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硬派なおばあちゃんが、なぜ髪を青く染めたのか

つい最近まで、私は実家の青森に帰っていました。

そこでは驚いたことが多数あったのですが、特に驚いたのはおばあちゃんの髪が青色になっていたことです。

確かに私は5年ほど帰っていなかったので、何かしら状況が変わっているだろうとは思っていましたが、まさか髪染めとは。

というのも、私が抱いている自分のばあちゃんのイメージは、そういった流行には乗らず、我が道を貫く硬派な人だったのです。

そんな人がまさか商店街で井戸端会議をする令和のおばちゃんのようになってしまうなんて(悪い意味で言ってるわけではありません)

「髪、青く染めたんやなあ…」

「あんたも茶色になったんやな」

そういえば私も染めてました。忘れてました。
でも、そんなんどうでもいいくらい、ばあちゃんの髪に乗っている青が気になっていました。

私は遠回りが苦手なもので、遠慮など考えず、すぐに問いました。
「なんで青に染めたん?」

ドキドキする私に、ばあちゃんは一呼吸おいて口を開きます。

「実はな….目がよく見えんくなってきててな。
白髪染めの黒や思って買ったのを使ったら実は青だったんよ。」

………
しょ、しょうもねえ….
こんな理由ですっげーどきどきしてしまった、私の時間を返してほしい。

「青いいやん、似合ってんね」
「あんたは茶色に染めんでよかったのに。まだ早い」

なんでやねん。
褒めたんやから誉め返せや。

まあでも、青色に変えたおかげで色んな人に「その髪の色奇麗ですね」と言われたと嬉しそうに話すばあちゃんを見て、なんとなく嬉しくなったのでした。

以上。


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