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早稲田大学の入試難易度―3つの視点から



はじめに

この記事では、早稲田大学を目指す受験生に向けて、早稲田大学の入試難易度を以下の3つの視点から考察します。

  • 早稲田大学一般入試の合格者数高校別ランキング

  • 東大・京大合格者の併願成功率

  • 大学偏差値と高校偏差値の関係性

多くの方が、早稲田大学が慶應義塾大学と並ぶ私立最難関校であると認識しているかと思いますが、この記事を通じて、早稲田大学の難易度をより深く理解し、学習方針の見直しやモチベーション向上に役立てていただければ幸いです。


1. 合格者数高校別ランキング

まず、早稲田大学の合格者数が多い高校をランキング形式で見ていきましょう。これは、一般入試における高校別の合格者数を多い順に並べたもので、TOP30を掲載しています。偏差値が記載されていない高校は中高一貫校であり、高校入試を実施していないため非表示としています。

出典:大学通信ONLINE「合格者数高校別ランキング」


このランキングからわかることは次のとおりです。

  • TOP30の高校はすべて偏差値70以上、または中高一貫の超進学校

  • TOP30の高校はすべて首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)に所在。

  • TOP30の高校の平均偏差値は73.5

これらのデータから、早稲田大学の合格者数が多い高校は主に首都圏の超進学校で占められていることがわかります。地方の高校はランクインしておらず、偏差値70未満の高校も見られません。

もちろん、これらの合格者全員が早稲田大学を第1志望としているわけではなく、東大、京大、一橋、医学部志望者等が併願している場合もあります。しかし、全国トップレベルの高校生が早稲田大学を受験する現実を理解し、その競争に参加する覚悟が必要です。

合格者数TOP30すべてが首都圏の高校であるという事実については、次に示す「出身高等学校所在地別状況」のデータが背景を補足しています。ここでは、早稲田大学の一般入試(共通テスト利用入試を含む)における都道府県別の志願者数と合格者数が示されています。


出身高等学校所在地別状況

出典:早稲田大学「出身高等学校所在地別状況 2024年度」


「総合合格者数」のデータによると、早稲田大学の合格者のうち約79.17%が関東地方出身者です。特に東京都出身者が全体の約4割を占めています。

その他の地方で最も割合が高いのは愛知県で、その割合は3.48%です。大半の地方では1%未満という状況が見られます。

私は福岡県出身ですが、2024年度のデータによると、福岡県出身の合格者が全体に占める割合はわずか1.21%、つまり約100人に1人の割合に過ぎません。実際、早稲田大学に在学していた4年間で、福岡県出身の一般入試合格者に出会ったのは5名ほどでした。このデータが示す地方出身者の少なさは、私の経験とも一致しています。

のことから、早稲田大学の合格者の大部分が首都圏出身者であり、超進学校が上位を占めているという事実から、早稲田大学の入試の難しさを理解できるのではないでしょうか。


2. 東大・京大合格者の併願成功率

次に、東大・京大合格者の併願成功率について見ていきましょう。このデータは、東大・京大の合格者が早慶MARCHを併願する際の合格率を示しています。

河合塾・2014年度

例えば、東京大学-文一の合格者は、明治大学や中央大学には100%合格していますが、早慶となると70-90%に低下します。文二ではさらに下がり、早慶合格率は70-80%となります京都大学に至っては、法学部での早慶合格率は20-40%程度に落ち込みます。

このことから、トップ層を除けば、東大・京大合格者でも不合格となる場合があるという事実が、早稲田大学の難易度を物語っています。


3. 大学偏差値と高校偏差値の関係性

次に、大学偏差値と高校偏差値の関係性を見てみましょう。

一般的に、大学偏差値は高校偏差値に対して次の関係式が成り立ちます。

大学偏差値=高校偏差値-10

これは、高校で学力が中間レベルの学生が進学する大学の偏差値を示すものです。例えば、偏差値60の高校で真ん中の成績を取っている学生は、偏差値50の大学に進学することが予測されます。

