここだ、ひとつだと なかったことのように うそぶいた その青に指をひたし すくって飲めば わたしもからだの中から青に染まり 青にひたり 青に姿を変え だが目を閉じればよみがえるのは 天頂を真っ二つに割る 白の軌跡

アリスの鏡(幻想系・短編小説)

鏡に手を当てたら霧のようにとけた。そのままからだごとすりぬけてゆっくり入る。目をつぶって、顔から浸けて手を差し出して前をさぐりながらゆっくりと足を踏み入れる。大きな鏡だ。目を開くと重々しい書斎の中に立っていた。 鏡ごしに見たときは同じなのに、こうして入ってみればそこはまるで違う場所だった。 どこがどう違うのか、腕を組んで粗を探すように四隅から窓の外まで眺め渡す。誰もいない。音はすべてそこかしこに厚く浮かぶ空気の層に吸い取られてしまう。鏡を抜けたときの霧がまだもやのようにわ