ため息の向こう

私はため息の向こうに消える
檸檬も腐る、私も腐る
半身、骨をさらした姿勢で
半分魚になって
鏡の中、私に風がふく
はみ出た私を鋏で切りとり
コラージュする
ふりむくと誰かが死ぬ
命の夢の分泌物が
不透明な貝殻となって
沖のほうから渚に向かい
這い上がってくる
人の愚かさを笑いながら

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