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【声劇台本】告白のトゥルーエンド


ごく普通の高校生「優貴」は、幼馴染のゆりと
いつものように学校生活を送っていた
平凡な毎日でも、一つだけ、傷がある。
そう…ゆりの傷が

ギャルゲーチックなラブストーリーです
SF要素あり
男2:女1:不問1
10~15分程度
作品の雰囲気を壊すアドリブは無
優来、ガンマは男性役として女性が演じるのはOK
イメージイラストはNovelAIで作成

良かったらどうぞ



キャラクター


・優貴(ゆうき)

ごく普通の男子高校生
ゆりとは幼馴染
最近、とあるSFアニメにハマっている
ゆりが持っている傷のことを知っており、彼女を大切にしている


・ゆり

優来(ゆうき)の幼馴染
健気な女子校生
勉強が苦手
過去にいじめられた記憶がある


・ガンマ

男性
優貴が見ているSFアニメに出てくるキャラクター
巨大なバイオウイルス「ヘヴン」を倒す特殊部隊の一人
バイオウイルスに取り込まれたアルファと同期である
部隊の中でも行動力がある


・ベータ

性別不問(イメージイラストは女性)
優来が見ているSFアニメに出てくるキャラクター
巨大なバイオウイルス「ヘヴン」を倒す特殊部隊の一人
部隊の中では補助役に回ることが多い立ち位置

ヒデじい様の声劇台本置き場にも置いてあります


本文

ゆり:おっはよ~!
 
優貴:今日も元気だな、ゆり。いつも朝からうるさいし……
 
ゆり:優貴が早起きしたら、気にならなくなるよ~そんなこと~
 
優貴:そう?
 
ゆり:うるさいのはストレスが溜まっている証拠だよ?
 
優貴:夜更かししたっけな……あ
 
ゆり:もしかして、またあのアニメ見てたの?
 
優貴:いやだって面白いし
 
ゆり:見ちゃだめって言ったじゃない! 夜更かし禁止!
 
優貴:あのなぁ、幼馴染だからってなんでもズカズカ入ってきたらいいってもんじゃ
 
ゆり:優貴が心配だから言ってるの。あ、ほら遅刻しちゃうから、早く行こ?
 
優貴:はいはい
 
優貴:(ナレーション)こんな感じで、俺の平凡な生活は続いている。いつもうるさい幼馴染のゆりと、いつもの登下校道で、いつもの街並みを眺めて
 
0:学校
 
ゆり:はぁ~長かった~
 
優貴:嫌いな教科って、時間が長く感じるよねー
 
優貴:俺は得意だけど、数学
 
ゆり:その前の化学だってそうじゃんさ~。その頭、分けてほしい~
 
優貴:勉学は孤独に頑張るものです
 
ゆり:むぅー。優貴のいじわる~。これじゃ赤点取っちゃう
 
優貴:なんだよそのねだる表情は
 
ゆり:お願いします優貴様~。どうか私を助けてくだされ~
 
優貴:もう少し真面目に言ってほしいかな
 
ゆり:お願いします! 三つ子の魂百になっても、優貴様をお慕いしますから!
 
優貴:使い方違う気がするけど……分かったよ。じゃ、今度教えてあげる
 
ゆり:ありがと~! 優貴大好き!
 
優貴:うっ……ストレートに言うなって……
 
ゆり:へっ?
 
優貴:あーはいはい。鈍感なゆりは今日も元気ですね~
 
ゆり:なによその言い方~!
 
0:そこで、別のクラスメイトが、教室をのぞきに来ていた
 
ゆり:あっ……
 
優貴:そこの人、勝手に覗かないでくれる? 気持ち悪いんだけど?
 
0:覗きに来ていたクラスメイトは舌打ちして去っていった
 
ゆり:ありがと……
 
優貴:大丈夫か?
 
