2023年のベストバイマンガ5作品
こんにちは、あまみんです。
マンガのレビュー執筆を中心に、webライターとして活動しています。
お仕事で、プライベートで、今年もたくさんのマンガを読みました。
年の瀬となりましたので、この記事ではわたしの2023年ベストバイマンガをご紹介していきます。
「どれこれも好きなんだけど」という心の声を押し殺しつつ、5作品をピックアップさせていただきました。
自分にとっての目新しいテーマというか、新鮮さを感じる題材の作品を選んだ気がします。
ではどうぞ!
『テンバイヤー金木くん』早池峰キゼン
2023年上半期からずっと好きで、結局年間通してもベストバイでした!
転売で荒稼ぎする小学生が主人公のお話。
物語が進むにつれて転売稼業の矛盾やリスクがぽろぽろ顔を出し始め、ある日決壊しちゃうんです。
転売やって稼いじゃおうぜ、みたいな情報に触れ始めた10代に読んでもらってマネーリテラシー育んでもらうのもいいし、アツい青春ものとして大人に楽しんでもらってもいい。とにかく登場人物全員が良すぎた。友情も親子の絆も全部あります。大団円!みたいな圧倒的安心感のある結末が好きな人にぜひ読んでもらいたいです。
家族や友達と読むリビングコミックとしても、この上なく優秀な作品だと思います!
『鶴子の恩返し』横山左
前作『もえばな』が終了した同じ年に新作の単行本を出す…ってすごい情熱と作業量じゃないでしょうか。もうずっと、「横山左」という作家に惚れている。
コンカフェ嬢と高校教師がエンカウントしたら?というシチュエーションから始まる『鶴子の恩返し』は、女の子とオタクカルチャーを健康的にかわいく描くことに長けた横山先生のいいところが出ています。いやらしさゼロなので、サブカルものにアレルギーがある人もきっと好きになってくれるはず。「すれ違い」を軸にくすっとさせてくれるストーリーもかわいいです。
こちらもリビングに置いてわいわい読んでもらいたいタイプのマンガ。単行本の表紙もマジでかわいい。
『君と宇宙を歩くために』泥ノ田犬彦
単行本を今か今かと待ってました!
「こだわり」が強く、大多数とはちょっとズレてる宇野くんと、すべてに対して無気力で投げやりに生活していた小林くん。宇野くんと出会ったことで、「自分から湧き出る感情の解像度があがっていく」体験をした小林くんの姿が本当に尊い。他者を知って自分を知る、というのは密に関わる学生時代ならではの特権なのかなと思います。
2人の生きづらさがあからさまな暗いトーンじゃなく、かといって無理矢理に明るいトーンでもなく、ランプの灯りのような柔らかさで描かれてるのがいいです。
2人の進む先を見届けたい、絶対。
『少年のアビス』峰浪りょう
お前今日まで読んでなかったの?この名作を???と笑われそうですがマジのマジで今年!盛大にハマっています。
辛く苦しいながらも自分を騙し騙し生きてきた主人公が、1人の女性と巡り合ったことで決められたレールから飛び出して生きていく(※ただしレールの外は地獄)お話です。
ヤンデレ思春期男女の逃避行…で終わるのかな?と思っていたら、親世代の物語がフューチャーされる「一族もの」「ヤバい地元もの」として超おもしろかったです。負の連鎖、とか、因果応報、とかが好きな人、ぜひ読んでください。
ドハマりしすぎて、この夏は「玄…!!!」(※主人公の幼馴染)としか言えなくなってました。
『透明人間そとに出る』路田行
路田行先生の読み切りを集めた短編集。読後感がすごくいい、ってみなさんが仰っていて、もちろんわたしもそう思います。
どのお話しにも「ちょっと不思議」な要素がさらっと詰まってて、でもそれを違和感なく読ませてくれたのが本当にすごい。透明人間やクローンがでてきますよって冒頭で言われると、ちょっと身構えちゃいませんか?でもこれは不思議なことに、スッと読めちゃう。そういう摩訶不思議な設定が、路田行先生の作画スタイルと台詞回しにマッチしてるんでしょうね。
オチもひとコマだけとかでさりげなく描かれていることが多くて、余韻が愛おしかったです。
「世にも奇妙な物語」とか「週刊ストーリーランド」で育った世代は間違いなく好きでしょう。ソースはわたしです。
2024年もたのしみ!
以上、5作品が今年のベストバイでした。
知らない作品があれば、ぜひ読んでみてください。どれもめちゃくちゃおもしろいです。
そして、日本中のすべてのマンガに感謝を。
2024年もたくさんの出会いを楽しみにしています!
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