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1月に読んだ神本&神漫画

2023年に読んだ良かった本について、まだ平安時代関連編しか書けていなかったのでその他編を書こうと思っていたのですが、2024何が始まってまだひと月と経たないうちにすでに神神神本&漫画に出会ってしまいました。
これは書いておかねばなるまい…ということでこちらを先にnoteにしてしまった次第です。
ネタバレ満載なので悪しからず。

愛する源氏物語

光る君へのおかげでXのタイムラインでたくさんの源氏物語関連本が紹介されていて嬉しい今日この頃。その中で紹介されていたこの御本がすごく良かった!
源氏物語を与謝野晶子訳で読んだので、和歌の日本語訳がついておらず、これまでずっと源氏物語の和歌解説書を探していたのですが、これ!これだよ!なんでもっと早く知らなかったのかと思うくらい素晴らしかったです。
まず序盤で各現代語訳において和歌がどのように扱われているかを紹介していて、いっそのこと(与謝野晶子による)源氏物語自体を読む前にこの本を知りたかったくらいです。
そしてこの本の最も素敵なところ。和歌を解説・解釈するだけでなく歌人であられる俵万智さんが31文字の和歌の作りをそのままに、元の歌を現代和歌にアレンジされているのです。これがなんともわかりやすい!このアレンジのおかげで和歌を和歌のまま楽しむことができてとても嬉しいです。源氏物語の和歌に込められた想いを味わうことのできる本当に素晴らしい一冊でした。
そして、和歌のみならず随所にある光源氏や薫への辛辣なツッコミも「わかる!」となって最高です笑


だってワタシ、120点だもの。

こちらはサイコー漫画部門。
Xの広告に度々流れてきて、「ママ友マウントバトル」のような広告内容に反して引用欄で百合漫画と評判だったので読みました。これがめちゃくちゃ面白い!周囲からの評価ばかり気にするマウントママの主人公・美咲も、幼少期の体験からこの考えを持つに至ったバックグラウンド(自身の母との確執)が描かれていて、憎み切れない存在(むしろ成長して幸せになってほしい)。自分の母から受けたつらい記憶を子どもにはすまいとして良い母親になろうとする努力と上手くできない自分への苛立ちや葛藤、後悔などが見え、(私には)美咲を責める気にはなれないなと思いました。広告から受けるような印象と違って、嫌な女をギャフンと言わせてスカッとしよう!みたいな漫画ではなく、しっかりと人間を掘り下げて描こうという気概を感じます。
2巻では主人公・美咲が見下してきた瞳の娘である結愛が美咲に似ているのは瞳が幼少期から美咲に執着し、娘を美咲に似せて育てていたからだったことが明らかになり、どんどん重感情百合漫画の様相が加速してきて良い。美咲は自分が人より秀でた部分がないというコンプレックスのため、貧乏でハブられていた瞳を見下すために瞳に近づいた。下卑た下心からの優しさだったけれどもそんな美咲の行動をきっかけに段々みんなの輪の中に入れるようになった瞳。娘を使った執着は怖いが、瞳の美咲への感謝は切実で、その執着は説得力がある。う〜ん百合!!ここからさらに美咲の夫の内面も明かされてどんどん面白くなっていっている。
母親どうしの激重女女感情をよそに、子供達の友情は普通に純粋で微笑ましくてかわいい。色々と先が気になるし怖いが、少なくともこの子達は幸せになってほしい…!


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