ゆり:うん
 
優貴:(平凡な毎日でも、一つだけ、傷がある。そう、ゆりの傷が)
 
0:放課後、帰り道
 
優貴:ゆりの奴、遅いな……
 
優貴:その間に、ちょっとスマホで、アニメの続き見るかな~
 
ベータ:時は未来の日本。ある日、バイオテロが発生した。
 
ガンマ:とある宗教団体が開発していた、巨大なバイオウイルス「ヘヴン」が街を襲い、俺達特殊部隊は、街の平和を守るため、ヘヴンと戦っているのだ
 
ベータ:そして今日も、その戦いは続いている
 
0:バイオウイルスに破壊された街中
 
ガンマ:状況は!?
 
ベータ:ヘヴンの中枢までたどり着いたって通信は入った……でも、そのあとの、アルファからの応答は
 
ガンマ:……飲みこまれたままか。あのバカでかい、ドロドロの図体に
 
ベータ:無事であればいいけど……時間がない
 
ベータ:!ガンマ! ウイルスの中から!
 
ガンマ:あーあー。変なの生成しやがって! 撃ち落とすぞ!
 
ベータ:分かってる!
 
ガンマ:敵は……10体か……ベータ! そっちは任せられるか!
 
ベータ:この程度なら、問題ない!
 
ガンマ:一気に行くぜ……。特殊貫通弾セット、くらえ……「クリティーズ・アサルト」!
 
0:ガンマが特殊な銃を、ウイルスに向けて放つ
 
ベータ:機甲電雷弾(きこうでんらいだん)……ターゲットロック
 
ベータ:そのまま撃ち抜け!
 
0:
 
ガンマ:敵ウイルス排除! でも肝心の母体は
 
ベータ:びくともしない……大型兵器を投入して一気に殲滅(せんめつ)するか
 
ガンマ:……いや駄目だ。アルファを救わずには終われない!
 
ベータ:肝心のウイルス浄化ワクチンはアルファが持ってて、それごと取り込まれたまま
 
ガンマ:なんとかして、あいつを救い出さないと……!
 
0:
 
優貴:そろそろ最終話近いもんね~。確か1クールだっけ?これ
 
優貴:まだゆりも来ないし……もうちょっと見てみよっかな~
 
0:
 
ガンマ:どうだ? 本部から連絡は?
 
ベータ:だめだ……第二のウイルス浄化ワクチンまで、作成には時間がかかるって
 
ガンマ:クソ……どうする……どうすればいい
 
ベータ:そういえば、通信機は……アルファの位置情報は、完全に途絶えたわけではないよね?
 
ガンマ:ああ……奴の中にいることは確かだ
 
ベータ:それなら……一か八か、通信をかけて、内側から破壊するよう呼びかけるのは? 生きていればの、話になるけど……
 
ガンマ:なるほど……試してみる価値はありそうだな
 
0:
 
優貴:ひゃー。どうなるんだろ、これ
 
ゆり:何してるの?
 
優貴:げっ。ゆり
 
ゆり:……また見てるし
 
優貴:気になる展開だったんだよ。隊員が一人取り込まれちゃって。でっかいドロドロバイオウイルスの中から隊員を救うのか、それとも別の手を使うのか、いいところだったんだ
 
ゆり:……
 
優貴:ゆり? ……もしかして、朝の件、気にしてる?
 
ゆり:ちょっとは
 
優貴:気にするなよ。勝手に噂したいやつにさせればいいさ
 
優貴:あ。……ていうか、ゆりってアニメとかドラマ、見てるんだっけ?
 
ゆり:優貴ほどじゃないけど
 
優貴:じゃあ、別のアニメこんど一緒に見ない? 教えるついでにさ
 
ゆり:それ、勉強に集中できない気がするんだけど……
 
優貴:俺が一緒に見たいんだから、いいだろ?
 
ゆり:優貴…
 
優貴:今は今だからさ。楽しい思い出、創っていこうよ
 
ゆり:……うん!
 
0:
 
優貴:うーし、こんな感じかな
 
ゆり:大変、お勉強になりました
 
優貴:それはそれは、ご満足されて良かったでございます
 
ゆり:これできっと、次のテストも大丈夫
 
優貴:でも、復習はちゃんとしとけよ? 覚えたてって一番忘れやすいから
 
ゆり:そうなの?
 
