超短編小説|大切なのは、つづけること。
僕は石を積み上げていた。
それは、大きな石を大きな石の上にひたすら積み上げていく、緻密な作業だった。金槌でトントンと叩きながら手作業で形を整えて、石を積み上げていく。
石を積み上げる動機や目的はさっぱり分からなかった。大きな報酬が得られそうな作業でもなかった。それでも、僕の手は忙しなく動きつづけていた。
今すぐ投げ出したいくらい嫌ではなかったし、むしろ完成していく石積みを見るのは好きだった。僕はこれをつづけていくうちに、誰かに自分の石積みを見てもらいたいと思うように