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NANAナイトの感想@NANAの話がしたい

こんにちは。カラオケでアニメNANAのエンディングテーマを入れて、「ねえ、ナナ…」とポエムを言ってから歌うタイプのNANAオタクです。

8/28にゆっきゅんさん、水野しずさん、せきやゆりえさんによる「バラ色会議 第15夜 〜本気のNANAナイト〜」を配信にて拝見しました。


それがあまりにも最高だったので感想を書かせてください。また、アーカイブが9/11で見れなくなってしまうのがあまりにもつらいので、自分のための感動の備忘録にしたいと思います。

そういうわけで、配信に対してわたしが「いいなぁ!」と思ったことを、配信内で出てきた言葉を中心に心のままに書き殴っちゃった文章になります。読みづらいかとは思いますが、ご容赦くださいませ。

※NANAとNANAナイトのネタバレがたくさん含まれています。ご注意ください。

冒頭のパート

「『NANA』は見逃されている」

「マントルのようにデカい「NANA」が実は地球の中に眠っている」

「「NANA」議定書を作るべき」

いきなり最高

NANAって私の周りではどちらかというと「東京ライフ・恋愛・バンド・バンド内ドロドロ関係・たばこ・ドラッグ・セッ◯ス…みたいな00年代にありがちな、若者の間でめっちゃ流行ったタイプのアレ(笑)」

的な印象が強いような感触があるんですよね。(あくまでわたしの体感です。)

違うんだよ…!NANAはめちゃくちゃすごいんだよ…!もっと様々な視点から読み解かれるべきだし語られるべきものすごい作品なんだよ…!

と思っていたので、お三方がNANAを無限大に評価されていて、もうこの時点で最高でした。ありがとうございました。

この配信では、お三方が色んなものの中に概念としての「NANA」があるのを見つけては、ひたすら「これNANAじゃん!!」って言いまくっておられたわけですが、それも最高でした…。

わたしも普段から「これNANAじゃん!!」って思うことがめちゃくちゃあるんです。

でも、前述の通りNANAが周囲で重大な作品として扱われている感触がなかったため、「これNANAじゃん!!」と言いづらくて苦しんでいました。

NANA、誰もが自然に引用するくらいの存在になってくれないかな…と思っていました。

なのでNANAを無限大に評価し、様々なものに概念としての「NANA」を見出し、「これNANAじゃん!」と言い合うこの配信…

わたしの理想の世界はここにあった!!!!

と思いました。

「『NANA』のコンセンサス取れてない問題」

「あなたにとってNANAとはなんですか?」

最初にこのnoteを書いているわたしの前提・属性を共有する意味で、わたしのNANAの読み方を語らせてくださいね。

わたしがNANAを初めて読んだのは小学生くらいの時でした。友人に借りて読んだのがきっかけ。当時のわたしはこんなにたくさんのキャラクターが複雑な関係を織りなす漫画を読んだことがなかったので、なんだこれ!深い!大人っぽい!読んだことない刺激的なストーリー!と、引き込まれました。

そのもう少し後に実写映画化され、その頃にはわたしはKERAっ子になっていたこともあり、NANA(主にナナとシンちゃん)のファッションに魅了されました。ヴィヴィアンのロッキンホースとオーブのライターは今でも憧れです。この頃までのわたしにとってのNANAは「複雑で大人なストーリーが面白い漫画・ファッションが憧れの漫画」といったかんじでした。

しばらくはNANAのことは読み返さずに過ごしていました。

もう一度読み返したのは、社会人1年目の頃くらいだったかな?

