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再びよみがえる、極悪非道だった過去

自分を大切にする決断をしたことで、今度はユウヤに追いかけられる立場になった私。しかし、そうなったらそうなったで、今度は自分の厄介な一面が見えてきました。

距離感が近くなると
急に離れたくなる私

以前よりもひんぱんに我が家を訪れるようになったユウヤ。その態度はすっかり一変し、モラハラもすっかり影を潜めました。私に対して「あなたは僕にとって特別な存在だ」などと言い出したのも、この頃です。

そして、一方の私はというと、その状況を素直に喜べず、どこか戸惑っていました。向こうが私を好きというなら、私も好き、で円満解決となりそうですが、どうもそうならないのです。

一応私には、10年来付き合っているタケルという彼氏がいますし、ユウヤと正式に付き合うとなると、タケルと別れる必要があります。しかし、ユウヤと付き合う、というのも、どうもイメージできません。

いざ向こうがこっちを向くと、どうしていいかわからないというのが正直なところでした。

まったく無意識なのですが、どうやらこれは、私のパターンのようでした。振り返ると、20代の頃から、私は同じことを繰り返してきていたのです。

ある日突然相手を切り捨てる
極悪非道な私の過去

20代後半の頃、私には7年程付き合っている彼氏がいました。ほぼ同棲状態で、とても仲が良く、何の問題もない二人。しかしあるとき、私は彼に相談もせず会社に異動希望を出し、東京から地方に引越すことにしたのです。

「4月から仙台勤務になったから。ごめんね」

私は彼に突然そう告げました。

彼にとっては、晴天の霹靂だったことでしょう。しかし私は、彼と離れることに何の支障も感じていませんでした。ただ、仙台にやりたい仕事があったから異動希望を出した。それが通ったから引越すことに決めた。それだけです。

そう、本当にそれだけだったのです。

そして、私は仙台に引越し、そこでまたすぐに、新しい恋人を作ります。しばらくは元カレとお付き合いが平行していましたが、やがて元カレに一方的に別れを告げ、新しい恋人との付き合いを本格的にスタートさせました。しかも何と、その新しい彼は、既婚者だったのです。

今でも自分で自分が不思議なのですが、私は元カレに対して1ミリの罪悪感も感じていませんでしたし、それは、新しい彼の奥様に対しても同じでした。

しばらくすると新しい彼と私の交際が奥様にバレてしまい、慰謝料問題に発展しかねないという状況に陥ります。普通なら奥様に申し訳ない気持ちでいっぱいになって然るべきなのですが、私は奥様に隠し通せない男が悪い、くらいに思っていました。

こうして書いていると、自分でも本当に極悪非道だと思うのですが、当時の私には本当に、何の罪の意識もなかったのです。

そしてさらにひどいことに、私はこんな状況下で別の人を好きになり、この新しい彼にも一方的に別れを告げ、強制的に関係を終わらせました。この頃の私は、ユウヤに負けず劣らずの、ひどい女だったのです。

ユウヤがこちらを向き始めたのを感じたとき、私は過去の自分を思い出していました。そして、もしかしたら、私はまたあのときと同じことをするのではないか、という想いが頭をよぎっていたのです。


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