この高校偏差値と大学偏差値の差が生じる背景には、高校受験と大学受験の母集団の学力レベルの違いが挙げられます。中学受験を経て、より優秀な層が高校受験をせず大学受験に挑むため、大学受験の母集団は高校受験に比べてレベルが高いのです。

この関係性をもとに、高校偏差値別に進学可能な大学のレベルを見ていきましょう。


大学偏差値と高校偏差値の関係性の分析

大学偏差値と高校偏差値の関係性

上の表は、各高校偏差値に対して進学可能な大学のレベルを示したものです。ここでの学年順位は、共通テスト模試等の実力試験の順位とお考えください。

現実的に早稲田大学に合格するためには、偏差値60以上の高校に在籍し、その中で上位層である必要があるということです。偏差値60未満の高校からの合格は極めて稀であり、学年トップレベルであることはもちろん、数年に1人のレベルであることが求められます。


私の経験から見た偏差値と学年順位

私自身、福岡県内の偏差値60程度の公立高校に通っていました。国立文系クラスのトップが九州大学や広島大学、私立文系クラスのトップが明治大学や同志社大学に進学するレベル感です。

早稲田大学の現役合格者は、創立以来数人のみという非常にシビアな状況でした。私が目指していたのは、早稲田大学の中でも難関とされる法学部や商学部、社会科学部であったため、さらに厳しい競争が待ち受けていました。

高校時代、私はこのような大学偏差値と高校偏差値の相関を知っていたわけではありませんが、早稲田に入るためには学年トップレベルになる必要があることを漠然と理解していました。

早稲田大学入学後、福岡県出身の一般入試合格者に5名ほど出会いましたが、私の出身高校のレベルはその中で最も低かったです。高校偏差値がすべてではありませんが、高校偏差値とその学年順位は進学先の大学のレベルを測る上で妥当な指標です。したがって、高校偏差値よりも高い大学に進学するためには、学年内でトップ、もしくは数年に1人のレベルになるという強い意志が必要です。

もちろん、これは現役での進学を前提とした話です。浪人する場合には、高校偏差値との関係は薄れ、偏差値50台の高校からでも合格するケースが一定数存在します。

早稲田大学に合格を目指すためには、高校偏差値が一つの重要な指標であり、私自身の経験からも大学偏差値と高校偏差値の相関性は妥当だと感じます。早稲田大学を目指す方は、自分の高校での学力レベルを確認し、合格に向けてどの位置にいる必要があるのかをしっかりと見極めてみてください。


早稲田合格を果たすために

こうした厳しい現実を踏まえた上で、早稲田大学を目指す受験生はどのような心構えを持つべきでしょうか。

私は、このシビアなデータを提示して皆さんのモチベーションを削ぐつもりはありません。むしろ、早稲田大学を目指すのであれば、この厳しい現実をしっかりと受け止め、それでも諦めない強い意志を持つことが必要だということを伝えたいのです。

この事実を前にして、もし早稲田大学への挑戦を諦めてしまうのであれば、残念ながら合格への道は遠のいてしまいます。

学年トップ、あるいは数年に1人のレベルに達するには、ただ「普通に」勉強していては難しいことが明らかです。

特に、偏差値65未満の高校から早稲田大学に合格するのは非常に困難です。だからこそ、過去問を中心とした、早稲田に特化した学習方法が必要不可欠です。

次回以降、過去問を中心とした学習法について解説します。


まとめ

この記事では、「合格者高校別ランキング」「東大・京大合格者の併願成功率」「大学偏差値と高校偏差値の関係」のデータを踏まえ、早稲田大学合格を目指す方が意識すべき点を解説しました。

早稲田大学を目指すためには、入試難易度を理解し、自分の立ち位置を見極めることが不可欠です。特に、現役での合格を目指す場合、効率的な学習法を取り入れ、過去問を基点とした学習方法を徹底することが、最短距離での合格につながります。

以上が、早稲田大学の入試難易度を理解し、合格への道筋を描くための重要なポイントです。現役合格を目指す方は、ぜひこれらの点を参考にして学習計画を立ててみてください。

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