人間関係で強烈な失敗(わたしの中では)があり、あの時ああしていれば、もっとこんな風に接していれば、と強烈な後悔に苦しんでいた頃でした。

その頃何かのきっかけでNANAを見返して(アニメだった気がする)、めちゃくちゃ自分に刺さったのが多摩川の花火大会に向かう前に奈々と章司が再開するシーン。

「本当に永遠に失ってしまった もっと大切にすればよかった」

そのシーンがもう胸に刺さりすぎて。めちゃくちゃ泣いちゃって。

そのあとは何度も何度も原作を読み返したり、dアニメストアでアニメを繰り返し見たりして今にいたります。(アニメNANAはめちゃくちゃいいのでぜひ見てください。dアニメストアで見られます。)

社会人生活を過ごしていく中で、花火大会のシーンのことは少し忘れてきて。

今度は仕事で悩んで、苦しくて辞めたいと思う気持ちもあるのにやりがいや誇りを感じる気持ちもあったり、心がわけわからなくなっている日々が続いて。

そんな時に刺さったのがAV女優の香坂百合ちゃん。百合ちゃんが仕事を辞めたいと言ったり、自分の仕事を軽んじられることに怒りを感じたり、マネージャーの杉村がAV女優としての仕事を評価してくれることを嬉しく思ったりして、

「矛盾してるって言いたいんでしょ?なんでも理屈で考えられるミューさんにはあたしの気持ちなんか分かりっこない…」

って泣いているシーンにめちゃくちゃ共感して泣いちゃったりして。

その後も、日々の生活の中で苦しんでいることに応じてレイラに共感したり、ハチに共感したりしている。

読み返すたびに刺さるシーンが違う。その時刺さったシーンが今のわたしの苦しみを表している、みたいな。

そんな感じで、わたしにとってNANAをしいて一言で表すなら「人生のうつし鏡」といったかんじでした。


みんなの「NANAの読み方」、面白いなあ。

「わたしとNANA エッセイコンクール」とか開催されてくれないかな。


『NANA』あるあるのパート

「NANAの唯一の抽象表現が風呂」

「NANAは風呂でしか本音を語り合えない」

NANAといえば風呂めっちゃ入る。わかる〜!

NANA読んで育つと猫足のバスタブを所有することが夢になるし薔薇を湯船にちぎり入れたくなりませんか?私はそうなんだけど…。

この前会社で誕生日に薔薇の形の入浴剤を貰って、「ナナみたいにお風呂に薔薇の花びらを浮かべるのが子どもの頃からの夢だったんです!!ありがとうございますっ!!」て気持ち悪い喜び方しちゃったよね。

NANAにとっての風呂の意味の強さにフォーカスしながら読むと、ハチとタクミの

「意外といーもんだね。一緒にお風呂。なんかコミュニケーション不足が解消するね。また一緒に入ろーね」「狭いところでヤルのが好きなの?そーゆー大事な事はちゃんと言えよー?」

という会話とかに意味を感じてしまう。(タクミがNANAにとっての風呂の重要性の外にいるみたいな…いや、ただの思いつきです…)

それからあの印象的なハチの

「あの猫足のバスタブはもうここにはないよ」

というモノローグはすなわち、ハチとナナはもう対話をすることができない状態にあるということなのかな。


「気持ちを伝えられないがち」

「NANAはあなたに会えて良かったと言えなかったという物語」

「NANAは後悔の積み重ね」

「最初に完成形が提示されて、それがどんどん失われていく破壊の物語」

うわー!!わたしがNANAに惹かれているポイントが言語化された!

というかわたしが好きな概念が言語化された。

わたしが好きなものってこれだ。

これを聞いて、わたしは思わずお世話になったのにその後の報告をしていなかった人にありがとうのLINEを送りました。今後も人に想いを伝えていくことを大事にしたい。(NANAからの学び)


「恋と心で全国行ってるのはハチだけ」

この言葉、好きすぎるんですけど!!いい言葉すぎる!!

ハチをこんな風にポジティブで素敵な言葉で表現するのが最高すぎる。なんて良い表現だ。ほんとにそう!ハチはすごいんだ。

ちなみに恋全国大会でハチと戦えるキャラって、矢沢あい作品だと、個人的にはあとバディ子くらいなんじゃないか?って思うんですが、どうでしょう?

