【船内散策】新日本海フェリー あかしあ
京都府舞鶴と北海道小樽をむすぶ新日本海フェリー「あかしあ」の船内を散策してみましょう。2004年就航で最新とはいえませんが、いい意味でまだ「効率化」されていない雰囲気や設備が見つかると思います。
4階
本船の客室は4階から6階までの3層です。下の階から順番に歩いてみましょう。新日本海フェリーでは基本的に右舷側を岸壁に着けることが多いですが、舞鶴は左舷側から乗り降りします。
ロビー
乗船すると3層吹き抜けのロビーに出ます。中央の階段の存在感がありすぎて、あまり大きな吹き抜け空間といった印象はありません。4階部分のロビーは船体の左右いっぱいに広がりますが、窓や座るところは少なめです。
案内所はホテルのフロントに相当する場所で、部屋の鍵の受け渡しやタオルやヘッドフォンの貸し出し、両替や案内などを行います。本船の個室はシリンダー式の鍵ですので、乗船時はみんなこちらに並びます。
壁に沿ってソファスペースがありますが、席数は限られます。ロビーのホールには、子供用の遊び場や売店もあります。お客さんが多く、写りこんでしまいそうなので撮影はしませんでした。
案内所のカウンターに向かい合う形で、記念撮影用の浮き輪が飾られています。新日本海フェリーの船には必ずある装飾ですね。
こちらのホールの5階・6階部分には光が入ってくる窓は無いので、昼も夜もそれほど明るさが変わるわけではありません。上階に行くとまた雰囲気が変わりますので、後ほどご紹介いたします。シルバーのキラキラの手すりが印象的です。
自動販売機コーナー
ロビーを少し船首側に進むと、売店と自動販売機コーナーがあります。売店は奥行きはあるものの、幅はタイト。航海中ずっと営業しているわけではなく、限られた時間で買物する必要があります。
自動販売機の品ぞろえは定番のもの。タバコ、ジュース、お酒、アイス、カップ麺が一通り置いてあります。売店、自動販売機は現金のみの扱いです。
ゲームコーナー・マッサージルーム
売店と自動販売機コーナーの間の通路を進んでいくと、突き当りにゲームコーナー、手前の左側(自販機の奥側)がマッサージルームです。
入ってみると、思いのほか広くてびっくりしました。照明は抑え目で、ゲーム機から発される明かりでそれを補っています。おいてある機械は、素人目にみても「懐かしい」ものだろうと推察できます。
ゲームコーナーはL字型の部屋になっており、奥まったところにはエアホッケーが2台置かれていました。大時化で揺れているときにやると勝負(競技?)が変わってきそうですね。航海時間が長いので、こういった娯楽施設は重宝されると思います。
ゲームコーナーとは別室でマッサージルームがあり、コイン式のマッサージチェアが2台置かれています。100円で1回15分程度でしょうか、リラックスできました。
スモーキングルーム「サンセットストリート」
ゲームコーナーを後にしてさらに船首側へ行くと、最前部にはスモーキングルームがあります。喫煙室に名前がついているのはかなり珍しいと思います。
私はタバコを吸わないので、ふだん喫煙室に入ることはありません。ちょうど誰もいなかったので、試しに入室してみました。すると想像の3倍くらい広くてびっくり。前向きの部屋ですので、前面の窓から景色を楽しみながら煙草を吸うことができ、船が好きな愛煙家には天国だと思います。
今回は残念ながら窓が鉄板で塞がれていたので景色は楽しめませんが、これだけくつろげる喫煙室はあると嬉しいですね。
5階
フォワードサロン「オーロラ」
先の喫煙室の真上には、禁煙のフォワードサロンがあります。喫煙室とフォワードサロンの前には階段があり、すぐに上下の行き来ができるようになっています。
こちらは禁煙の分、匂いがつくことを気にしなくてもいいものが並びます(喫煙室はビニール張りの家具で、こちらは布張りのソファにカーペット)。
新日本海フェリーのフォワードサロンは、残念ながら飲食できないので景色を見ながらぼーっとするか、本を読むくらいしかできることがありません。コーヒーの自販機を置いてくれれば良いのにと思うのは私だけでしょうか。
