桃色の熟した果実が
唇を濡らし
呼吸する言葉を
静かにながめている
頬をよせる私のよわい肉に
てつかずに残された白い夢
齧っていく
その誠実な甘みは
、夏の愛そのもの
果汁は両手にあまるほど拾え
ひっきりなしに
啜られる
呼吸する言葉を採取しては
詩を唄った
 水。
桃色の熟した果実

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