恋全国大会トーナメント表、見てえ〜。

「ハチは巧みなドライビングで少女漫画の一般的な誰からも求められる総受けみたいなものを回避して、ハチとして誰からも求められている」

これもすごくわかる…。

ハチは「ああ少女漫画のヒロインだから、平凡で何も取り柄のない女の子が誰からも愛されるポジションになってるわけね」みたいなことではないんだよな。

ハチすごいよな。

「NANAは共感で読むのが難しい」

このことなんですけど、前述の通り、わたしはめちゃめちゃ共感読みするんですよね。

(そして途中で諦めるということなく、かなり終盤まで共感ベースで読めてしまった)

これはどういうことだろうな、と考えたんですが、

わたしは共感はするんだけど、「そのキャラ全て」には共感できないんですよね。

わたしはよく百合ちゃんに共感する〜!とか言っているわけだけど、百合ちゃんはAVで稼いだお金を男に貢いでは一文無しになっているイケイケでセクシーな女の子で、「百合ちゃんってまるっきりわたしだ」…とかは絶対ない。この子やべ〜な。ってかんじがある。


でも百合ちゃんの仕事観の話を聞くと「あ、それわかる…!」ってなる瞬間があるんだよね。(百合ちゃんと友達か??)

ちょうど普段全然違う生活をしている友達と話している時に、いつもは「なにそれ!ありえんやろー(笑)」って言ってるけど、話がめちゃくちゃ合ったときに「それわかるー!!!!」って盛り上がるみたいな。

こういうのが、ハチで起こったりレイラで起こったりするのがランダムに発生するイメージ。そしてこの「わかるー!!!!」の感情が強くて深い。めっちゃ刺さる。そういうわけでこういう状態をわたしは「NANAに共感して読んでる」と表現しているかんじなんですね。


もしかしたらこれも、NANAが徹底的に「人間」を描いてるからこそ起こる読み方なのかもな〜…。


あっ、NANAは共感読みが難しいという話で思い出したのですが、今思い返せば共感読みの困難さによって生じた困惑だったのかもなと思ったのが

昨年あったシャンプーのand andとNANAのコラボ!

診断でNANAのキャラクターの誰タイプなのかとオススメのシャンプーがわかるというもの。

わたしは川村幸子タイプって出ました。

この診断、最初に見たとき結構驚きました(笑)

川村幸子タイプって喜んで良いのか!?と(笑)(いや、好きです幸子。良い子だよ幸子は。)

そして全体的に誰が出ても「喜んで良いのか!?」と思うぞ、と!(笑)

もしかして、共感読みをベースとする少女漫画の感覚で、共感読みをベースとしないNANAのキャラクターが出てきた感じが違和感だったのかな!?

(すみません、企画自体はめちゃくちゃテンション上がりました!!!!!!!面白かったしTwitterでめちゃめちゃ人に勧めさせていただきました!!!!!!)

(脱線しました。)


「NANAのテレビチャンピオン見たい」

見たい わかる・・・・・・・・・・・・・


この人は「NANA」のパート

最高のコーナーだ・・・。前述の通り、色んなことに「これってNANAじゃん!!」って言いまくる世界、最高。ていうかマジで挙げられている人みんなNANAじゃん…。挙げられている皆様のことをほとんど未履修なので何も言えないんですが、履修したいな。

本筋に関係ないけど好きなお言葉について…

「能動的な読みとしての「NANA」(腐女子のように・・・)」

これはNANAと関係ないんですが、腐女子のことを

「関係性を見出して過剰に解釈することによりそのコンテンツの面白みを発見していく、あるいは再発見していく」

と表現しておられたのが目から鱗でした。素敵だ。

「ハチは浅野の時点で全国行ってた」

笑った。そう。

わたし、ハチが浅野さんのこと時折思い出すの、大好きなんですよね!

浅野さんってどう考えてもマジで最低の不倫男なのに、ハチはそんな恋をずっとずっと大切に心の中にしまっていて、過去の恋愛を黒歴史として葬ったりしないところ、本当好き…。

ハチは浅野さんここと「あいつマジクソだったよねー(笑) 別れられて正解!◯ね(笑)」とか言わないの…。全部本気の恋。(それが良いかどうかはともかく)


「『NANA』も浜崎(あゆみ)も自分の人生を冷笑しない。真剣勝負!」

「何かをギャグとして扱う前に、はたから見たらギャグにしか見えないほど切迫していることがない人の方がむしろピエロ」

ほんとにいい言葉すぎてやばかった。真理だ。

思わずノートに「人生を冷笑しない」って書いちゃった。


ヤスに物申す!

