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叶わぬ願い

大切な友人が、ホスピスに入っていると、
娘さんから知らされたのは半年前。
理由はわからない。

フランス在住の私は
コロナに阻まれて
長らく日本へ帰れなかった。
昨年秋、3年ぶりの日本帰国の際、
彼女との再会は果たせなかったが
彼女からリクエストのあった
数々のお土産は
娘さんを通して渡してもらえた。

LINEでメッセージを送り続ける。
返信はほとんどない。
薬の副作用による眠気、手の震えで、
返信はままならないことは知っている。
だからいい。
既読になれば、それでいい。

彼女のことをいつも想っている。
彼女のことが大好きだ。
それが分かってもらえれば充分。

そんな彼女からの
久しぶりの返信に
打ちのめされている。

「余命2ヶ月と言われてから
もうすぐ一年になります」

胸が締めつけられている。
くるしい。
かなしい。
つらい。

余命ってなに。

彼女の身体は
動いている。
生き抜いている。

会いたい。
彼女を抱きしめたい。


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