優貴:覚えたつもりになっているだけかもしれないし
 
ゆり:五体満足ではあるわね
 
優貴:納得するな
 
ゆり:すみませ~ん
 
優貴:じゃ、なんかアニメ見る?
 
ゆり:優貴のおすすめは?
 
優貴:そうだなぁ~。この前借りてきた、熱血勇者が冒険する、ガチ王道ファンタジーとか?
 
ゆり:えー、私そんなにアツいの好きじゃないかな~
 
優貴:じゃあ、恋愛……ものとか?
 
ゆり:うん、いいよ
 
優貴:あ、あっさり言うんだな
 
優貴:(……ってなに口走ってるんだ俺! ゆりと二人で……しかも俺の部屋だぜ? 正気の沙汰かよ!? そんなの……意識…しちゃうだろ)
 
ゆり:ゆ、優貴? 顔赤いよ?
 
優貴:あ、赤くないよ
 
ゆり:ぶっ! 全然赤いじゃん。嘘つくの、ヘタよね~
 
優貴:うるさいな!
 
ゆり:ほんと、優貴といると楽しい。昔の傷も忘れてしまうくらい
 
優貴:えっ?
 
ゆり:……同級生に、殴られたり、切られたり
 
ゆり:まるで何かの実験なんじゃないかってくらい、よくやられてたっけ
 
優貴:ゆり
 
ゆり:っ
 
優貴:自分で自分を傷つけるなよ
 
優貴:もう思い出さなくていいことを、わざわざ思い出すなって
 
ゆり:…ごめん。つい
 
ゆり:そのアニメを見ると、思い出しちゃうのよ
 
優貴:これを?
 
ゆり:そのバイオウイルスだっけ? もしかしたらそのウイルスも実は人間で、色んなことを実験されて、そうなっちゃったらって考えたら……怖くなってきた
 
優貴:……そうなんだ、ね
 
ゆり:だから、そのアニメは苦手
 
ゆり:…あ、ちょっとトイレ行ってくるから
 
優貴:長い?
 
ゆり:うわー。優貴さいてー
 
優貴:はいはい、いってらっしゃい
 
0:
 
優貴:(流石に、ゆりの前であのアニメは見れないな……。あいつが嫌な思いするなら、なおさらだ)
 
優貴:あれ? 電話……? 
 
0:優貴は、スマホが振動したので、電話と思いスマホを開いてみた
 
優貴:いや、違う……。えっ? これあのアニメ…? なんで勝手にスマホの画面が?
 
0:
 
ガンマ:よし……通信が繋がった! 画面を出せ!
 
ベータ:もうすでに繋げています
 
ガンマ:聞こえるか! アルファ! 返事をしてくれ!
 
優貴:……は?
 
ガンマ:駄目か……なら、本名で呼びかければ
 
ガンマ:優貴! 聞こえるか!
 
優貴:……なんで、僕に語り掛けているんだ……?
 
ガンマ:やっぱり、ヘヴンの精神汚染が響いてるか……!
 
ベータ:この様子だと、記憶の混乱が生じている可能性がある
 
ベータ:私達を「アニメの人物」だと思い込まされるように
 
ガンマ:なら……! あいつを現実に引き戻す!
 
ガンマ:優貴! 思い出してくれ……お前は、俺達と行動を共にしていた「アルファ」だ!
 
ガンマ:お前があのウイルスに取り込まれて、通信が途絶えたから……死んでいたと思っていた
 
ベータ:これが通じる、ということは、まだ生きている……! 
 
ガンマ:お前が中枢まで潜入したことは聞いた! だからそのワクチンを使って、ヘヴンを殺すんだ!
 
優貴:ヘヴンを殺す……? っ!!! …頭……が……っ!
 
優貴:ぅ………ぁぁあああああああああああぁぁぁ……!  
 
ベータ:記憶が……? アルファ、応答してください……!
 
優貴:……そうだ。思い出した……
 
優貴:……確か、浄化ワクチンを持って……このウイルスの中に……
 
0:
 
ゆり:何を話しているの? 優貴?
 