このコーナー面白すぎる(笑)

ヤスが良いってことになってると、寡黙にみんなのことを見ていて、理解したフリをして、ほんとは寂しいのに何も言わずに、みたいな、そういう風に生きてきたから弱さの出し方を知らない人みたいになっていっちゃってる人のことを、良い人としてみんなが見てるっていうのが問題

ここすごくグッときました…。ヤスへの愛が感じられる。


そのほか

TRAPNESTはトランプのつまらなさに気付いていない(だから売れるみたいなとこある)

今日一爆笑した。

この考察面白すぎるし、納得感がすごい。

本当にそうだなって思うし、なんなら成田社長とかも麻雀よりトランプしそうだし、四海コーポレーションの人たちも麻雀しかしなさそう。

しかもナナとレンの価値観の違いみたいなものをトランプを楽しめるかどうかということで例えるのがうますぎる。


レイラはトランプを心の底から楽しんでる。わたしたちがトランプを断る理由はトランプがつまらないからなのに、レイラはトランプの面白さに確信を持ってるから「あたしのこと嫌いなのかな」と思われちゃう

そしてそれによって深まった孤独によってどんどん詩を発表していくので勝てない

今日一笑った(2回目)

レイラには敵わん。


NANAは人優先で描いているんだなっていう話に絡めて、

話が前後しますが、

NANAっていう漫画自体が体系化することを拒む漫画。作品としてこういう物語なんだとか、社会とこの物語はこういう接続をするものなんだっていう、体系的に取り込まれたものの見方っていうのをずっと最初から最後まで拒絶し続けている。その、拒絶し続けている反抗精神みたいなものがNANAっていう漫画のやろうとしていること

この言葉をすごく感じるなあ〜と思った部分があって。

わたしはNANAから「(男性の)恋人との家族観の違い、不倫、家庭と自己実現について悩んで悩んで悩み続けた先に辿り着く女同士で暮らしていくという選択」みたいなメッセージを読み取りたくなるんですよね。


特に、ハチがモノローグで

「ねえ ナナ もしもナナがまたあの部屋に戻ったら 白金の家は今度こそ引き払ってもいいよ 子連れのバツイチでもいいかな」

と言う回とかが強くそう思わせる。

でも、次の回のモノローグでタクミのこと

「ほんとは今も好きなの」

って言うんだよね!ハチ!!


こういうのが「物語が伝えたいもの」を読み取ろうとする心を惑わせる。どっち!?ってなる。もし女同士で生きていく物語を描いていきたいんだ、ということであればここでやっぱりタクミが好きだって言わせないと思うんです。


でもこれがほんとにめちゃくちゃ好きなんですよ…。

だって人生の選択、苦しみや迷いでいっぱいなんだもん。

選ばない選択肢にも想いがあるもん。選ばなかった選択肢にも未練があるもん。でも選んだ選択肢に悔いはなかったりもするもん。最悪不倫男の浅野さんとの恋でさえ大事に心にしまっているハチが、タクミをすっぱり割り切れてる方が違和感があるよ。

ハチという人間をしっかり描いているんだなあって強く感じた部分です。


あ〜めちゃくちゃ長くなりました。

まだまだ面白い部分がたくさんありすぎて(NANA歌舞伎とか)、語り尽くせない。

本当に最高な時間をありがとうございました。これで向こう3年くらいは生きていけそう。

しかしながら、NANAは本当に色々な読み方ができる作品だと思うので、2時間半もNANAの話聞いたのにまだまだ全然足りない!!!!もっと聞きたい!!!

例えば90分×12コマの大学の講義みたいなボリュームで、例えば源氏物語くらい多角的に語られてくれよNANA!


ねえ、NANA

どんなに時が流れても

あたしはまだ

NANAの続きを待ち続けている

NANAに憧れて買ったいちごのグラスも

あの頃のまま

まだここにあるよ


NANAナイト、本当にありがとうございました!

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