今回は窓が塞がれていましたが、鉄板が無ければ国内最速30ノットで流れ去る景色を楽しめます。船内の公室で座れる場所は多くないので貴重なスペースですが、実際には来る人があまり居ません。
静かなサロンよりも、5階後方のプロムナードやカフェスペースで賑やかに宴会をする方が好まれるのかもしれません。
大浴場
5階左舷側後方には大浴場があります。男女とも左舷側です。サウナつきの内風呂で、本船には露天風呂はありません。
乗ってから降りるまでいつでも浴室を利用できるフェリーもありますが、本船の浴室は利用可能時間帯が決まっています。それでも乗船から夜中の1時までと朝8時から夕方6時までですので、不便は全くないと思います。
男性浴室の中には大きな浴槽が2つと、洗い場が11か所。時化だと浴槽内のお湯が減り、危険と判断されると閉鎖になるそうです。24時間使えるシャワー室のようなものは、おそらく無いと思います。
レストラン「ヴァンベール」
5階左舷側、大浴場からさらに後ろに行くとレストランがあります。新日本海フェリーの長距離便は、夜が明けて朝、昼、夕の3食が提供されます。
入店すると、長ーいカウンターに沿って進みます。もともとカフェテリア式のレストランだったため、その名残です。
現在は各テーブルに置かれたタブレットで注文し、帰りにセルフレジで精算して退店というスタイルになっています。注文はテーブル番号で管理され、テーブルに置かれている番号を識別するバーコードをレジに持っていき読み込むと会計できる仕組みです。
船のデッキプランを見ていると、このレストランの客席は148。後部のエンジンに近い位置だからか、振動が結構伝わってきます。いろんな料理がプルプルします。出てくる料理はもちろん美味しいです。
グリル「霞」
レストランとは反対側の右舷側に、特別食堂のグリルがあります。予約制で昼と夜にはコース料理が楽しめます。
落ち着いた雰囲気ですが、残念なことに外が見える窓がありません。すりガラスの向こう側はプロムナードですので、人影が気になる方は居るかもしれません。どんな料理が出てくるかは、乗船記を見てみてくださいね。
カフェ
グリルからさらに後ろに進むと、カフェがあります。豆電球がたくさん入った虹色の天井と壁で、ちょっとしたステージもあります。繁忙期はここでパフォーマンスがあるようです。たくさん並んだテーブルはずっと自由に使っていいようで、宴会をしている方が多かったです。
カフェカウンターはレストランがやっていない時間帯の営業で、軽食やスイーツ、ドリンクが用意されています。常にどこかから笑い声が聞こえる、船内でいちばん賑やかな場所かもしれません。
後部デッキ
カフェコーナーからは後部デッキに出られます。バルコニーつきの部屋に乗っている方は別として、乗船中に外に出られるのはここだけです。本船は高速船なので、風が吹き込まないように護られた造りになっています。
かかっている屋根も天窓付きで、最大限明るさが保てるようになっていました。午前中のハイライト、姉妹船とのすれ違いの際はたくさんのお客さんが集まっていました。
夏休み期間にはここにテーブルを並べてジンギスカンをやるそうです。気持ちよさそうですね。
6階
コンファレンスルーム
最上階6階にはコンファレンスルームがあり、1航海中に2本の映画上映があります。上映の際は船内放送で案内があり、無料で見ることができます。上映中しか扉が開かず、部屋の見学はできませんでした。
そのほか、6階はデラックス、スイートの上等級船室が並び、コンファレンスルーム前のロビー以外は立ち入りすることがありません。ステンドグラスのような照明や、壁の緑のオブジェが面白いです。
以上、新日本海フェリー「あかしあ」の船内散策でした。最後までお付き合いいただき、どうもありがとうございました。
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