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芸人ドラマに外れなし!~『だが、情熱はある』

 『だが、情熱はある』が面白い!!現在、第3話まで進んでいる。別に若林正恭山里亮太のファンではない。この二人を特別面白いと思ったことも無い。だが、ドラマは面白い。「漫画家マンガに外れなし。」と言ったのは、いしかわじゅん(BSマンガ夜話)だったような気がするが、このドラマの後「芸人ドラマにに外れなし!」と言われるようになるかもしれない?⇒もちろん例外もある

 まず、森本慎太郎(山里亮太役)の似せ方に驚いてしまう。何回ビデオを観て、どれだけ練習したのだろう。ただ流して観ていたら山里だと思ってしまう。演出・演技指導やメイクさんの努力やメガネや髪型の工夫も生きている。が、やはり森本慎太郎の覚悟のあらわれだと思う。第3話の漫才のコンビ相手の練習で、マーしつこくダメ出しをする。それがいかにも山里らしい。しつようなダメ出しに相方がもう壊れるぞー!……というところで「もう、ええわ!」「もう許して!!」と逃げ出されてしまう。このあたりのつかまえ方、口跡、ルックス…大したものだ。そして、この練習をずっと見ていたのが、おまわりさんの柳沢慎吾

 髙橋海人(若林正恭役)は、容貌はあまり似ていない。というより容貌であまり似せようとしていない。しゃべり方をよせている。聞いて・聴いて・きいて、練習して・うんと練習してたどりついた。「オレは、若林は、面白えーと思っているから」と言って高校の同級生に殴りかかってくれた級友がいたことは、ささえになったのかな? なにより身につまされるのが、モラトリアム状態への執着だ。ぐずぐずと進路を決めない。だれもそうだが、いつまでも学生ではいられず、春日と本気でコンビを組むためノーブレスの水泳に挑む。

 第3話でとうとうしずちゃん(富田望生)がでてきた。パンチ力で圧倒的に勝るしずちゃんは、山里のダメ出しにもカウンターをバチッとあてて勝利しそうだ。白石加代子、光石 研、薬師丸ひろ子等々共演者が強者ぞろいで、この人たちを観るのも楽しい。

 何者でもない若者たちが、何者かになろうとあがく。その足元には挫折していった人たちが無数にいる。そこからドラマを紡ぎだす。冒頭、「たりないふたり」の解散ライブ(無観客・配信)で、両袖から中央のサンパチマイクに向かって踏み出す二人、その背中は⇒えっ!こんなにかっこよかったっけ!?

(2023.04.30 sun)


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