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ズームバック×オチアイ #2 に学ぶニューエコノミー

NHKの新番組、ズームバック×オチアイ#2を見ました!自身の理解を深めるためにまとめてみたいと思います。

落合さん、最近の日本の経済どうみてます?

雇用環境の悪化や株価の乱高下のなか、株価は戻ってきているが株券自体の価値が上がっているのか、(財政支出が増え貨幣が大幅に出回ることで)現物としての貨幣の価値が下がっているのかはまだ分からない。その観点で今まだどちらとも言えないなかで、世界恐慌の時とかはどうだったんだろうというのは気になっていて‥

コロナショックと言われる今、過去からどんなヒントが得られるか。

1973年 中東戦争 オイルショック

物不足からの買い占めが起こり、翌年には物価が20%上昇。狂乱物価と呼ばれたほどだった。
トイレットペーパーに行列し、おばちゃんが景気をぼやく映像は現在と重なる。

6年後、再びオイルショックに見舞われる日本。
ここで社会的な変化がおきていた。それを示すNHKのアーカイブにある『節油元年』という時代性を感じる特集番組が紹介される。
エネルギー削減のために徹底的に節約する「新しい生活様式」の映像。
「節約は美徳」という価値観でオイルショックの危機を脱したものの、節約の時代を転機に日本で動くお金が大きく減退、GDPも減少し、低成長時代へ。

危機が起きると皆がお金を貯め込み使わなくなり、ますます景気が悪化する。このエコノミーのジレンマがコロナ禍の今懸念されている。
けれど、落合さんはこんな時だからポジィティブな変化が起きやすいと言う。ここでのキーワードは‥‥

キーワード 
コンヴィヴィアリティ(自立共生)
共に助け合い、社会と緩やかに繋がる

参考文献
https://www.amazon.co.jp/コンヴィヴィアリティのための道具-ちくま学芸文庫-イヴァン-イリイチ/dp/4480096884

このコンヴィヴィアリティの見直し。
社会的に分断されたコロナを契機に急にYouTuberをしたり、急に料理を始めたり、急に畑を耕したり‥と、生産性は低いが、連帯性があがるようなことをする人が増えた。社会との距離をどう作るか、コミュニティを作るための創造性・共生性って何かを皆考え始めたのかもしれない。

社会的な連帯はどうやったらデザインできるのか。節約が美徳となったように、連帯や自立共生やなにかを創作することが美徳となる社会ってありそうだなって。この考え方が重要なんだろうなと思っている。

この考え方を可能にするために必要になっていくのが社会保障だという。

スペインで6月に導入されたベーシックインカム(全ての国民定期的に一定金額を給付し続けるという考え方)は先進国の低所得者の貧困を解決しうる。

けれど、エコノミストによる統計データ「エレファントカーブ」に示されるように、先進国では中間所得者の所得の伸び悩みによる富の格差が深刻な問題。それはベーシックインカムでは解決しきれない。
(※エレファントカーブから見える経済格差の課題は「2030年の世界地図帳」の落合さんと経済学者安田さんの対談でも語られていました。p111)

そしてデジタル化で格差がさらに加速する。つまり、身体を使って労務を提供せずリモートワークできる層は富める層になる。一方、デジタル化できない層にはこの状況は良くないもので、収入への不安からエコノミーのジレンマが起こりうる。

ここでエコノミーのジレンマに対し、興味深い事例として1929年世界恐慌時のアーカイブが紹介される。オーストリアの町ヴェルグルでは「老化するお金」(価値が1ヶ月ごとに減るお金)が出され、それにより奇跡的な経済復興が起こったという。

落合さんが見据える半歩先の未来‥‥

世界的な金融危機や成長危機の後は新しいお金の形が変わってくる。
今のタイミングで我々の社会の中で通貨の立ち位置を変えていくのかという議論が行われていく。そういった変化の間のなかに今我々はいるのだと思う。

以上、まとめてみました。
(いや、まとまっているのか。)
見ているときは勝手に分かったつもりになっているものだなぁと反省しきりです。

今回文献を紹介されたイヴァンイリイチさん。
「脱学校化社会」を読んだことがあります。「コンヴィヴィアリティのための道具」も読んでみたいです。
(※英語版は無料のアーカイブがあるようです。http://www.davidtinapple.com/illich/1973_tools_for_convivality.html )

ズームバック×オチアイ、2回目も大変面白く拝見しました。番組スタッフの方が落合さんの「おもしろい‥」という呟きを求めて、NHKのアーカイブを必死に掘り起こしているのかなぁと勝手に想像するとほっこりします。



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