マガジンのカバー画像

雨宮WIP

11
未完結、シーンのみの小説作品まとめ。 主に企画ものです(逆噴射小説大賞、むつぎ大賞)。
運営しているクリエイター

記事一覧

処方箋:純粋な幸せ、0.5mg

 苦しみも悲しみも、貧困も戦争も、ぜんぶ過去のこと。わたしにはちょっと重たい汎用タブレッ…

雨宮桜花
1か月前
18

ドレスメイカ

「そんな噂、馬鹿げていませんか。デバイスが人間に成りすます、なんて」 「確かに見たことも…

雨宮桜花
1か月前
27

ブロークンアロー

 姉妹は眠りに就くべきだと、カレアは思った。救済は人間の虚妄だとしても、眠りだけは確かに…

雨宮桜花
4年前
20

フェイス・マスカレード

 薄ら白い花明かりで満たされた、真夜中の公園をわたしは歩く。ときおり、白い花びらと涼やか…

雨宮桜花
4年前
13

名前のない罪

 吸い込まれてしまいそうな青い空だったことを、セレーネは覚えている。その日、幼いセレーネ…

雨宮桜花
4年前
8

祝祭と冬の終焉り

 最後に寝間着を着て眠ったのは、いつだったろうか。フランツィスカ・ヴィンターは、粗末なチ…

雨宮桜花
3年前
11

ソドムの城郭、或いは微睡む人形

 それなりに長い間、城郭の稼業に親しんだ依莉も、瑠花のことは詳しく知らない。  代わりに噂や冗談紛いの話なら、いくらでも客や同僚から聞かされた。そこで彼女は、眠らず、食事も摂らず、誰かと情を結ぶこともない、性処理と売春のためだけに生まれたのだと、大袈裟な畏れと軽蔑をもって扱われた。  住み込む必要もないのに、瑠花は日々のほとんどを城郭のバックヤードで過ごす。怜悧な顔立ちは常に退屈そうで、フロアの乱痴気騒ぎ以外に動くことはなかった。  逆に、フロアへ出る前に固形物を摂ることは、

Existence

 命尽きるまで天使が途切れることなく詠う旋律の意味を、正確に知る者は誰もいない。  ただ…

雨宮桜花
1年前
9

天使の蝶

 空に響く旋律。白く灼けた街の骸。  天使殺しは稲妻を走らせるように、左右へ折れながら駆…

雨宮桜花
1年前
23

スーパースピードアグレッション!

 狙う的はあの舐め腐ったクソ女の乗艦、真っ白な大型フリゲート。生きてるうちに一発ブチかま…

雨宮桜花
1年前
8

光は亡く燃え堕ちて

 カウンターに六席と、空いた隅に四人掛けのボックスを切っただけの、狭い店だった。随分と古…

雨宮桜花
2か月前
5