優貴:っ!!
 
0:振り向くと、優貴の顔の近くまで、ゆりが迫ってきていた
 
0:優貴はすかさず後ずさる
 
ゆり:なんで、銃なんか持ってるの?
 
ゆり:顔が怖いよ?
 
優貴:ゆり……
 
ゆり:だから見ちゃだめって、あれほど言ったじゃない
 
ゆり:あと……その手にあるものはなに?
 
ゆり:それが「ワクチン」なの? 
 
優貴:……お前は、そもそもゆりじゃない……
 
優貴:……ウイルスの、ヘヴンの本体だ
 
ゆり:ううん。私は、ゆりだよ。だって、元々人間だったから
 
優貴:えっ……?
 
ゆり:そして君は、アルファじゃなくて、私の幼馴染の優貴
 
優貴:違う。ここがお前の体内だとすれば……お前が創った世界なんだろ、きっと
 
優貴:ウイルスがそんなことできるなんて驚きだけど、開発した宗教団体にとってはよほど価値があるんだろうな……こんな異次元じみてたら
 
ガンマ:ベータ! アルファの様子は?
 
ベータ:おそらく……精神汚染から回復したと思う
 
0:ゆりは不気味に笑う
 
ゆり:……そう。優貴が優貴じゃないっていうなら
 
ゆり:ここで死んで?
 
優貴:っ! 周りが……歪んで!?
 
ガンマ:逃げろ!!
 
優貴:くっ……!
 
ゆり:逃げないでよ、優貴
 
0:
 
優貴:俺は、追ってくるゆりから逃げながら、今までのいきさつを思い出していた
 
優貴:俺の街は、あの大きなバイオウイルスによって破壊されていたんだ。そして俺は、そのバイオウイルスを倒すための特殊部隊の一人……アルファというコードネームだ。俺の任務は、そう……ヘヴンを破壊するための対抗ワクチンを使うこと……
 
0:
 
優貴:っ……! くっそ、行き止まりか……
 
ゆり:どこいくの? 優貴 そこから先は崖だよ?
 
優貴:勝手に世界が作り変えられる……そりゃそうか、お前の体内だもんな
 
ゆり:酷いよ。私を置いていくなんて
 
ゆり:君も、私に酷いことをするの?
 
ゆり:他の奴と同じように
 
優貴:どういうことだ
 
ゆり:私はね。実験体だったの。
 
ゆり:興味本位で、色んな所をいじられた人間
 
ゆり:もうその時の記憶は覚えてないけど
 
ゆり:あいつら全員殺せて、すっきりした
 
ゆり:でも、私を傷つけてくる人は減らない
 
優貴:だからって世界をまるごと飲みこむ気か?
 
ゆり:だって……終わらないから。ずっと傷つけてくる奴らが居るから
 
優貴:……辞めろ
 
ゆり:それって、優貴の本音? それとも嘘?
 
優貴:それは……
 
ガンマ:だまされるな! 優貴!
 
ベータ:また、あいつの精神汚染が……このままだとっ!
 
ガンマ:はやく、そいつにワクチンを撃ち込むんだ!!
 
優貴:俺は……
 
ゆり:どうするの
 
優貴:……お前を、殺す
 
ゆり:っ!
 
優貴:俺の街を、壊したことは事実だ
 
ゆり:はは……裏切るんだ、結局
 
ゆり:私は優貴と生きたかったのに……
 
優貴:……そうだよ、俺もだ
 
ゆり:……えっ?
 
0:優貴はゆりを抱き寄せた
 
ベータ:アルファ!? 何をしているん!?
 
ガンマ:お前……なんで
 
優貴:ベータ、ガンマ
 
優貴:俺はこの世界に汚染されてしまったかもしれない
 
優貴:でも、記憶を思い出しても、ゆりを守りたいって思いが、消えないんだ
 
ベータ:それは、あなたの精神が汚染されて……
 
優貴:(さえぎる)ここでゆりを殺して、俺だけ帰ったとしても、後悔する
 
優貴:ゆりを殺した現実が本物だと囁(ささや)いてきて、胸が張り裂けそうになる
 
優貴:だから、ごめん
 
ガンマ:馬鹿野郎! お前だって街を失って、悲しいはずだろうが!?
 
ガンマ:なんでそんなことが言えるんだよ
 
ガンマ:一緒に、街を守るって言ったじゃないか……
 
優貴:街は守るよ
 
優貴:でも同時に、俺はこの世界の優貴でもあるんだ
 
優貴:ゆりの涙が、悲しみが、嘘とは思えない
 
優貴:それを助けたいと思う俺が、ここにいるんだ
 
ベータ:……本気なんだね、アルファ
 
優貴:だから、役目は果たす
 
ゆり:っ……優貴?
 
優貴:辛かったな、ゆり
 
優貴:自分の体をいじられて、実験体にされて、大きな化物になってしまって……本当に辛かったよな
 
優貴:お前の痛みが、お前の中に取り込まれている間、ずっと伝わってきた
 
優貴:だから、もう終わりにしよう
 
0:優貴はゆりにワクチンを刺した
 
ゆり:っ……あぁ……ぁ
 
優貴:心配しなくても、俺も一緒だ、ゆり
 
ベータ:アルファ!
 
優貴:さようなら
 
0:優貴は自分の頭に銃を向けた
 
優貴:……これにて、任務完了する
 
0:銃声が虚しく響き渡る
 
0:
 
ベータ:あれから数ヶ月後
 
ベータ:優貴の活躍によって、バイオウイルスの脅威は去り、街は少しずつ再建されていた
 
ベータ:そこで私達は、とある場所へと訪れていた
 
0:
 
ガンマ:ここだな……宗教団体の本拠地は
 
ベータ:ええ。……此処を破壊すれば、全てが終わる
 
ガンマ:実験体「ゆり」を使い、バイオテロを起こした団体のアジト……
 
ガンマ:己の命を犠牲にしてまで、街を救ったアルファの……優貴のために、ケリをつける
 
ベータ:各隊、突入準備をはじめろ……。これより宗教団体の摘発を始める!
 
ベータ:よし、突入!!
 
0:アジトに突入した特殊部隊は、一気に団体の構成員を取り押さえる
 
ガンマ:動くな! 地面に伏せろ!
 
ベータ:抵抗するのであれば射殺しろと命令が下っている! 死にたくなければ、ただちに伏せろ!
 
0:
 
ベータ:アジトの構成員、全員拘束完了
 
ガンマ:よし……こいつら全員連行だ
 
ベータ:これで…アルファ……優貴に顔を合わせられる
 
ガンマ:ああ、これで終わった
 
ガンマ:……優貴、全部片付いたよ
 
ガンマ:だから、もうゆっくりしてくれ
 
0:
 
0:
 
ゆり:……あれ、私は
 
優貴:終わったよ、ゆり
 
ゆり:ここは、海?
 
優貴:さぁ? でももう君の体内じゃないし、きっと死後の世界なのかも
 
ゆり:戻らなくて良かったの? あのまま、私を殺して戻れたのに
 
優貴:お前だけ殺して生きるなんて、できない
 
ゆり:それは、本音? ……全部、私が造った記憶なのに?
 
優貴:ああ、お前が造った記憶だろうと、関係ない
 
優貴:だからこのまま、一緒に
 
ゆり:馬鹿だよね、優貴って
 
優貴:うるさい
 
優貴:……というか、一緒にアニメ見る約束、残ってるしな
 
優貴:ま、死んだ後でも、アニメって見れるのか知らんけど
 
ゆり:覚えてたの?
 
優貴:そりゃ……そうだよ
 
ゆり:なんで照れてるのよ
 
優貴:……じゃあ、せっかくだし
 
ゆり:え?
 
優貴:ゆり……。君の事が、好きだ
 
ゆり:……っ
 
0:優貴は手をゆりに差し出した
 
優貴:もしよかったら、俺と付き合ってくれませんか?
 
ゆり:……ほんと、馬鹿
 
0:ゆりは暖かい笑顔を浮かべて、優貴の手を、優しくつかんだ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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